日本と同じく韓国には季節や行事に合わせて作られるさまざまな料理があります。
例えば、韓国料理でポピュラーなわかめスープ「ミヨックク」。
誕生日や産後に出される定番料理で、長寿や産後のお母さんが健康でいられるよう願いを込めて作るのだそう。
また、温かい素麺「チャンチグクス」は、色鮮やかで結婚式やお祝い事に振るまわれます。
さらに、雨音がチヂミを焼く音に似ていることから雨の日はチヂミを食べたくなるそうです。
辛いだけではない、彩り豊かで旨みの詰まった韓国アレンジレシピをどうぞお試しください。
ミヨッククは、誕生日や出産後のお母さんのために作られる大切なスープです。しっかり炒めてクタクタになるまで煮込んだわかめの風味と、ほどよく脂ののった牛肉の旨みがスープに溶け込んだ、コクのある一品です。旬のセリを加えれば、シャキシャキの食感とスッキリとした苦みがさわやかなアクセントに。
材料 2人分
- わかめ(生食用または水で戻したもの)150g
- 牛肉(カレー用角切り肉)100g
- ゴマ油大さじ1
- セリ50g
<炒め用調味料>
- 酒大さじ1
- しょうゆ大さじ1/2
- ニンニク(すりおろし)1片分
- 水3と1/2カップ(700ml)
<仕上げ用調味料>
- 魚醤(ナンプラーなど)大さじ1/2
- 塩小さじ1/4
- コショウ少し
作り方
①下ごしらえをする
わかめは小さめのひと口大に切る。
牛肉は5mm厚さほどに切る。
セリは根元を切り落として3~4cm長さに切り、葉を少量とり置く。
②炒める
鍋にゴマ油を入れて中火でしっかりと熱し、牛肉を炒め、色が変わってきたらわかめ、炒め用調味料を加えてよく炒め合わせる。
③煮る
水を加えてひと煮立ちさせてアクをとり除き、フタをして弱めの中火で20分ほど煮る。
仕上げ用調味料を加えて味を調え、セリを加えて1分ほど煮る。
④盛る
器に盛り、とり置いたセリの葉をのせる。
ワンポイントアドバイス
・わかめは生食用(刺身用)を使っても、塩蔵や乾燥のものを水で戻して使っても、どちらでも美味しくできあがります。
・わかめを炒めてじっくり煮込むことで、スープにもわかめの旨み、風味がしみ出て美味しくなります。
・カレー用の角切り牛肉は煮込むと美味しい部位が使われています。旨みも強いのでダシとしてスープに活用するのもオススメです。煮こみ時間を短縮できるよう、角切り肉を5mmほどの厚さに切って調理するのもポイントです。
レンコンをチヂミの生地に入れて、もっちりとした食感に。青ネギチヂミはレンコンとネギの風味をダイレクトに味わえます。キムチチヂミは熟成したキムチの程よい酸味とタマネギの甘さが食欲をそそり、海鮮チヂミは牡蠣やたこの旨みがギュッと詰まっていて食べ応え抜群です。3種のチヂミが食卓を彩ります。
材料 (作りやすい量:2~3人分 / 直径8~9cmのミニサイズ)
<チヂミ生地(3種共通)>
- レンコン500g(250~260gのもの2節)
- 溶き卵1と1/2個分(約75g)
- 小麦粉大さじ3
- 片栗粉大さじ3
- 塩小さじ1/3
<タレ調味料>
- しょうゆ大さじ1
- 酢大さじ1/2
- 砂糖大さじ1/2
- ゴマ油大さじ3
<青ネギチヂミ(3枚分)>
- 万能ネギ40g
- 赤ピーマン(斜め薄切り)適宜
- チヂミ生地1/3量
<キムチチヂミ(4枚分)>
- 白菜キムチ(できれば熟成)80g
- タマネギ1/5個(約40g)
