春を彩るちらし寿司春を彩るちらし寿司

ちらし寿司は、さっぱりしていて食べやすく見た目も華やか。
一品でごちそうになるので、春の集まりやお祝いにはぴったりです。
春の魚や山菜を使えば季節感あふれる仕上がりになりますし、
すし飯や具を変えると、カラフルで香りもよい、洋風やエスニック風も作れます!
ちらし寿司づくりがどんどん楽しくなりますよ。

真鯛の春ちらし 真鯛の春ちらし

春の真鯛は“桜鯛”とも呼ばれ、お祝いには欠かせない魚です。
菜の花や山菜と合わせると、季節感あふれるちらし寿司になります。
すし飯の中に、刻んだ甘酢しょうがと白ゴマを混ぜてアクセントをつけました。
すし酢に、昆布の風味をきかせるのもポイントです。

材料 作りやすい分量(3~4人分)

〈すし飯〉

  • 300g(2合分)

【すし酢調味料】

  • 米酢大さじ4
  • 砂糖大さじ1・1/3
  • 小さじ1
  • だし昆布(5cm四方)1枚
  • 甘酢ショウガ(ガリ/粗みじん切り)30g
  • いり白ゴマ大さじ1

〈ちらし具材〉

  • 真鯛(刺身用/柵)200g
  • 塩(真鯛用)小さじ1/4
  • 菜の花50g(1/2束)
  • コゴミ50g(6~8本)
  • 塩(菜の花・コゴミ用)少々

【だししょうゆ】

  • だし汁大さじ4
  • 薄口しょうゆ小さじ2
  • 1個

【卵用調味料】

  • 砂糖小さじ1
  • 少々
  • 適量
  • ホタテ貝柱(刺身用)4個
  • イカ(刺身用)6切れ
  • イクラ適量
  • 青ジソ(せん切り)10枚分
  • ラディッシュ(薄切り)適量
  • キュウリ(薄い輪切り)適量

作り方

下ごしらえをする

米は洗ってザルにあげ、30分置く。
耐熱容器にすし酢の材料を入れ、ラップをふんわりとかけ、600Wで1分ほどレンジ加熱する。とり出して砂糖が溶けるまで混ぜ合わせる。冷めたらだし昆布をとり除く。
真鯛は両面に塩をふって全体になじませ、ペーパータオルでぴっちりと包んでからラップで包む。冷蔵庫で1時間ほど置く。
菜の花とコゴミは根元を切り落とし、塩を加えた熱湯で、順に30~40秒ずつゆで、冷水にとって水気をおさえる。菜の花は2cm長さ、コゴミは3cm長さに切る。バットなどに広げて入れ、だししょうゆの材料を混ぜてまわしかけ、絡める。

すし飯を作る

炊飯器の内釜に洗った米を入れ、2合の目盛まで水(分量外)を加え、ふつうモードで炊く。
炊き上がったらボウルに移し、すし酢をまわしかけ、甘酢ショウガ、いり白ゴマを加え、しゃもじで切るように混ぜ合わせて冷ます。

薄焼卵を作る

ボウルに卵を割りほぐし、卵用調味料を加え混ぜる。
卵焼き器に油を薄くひいて熱し、卵液を一度に流し入れて全体に広げる。表面が乾いてきたら裏返し、さっと焼く。とり出して冷まし、小さな三角形に切る。

盛る

真鯛はラップとペーパータオルをとり除き、5~7mm厚さに切る。ホタテ貝柱は3~4等分に切る。イカは1.5~2cm角に切る。
器に酢めしを盛り、青ジソを散らす。その上に真鯛、ホタテ貝柱、イカ、イクラ、薄焼き卵、菜の花、コゴミ、ラディッシュ、キュウリを彩りよく散らす。

ワンポイントアドバイス

真鯛は、塩をしてしばらく置くことで水分が抜けて身が締まり、ねっとりとした食感となります。また、臭みもなくなり、うま味を感じやすくなります。賞味期限内であれば塩をして1時間以上置いてもよいですが、一晩以上置く場合はペーパータオルをとり替えましょう。

