#03 — 100年前の献立から学ぶ篇
「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されてから数年が経ちます。
「このままでは衰退する可能性がある食文化」とされた和食は、あれから歩みを前へと進めることができたのでしょうか。
2021年に創立100周年を迎えた三菱電機は、日本の暮らしとともに歩み続けてきました。
これからも家電メーカーとして日本の食文化に寄り添っていくために、
この100年間の日本人の食卓、そして家電の歩みを振り返り、次なる100年を考えていきます。
切り干し大根のベーコン炒め
“干し野菜”と聞くと、自分で作るのは大変そうと思われるかもしれませんが、実は自宅でも簡単に作ることができます。長野県鬼無里(きなさ)村でも冬の寒さや夏の太陽を利用して、さまざまな干し野菜を作ってきたそうです。干すことで日持ちがよくなるだけではなく、うま味と栄養が濃縮され、普段食べている野菜の新たなおいしさに気付かせてくれる、先人の知恵。
冬に作る切り干し大根も、そのひとつです。今回は、ベーコンのうま味と塩気を利用したシャキシャキとした食感の炒め物にしてみました。戻し時間も炒め時間も短めの手軽な一品です。
【材料4人分】
切り干し大根 | 40g |
---|---|
にんにく | 1~2かけ |
ベーコン(薄切り) | 50g |
万能ねぎ | 5本 |
オリーブ油 | 大さじ1・1/2 |
赤唐辛子の小口切り | ひとつまみ |
塩、粗びき黒こしょう |
【作り方】
- 01切り干し大根の下ごしらえをする切り干し大根は軽くもみ洗いして水に10分ほど浸し、水気を絞ってざく切りにし、ほぐす。
- 02その他の材料を切るにんにくはみじん切りにする。ベーコンは5mm幅の細切りにする。万能ねぎは4cmの長さに切る。
- 03炒めるフライパンにオリーブ油とにんにくを入れ、【火力3】で香りが立つまで炒める。ベーコンと赤唐辛子を加えて【火力4】にし、ベーコンの脂が十分に出るまで炒める。切り干し大根を加え、ほぐしながら2分ほど炒める。
- 04仕上げる万能ねぎを加えて混ぜ合わせ、味をみて足りなければ塩適量で味を調え、黒こしょうをふる。
根菜の具だくさんみそ汁
みそ汁は和食の献立に欠かせません。鬼無里(きなさ)村でも、みそ汁に箸が立つほどたくさんの具材を入れることで栄養をしっかり摂っていたというお話を伺いました。
発酵食品のみそと旬の野菜、豆腐など大豆製品の組み合わせは、日本人の健康の源。野菜は何種類かを取り合わせ、1人分で100~150gは使いたいところです。
【材料4人分】
野菜 | 合計正味500g |
---|---|
大根 | 6cm |
にんじん | 小1/3本 |
ごぼう | 30cm |
里芋 | 大2個 |
長ねぎ | 1本 |
油揚げ | 1枚 |
だし | |
干し椎茸 | 1枚 |
煮干し | 大6本(正味約5g) |
水 | 適量 |
信州みそ (あれば2~3種類を合わせる) |
約90g |
【作り方】
- 01だしの下ごしらえをする干し椎茸は水に浸してもどす。椎茸は水気を絞って薄切りにし、絞り汁は戻し汁と合わせる。
煮干しは頭と腹わたを除いて半分に割り、食べやすい大きさに折る。
干し椎茸の戻し汁に水を加えて4カップにし、鍋に移して煮干しを加える。 - 02野菜と油揚げを切る大根とにんじんは5mm厚さの短冊切りにする。ごぼうは3mm厚さの斜め切りにする。
里芋は1cm厚さの半月切りにする。長ねぎは1cm厚さの小口切りにする。
油揚げは縦半分に切り、さらに1cm幅に切る。 - 03煮るだしの鍋に干し椎茸と野菜、油揚げを加える。
【火力6】でひと煮立ちさせ、【火力4~3】にして10分ほど大根がやわらかくなるまで煮る。 - 04仕上げる味を見ながらみそを溶き入れ、煮立つ直前で火を止める。
100年前から続く、先人の知恵を活かしたレシピ。
思いの外簡単に作れますので、みなさんも是非試してみてください。
次回は、明治~大正時代に日本人の食卓に大きな変化をもたらした「洋食」について取材します。
2018.12.14