- 豚バラ肉(薄切り)50g
- 韓国唐辛子粉小さじ1(3g)
- チヂミ生地1/3量
<海鮮チヂミ(3枚分)>
- 牡蠣(加熱用)3個
- 塩少し
- ゆでたこ(足)60g
- 小麦粉適量
- 溶き卵適量(残りの1/2個分を使用)
- チヂミ生地1/3量
作り方
①チヂミ生地を作る
レンコンは皮をむいてすりおろし、ザルに入れて軽く水気を切る(汁気を切って390~400g)。
水気を切ったレンコンに溶き卵を加えてよく混ぜ合わせたら、小麦粉、片栗粉、塩を加えてよく混ぜ合わせる。
チヂミ生地を3等分する。(3種類のチヂミ用に均等に分ける)
②青ネギチヂミを焼く
万能ネギは根元を切り落として斜め薄切りにする。
ボウルにチヂミ生地、万能ネギを入れて混ぜ合わせる。
フライパンにゴマ油大さじ1を入れて中火で熱し、1/3量の青ネギチヂミを丸く広げ入れ(直径8~9cm)、赤ピーマンを上にのせる。残りも同様にする。
6分ほど焼いて縁がカリッとしてきたら裏返し、フライ返しで上から軽くおさえ、弱めの中火で3分ほど焼く。
③キムチチヂミを焼く
タマネギは1cm角に切る。豚バラ肉は1cm幅に切る。
ボウルに白菜キムチを入れてキッチンバサミで1~2cm角くらいの大きさに切り、豚バラ肉、韓国唐辛子、チヂミ生地を加え混ぜ、最後にタマネギを加えて混ぜ合わせる。
フライパンにゴマ油大さじ1を入れて中火で熱し、1/4量のキムチチヂミを丸く広げ入れる(直径8~9cm)。残りも同様にする。
6分ほど焼いて縁がカリッとしてきたら裏返し、フライ返しで上から軽くおさえ、弱めの中火で4分ほど焼く。
④海鮮チヂミを焼く
牡蠣は塩を加えた水でふり洗いし、水気をキッチンペーパーでしっかりとおさえる。
ゆでたこはトッピング用に薄切りにして少量とり置き、残りは1cm角くらいに切る。
牡蠣とゆでたこにそれぞれ薄く小麦粉をまぶしつける。
ボウルにチヂミ生地、1cm角のゆでたこを入れて混ぜ合わせる。
フライパンにゴマ油大さじ1を入れて中火で熱し、1/3量のたこ入りチヂミ生地を丸く広げ入れ(直径8~9cm)、牡蠣とトッピング用のゆでたこを上にのせ、溶き卵を少量まわしかける。残りも同様にする。
6分ほど焼いて縁がカリッとしてきたら裏返し、フライ返しで上から軽くおさえ、弱めの中火で4分ほど焼く。
⑤タレを作る
タレ調味料をよく混ぜ合わせる。
⑥盛る
器に3種のチヂミを盛り、タレを添える。
ワンポイントアドバイス
・レンコンは旬の「走り」の初秋にはみずみずしくシャキシャキとした食感ですが、晩秋~冬になると粘りや甘みが増し、モッチリとした食感になります。細い節よりも太い節の方がデンプン質量と繊維が強く、モッチリ感があるため、チヂミの生地には太めのレンコンが向いています。
・万能ネギを斜め薄切りにする際は、長さを3等分ほどに切って束を作り、まとめて包丁を斜めに入れて薄切りにするとよいです。
・チヂミや炒めもの、鍋ものに使用するキムチは、酸味の出てきた熟成キムチがオススメです。
・海鮮チヂミで溶き卵をまわしかける際には、トッピングした海鮮を縁取るように少量まわしかけると生地から外れにくくなります。
韓国式のにゅう麺。お祝いの席や宴会などで振るまわれるごちそうでしたが、今は気軽に食べられる人気の麺料理です。シイタケの甘煮と錦糸卵、ニンジン、韓国かぼちゃの炒め物で、素麺を鮮やかに飾ります。煮干しと昆布の優しいダシのスープで、寒い季節にもホッと温まる一品。ヤンニョムジャンで味の変化も楽しめる、飽きのこないにゅう麺です。
