しょうゆ麹篇

味噌や日本酒など身近な発酵食品に含まれ、美容や健康をサポートしてくれる食品として、近年あらためて注目を集めている“麹”。
麹の力をかりると料理の風味が向上して簡単に味がきまるので、実は時短料理にもつながります。
そこで、いつもの料理に使いやすい基本の塩麹のほか、多彩な麹調味料を使用したレシピをご紹介。時短でおいしいカラダいたわる料理をぜひお試しください。

今月は基本のしょうゆ麹を自家製でつくり、
その麹をつかって
カラダいたわる時短ごはん6品
ご紹介します。

今回の麹でつくる調味料しょうゆ麹

自家製しょうゆ麹の出来上がり!

米麹にしょうゆを加えて発酵させた調味料です。自家製も簡単です。麹に含まれている酵素が食材のうま味を引き出し、肉や魚を柔らかくする効果があります。しょうゆ麹を使うことで、塩分を減らしても満足感のある味わいに仕上げられます。野菜の和え物、ドレッシング、お刺身、お豆腐など、さまざまな料理に使えます。

【保存の目安:冷蔵で約3ヶ月】

材料

作りやすい分量/できあがり塩分濃度 約10%

  • 米麹(乾燥)100g
  • しょうゆ(濃口)200g

作り方

  1. 1下ごしらえをする

    米麹が板状に固まっている場合は、袋の上から手で揉みほぐしてバラバラにする。

  2. 2混ぜる

    清潔な容器に米麹としょうゆを入れ、よく混ぜる。
    混ぜ合わせた後、蓋を軽く閉める。

  3. 3発酵

    直射日光と湿気の多い場所を避け、常温に置く。1日に1回、清潔なスプーンなどでよくかき混ぜる。
    麹の固い粒が潰れるくらい柔らかくなったら完成。
    (目安:夏は10日~2週間ほど、冬は2~3週間ほど)

  4. 4保存

    蓋をしっかり閉め、冷蔵庫で保存する。

ポイント

冷蔵庫で保存し、約3ヶ月を目安にお召し上がりください。低温でも少しずつ熟成が進み、保存中に味がまろやかに変化していくので、長く楽しめます。

濃口しょうゆは塩分濃度が15%前後のしょうゆです。一般的に多く使われているしょうゆが濃口しょうゆです。うま味や風味のバランスがよく、コクもあり、万能なしょうゆです。種類は同じ濃口しょうゆでも蔵元やメーカーによって味わいが違います。お好みのしょうゆを見つけて作ってみてください。

しょうゆ麹を作るときには塩分濃度が低いと雑菌が繁殖する可能性が高くなるので、減塩タイプのしょうゆ(塩分濃度8~9%程度)は使わないでください。

作りはじめは米麹がしょうゆを吸収して水分がない状態になりますが、1~2日経つと徐々に水分が出てきます。作りはじめは、特に上下がしっかり混ざり合うように毎日かき混ぜてください。

余った乾燥麹は、冷凍保存がおススメです。冷凍用のジッパー付き保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから袋の口を閉じます。冷凍後は1ヶ月をめどに使ってください。

発酵過程で炭酸ガスが発生することがあるため、蓋は完全に閉めずに軽くゆるめておきます。また、容器は材料をすべて入れても少し余裕があるサイズを選ぶと、発酵中の炭酸ガスの逃げ場ができて安心です。

ジッパー付きの保存袋でも作れます。その場合も袋の口を完全に閉めず、ジッパーに短く切ったストローを挟んで閉じるなどして空気が通るようにすると、発酵がうまく進みます。また、材料を入れる前に袋の口元を2回折り返すと、ジップ部分が汚れにくくなり袋が清潔に保たれて、発酵中に2週間前後常温で置いても衛生的に管理できます。

ほかにもたくさん!麹を使った料理

レシピを作ってくれたのは小西君枝さん

小西 君枝(こにしきみえ)
料理家 / フードコンサルタント

女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。

2024.12.02