三菱電機株式会社は、自励式直流送電システムの製品開発・検証を行うために、系統変電システム製作所(兵庫県尼崎市)内に建設していた「HVDC※1 検証棟」を11月26日に稼働開始しますのでお知らせします。
当社は、自励式直流送電システム事業に参入し、トータルブランド「HVDC-Diamond®(HVDCダイヤモンド)」をグローバルに展開することで、2020年度までに累計受注高500億円以上を目指します。
- ※1:High Voltage Direct Current 高電圧直流、電力分野ではDC1500V超をHVDCと呼称
「HVDC検証棟」の概要
所 在 地 | 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1-1 |
建 屋 面 積 | 1217.6m2(延床面積1767.8m2) |
建 屋 構 造 | 鉄骨造、一部地上2階建 |
稼働開始時期 | 2018年11月26日 |
検証設備仕様 | 設備容量50MW, BTB※2 構成 |
主 要 設 備 | 変換装置、制御・保護装置、受電設備ほか |
- ※2:Back To Back 送電線をもたない直流送電設備
HVDC検証棟建設の背景
直流送電は、交流送電より送電効率が高く、洋上風力発電や太陽光発電等との連系が容易なため、再生可能エネルギーの利用拡大によるCO2削減にも貢献します。世界における直流送電システムの市場規模は、2017年度約7700億円で、再生可能エネルギーの利用増加にともない今後は年率6%程度の成長が見込まれます(当社予測)。
直流送電システムには「交流・直流間の変換に対し、交流系統内に変換器容量に見合った発電機が不要な」自励式と「必要な」他励式があり、接続する系統条件に制約の少ない自励式直流送電システムの需要が今後は増えると予想されています。
当社は、本検証設備を用いて、交流送電線事故・直流事故発生時の動作検証を進めることにより、信頼性の高いシステムを実現します。