材料 2人分
- そうめん150g
- 煮干し20g
- だし昆布5cm角のもの1枚
- 水3カップ
- タマネギ(だし用)30g
- 長ネギ(ぶつ切り/だし用)30g
- ニンジン1/3本(正味60g)
- 韓国カボチャ(またはズッキーニ)100g
- 干しシイタケ4枚
<干しシイタケ調味料>
- 酒大さじ1/2
- しょうゆ大さじ1/2
- みりん大さじ1/2
- 砂糖小さじ1
- ゴマ油小さじ2
- 塩少し
- 卵1個
- 油小さじ1
<ヤンニョムジャン材料>
- しょうゆ大さじ1
- 韓国唐辛子粉大さじ1/2(4.5g)
- 長ネギ(みじん切り)20g
- いり白ゴマ大さじ1/2
<スープ調味料>
- しょうゆ小さじ1
- 塩小さじ1/3
作り方
①下ごしらえをする
煮干しは頭とハラワタをとり除いて半分に裂く(約15g)。鍋に煮干し、だし昆布、水を加えて30分置いたら、タマネギ、長ネギを加えて中火にかける。煮立つ手前でだし昆布をとり除いて弱火で20分煮、ペーパータオルを敷いたザルでだし汁を濾す。
ニンジンは斜め薄切りにし、さらに縦に細切りにする。
韓国カボチャ(またはズッキーニ)は5mm厚さの斜め切りにし、さらに縦に細切りにする。
干しシイタケはぬるま湯で戻して水気を絞り、軸をとり除いて薄切りにする。戻し汁は濾して大さじ2をとっておく。
そうめんは表示通りに熱湯でゆでてザルにあげ、冷水でもみ洗いして水気を切る。
②韓国カボチャ、ニンジンを炒める
フライパンにゴマ油小さじ1を熱して韓国カボチャを中火で炒め、しんなりとしたら塩少しで調味し、とり出す。同じフライパンにゴマ油小さじ1を足し、同様にニンジンも炒める。
③シイタケ甘煮を作る
小鍋に戻した干しシイタケと戻し汁、干しシイタケ調味料すべてを入れて弱めの中火にかけ、汁気がなくなるまで炒りつける。
④錦糸卵を作る
卵焼き器に油を熱し、割りほぐした卵を一度に流し入れて手早く全体に広げ、乾いてきたら裏返してさっと焼き、とり出す。粗熱がとれたら食べやすい長さの細切りにする。
⑤ヤンニョムジャンを作る
ヤンニョムジャンの材料をすべて混ぜ合わせる。
⑥スープを作る
鍋に濾しただし汁2と1/2カップ(足りなければ水を足す)を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたらスープ調味料を加えて味を調える。
⑦盛る
器にそうめんを盛り、その上に炒めた韓国カボチャとニンジン、シイタケ甘煮、錦糸卵をのせて熱いスープを注ぎ、ヤンニョムジャンを添える。
ヤンニョムジャンはお好みの量を加えて食べる。
ワンポイントアドバイス
・韓国カボチャ(ホバク)は見た目も味わいもズッキーニに似た野菜です。手に入らないときはズッキーニで同様に作れます。
・ヤンニョムジャンが余ったときは、お鍋の薬味や焼き肉やしゃぶしゃぶなどのタレ、マヨネーズを混ぜて野菜スティックのディップと、いろいろな料理に活用できます。
・チャンチグクスに韓国海苔をトッピングすると風味豊かになり美味しいです。
レシピ:小西 君枝(こにしきみえ)さん料理家 / フードコンサルタント
女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。
2023.02.02