ゆでた菜の花とコゴミにだししょうゆを絡めるひと手間で、味がしっかりしておいしく食べられます。コゴミの他に、ウルイもおすすめです。

真鯛以外の刺身は、お好みのものでかまいません。エビやマグロなど、盛り合わせを利用してもよいでしょう。

焼きサーモンのサフランちらし寿司 焼きサーモンのサフランちらし寿司

さっと焼いてほぐしたサーモンは、ニンニク香る焼き面と中のレアな部分のコントラストが絶妙!
生ハムの塩気、ディルとチャービルの香りも味のアクセントになります。風味のよいサフランライスに、ワインビネガーのすし酢を混ぜて、美しいすし飯に仕立てました。

材料 作りやすい分量(3~4人分)

〈すし飯〉

  • 300g(2合分)
  • サフラン0.2g(2つまみほど)
  • 水(サフラン用)1カップ

【すし酢調味料】

  • 白ワインビネガー大さじ4
  • 砂糖大さじ1
  • 小さじ1

〈ちらし具材〉

  • サーモン(刺身用/柵)200g
  • 塩(サーモン用)小さじ1/4
  • グリンピース(むき実)30g
  • 塩(グリンピース用)少々
  • オリーブ油大さじ1/2
  • ニンニク(潰す)1片分

【マリネ調味料】

  • レモン汁大さじ1
  • オリーブ油大さじ1/2
  • 砂糖小さじ1/4
  • 少々
  • 紫タマネギ(みじん切り)30g
  • カッテージチーズ40g
  • 生ハム(2~3cm四方)30g
  • マカダミアナッツ(ロースト/粗刻み)30g
  • レモン(小さないちょう切り)適量
  • ディル適量
  • チャービル適量

作り方

下ごしらえをする

サーモンは両面に塩をふり、冷蔵庫で1時間ほど置く。
米は洗ってザルにあげ、30分置く。
サフランは分量の水に浸し、色が出るまでしばらく置き、サフラン水を作る。
耐熱容器にすし酢の材料を入れ、ラップをふんわりとかけ、600Wで30秒ほどレンジ加熱をする。とり出して砂糖が溶けるまで混ぜ合わせる。
グリンピースは塩を加えた熱湯で1~2分ゆで、火を止めてゆで汁に入れたまま冷まし、水気を切る。

酢めしを作る

炊飯器の内釜に洗った米、サフラン水を入れる。2合の目盛まで水(分量外)を加え、ひと混ぜしてふつうモードで炊く。
炊き上がったらボウルに移し、すし酢をまわしかけ、しゃもじで切るように混ぜ合わせて冷ます。

サーモンを焼いてマリネする

サーモンを冷蔵庫からとり出し、水気をおさえる。
フライパンにオリーブ油、ニンニクを入れて弱めの中火で熱し、ニンニクを炒める。色よくなり、油に香りが移ったらニンニクをとり除く。火を強め、サーモンを入れて両面をそれぞれ30秒~1分焼き、バットなどにとり出す。
ポリ袋にマリネ調味料を入れ、袋の上から揉んで混ぜ合わせる。焼いたサーモンを加え、袋の口を閉じて冷蔵庫で30分以上置く。

盛る

サーモンを袋からとり出し、フォークなどでひと口大に粗くほぐす(焼きサーモンマリネ)。
器にすし飯を盛り、半量の紫タマネギを散らす。上に焼きサーモンマリネ、カッテージチーズ、生ハム、残りの紫タマネギ、マカダミアナッツ、グリンピース、レモン、ディル、チャービルを彩りよく散らす。

ワンポイントアドバイス

サーモンは、表面だけをニンニク風味のオリーブ油で焼き、レモンドレッシングでマリネしました。爽やかなレモンの風味が臭み消しになり、サーモンのおいしさを際立たせます。サーモンの厚みによって焼き時間を加減してください。

春が旬のグリンピース。ゆでたてから急冷すると皮にシワが寄るので、ゆで汁に浸したままゆっくりと冷ましてください。

マカダミアナッツのコクと食感も意外なおいしさ。サーモンやハーブなどと一緒に口に入れると、さまざまな香り、味わいが楽しめます。

牛肉のベトナム風ちらし寿司 牛肉のベトナム風ちらし寿司

黒米入りのご飯は、すし酢を混ぜると鮮やかなピンク色に。
そこに、ヌクマムをきかせた甘酸っぱい牛肉炒めと、野菜の甘酢漬けを散らし、ボリュームたっぷりのベトナム風ちらし寿司にしました。
食べる時にライムを搾り、フレッシュな香りも楽しんでください。

材料 作りやすい分量(3~4人分)

〈すし飯〉

  • 300g(2合分)
  • 黒米大さじ1
  • 梅干し1個(正味12g)

【すし酢調味料】

  • レモン汁大さじ3
  • 砂糖大さじ1・1/3
  • ヌクマム(またはナンプラー)小さじ1

〈ちらし具材〉

  • 牛モモ肉(しゃぶしゃぶ用)200g
  • タケノコ(水煮)80g
  • セロリ50g
  • 香菜1株

【ベトナム甘酢調味料】

  • ライム果汁大さじ2
  • 米酢大さじ1
  • ヌクマム(またはナンプラー)大さじ1
  • 砂糖大さじ1
  • ニンニク(みじん切り)1片分
  • ショウガ(みじん切り)10g

【紫キャベツとニンジンの甘酢漬け】

  • 紫キャベツ(せん切り)100g
  • ニンジン(せん切り)50g
  • 小さじ1/3
  • 米酢小さじ2
  • 砂糖小さじ2
  • ゴマ油小さじ2
  • ミント適量
  • フライドオニオン(市販)適量
  • ライム(くし形に切ってさらに半分に切る)適量

作り方

下ごしらえをする

米は洗ってザルにあげ、30分置く。
梅干しは種をとり除き、包丁で叩いてペースト状にする。
耐熱容器にすし酢の材料を入れ、ラップをふんわりとかけ、600Wで30秒レンジ加熱し、とり出して砂糖が溶けるまで混ぜ合わせる。梅干しを加えてよく混ぜ合わせ、梅すし酢にする。
タケノコは5mm厚さのひと口大に切り、セロリは5mm厚さの斜め切りにする。香菜は根元を切り落とし、葉は摘みとり、茎はみじん切りにする。牛肉は大きいものは長さ2~3等分に切る。
ボウルにベトナム甘酢調味料を入れ、砂糖が溶けるまで混ぜ合わせる。タケノコ用に大さじ2をとり分け、残りのベトナム甘酢は牛肉用にする。
熱湯でタケノコ、セロリの順にさっとゆでてザルに上げ、水気を切る。タケノコにベトナム甘酢を絡めてしばらく置く。
紫キャベツとニンジンの甘酢漬けを作る。紫キャベツとニンジンをボウルに入れ、塩をふって全体に混ぜ合わせ、しばらく置く。しんなりとしたら水気を絞ってボウルに入れ、米酢、砂糖を加えて和える。

すし飯を作る

炊飯器の内釜に洗った米を入れ、2合の目盛まで水(分量外)を加える。黒米を加えて混ぜ、ふつうモードで炊く。
炊き上がったらボウルに移し、梅すし酢をまわしかけ、しゃもじで切るように混ぜ合わせて冷ます。

牛肉を焼いて漬ける

フライパンにゴマ油を入れて中火で熱し、牛肉を広げて入れ、両面を色よく焼いてバットなどに取り出す。
牛肉用のベトナム甘酢に香菜の茎を加えて混ぜ、焼いた牛肉にかける。しばらく漬けて味を全体になじませる。

盛る

器にすし飯を盛り、牛肉、タケノコ、セロリ、紫キャベツとニンジンの甘酢漬け、香菜の葉、ミント、フライドオニオンを彩りよく散らす。ライムを添えて、食べるときに搾る。

ワンポイントアドバイス

梅干しは、ヌクマムなどの魚醤と相性良し。レモンの酸味をきかせると、風味のあるさっぱりとしたすし酢になります。

牛肉は、脂の少ないモモ肉を使うと、冷めてもかたくなりにくく、おいしく食べられます。

ゆでたタケノコとセロリ、紫キャベツとニンジンの酢漬けの食感がよく、飽きずにさっぱりと食べられます。

梅干し入りのすし飯は傷みにくく、牛肉もしっかり火が通っているので、行楽弁当にもぴったりです。この組み合わせで、のり巻きにするのもおすすめです。

2025.04.01

レシピ:小西 君枝(こにしきみえ)さん料理家 / フードコンサルタント

女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。

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