先端技術総合研究所と研究者の活動を紹介します。

2024年

「超薄型・高効率ヘッドライトを実現するRIR光学技術の開発と実用化」が「第72回電気科学技術奨励賞」を受賞しました。

RIR 光学系の原理図表彰式にて
(左から桑田さん、諏訪さん、今儀さん)
※(公財)電気科学技術奨励会より提供

公益財団法人 電気科学技術奨励会が主催する令和6年度「第72回電気科学技術奨励賞」において、「超薄型・高効率ヘッドライトを実現するRIR光学技術の開発と実用化」が受賞し、2024年11月22日に学士会館(東京都千代田区)にて、授賞式が行われました。

同賞は、「電気科学技術分野に関する発明、研究・実用化、ソフトウェア開発、教育等で優れた業績を上げ、電気科学技術に貢献した功労者に送られる」ものです。

受賞技術は、高さ20mmの超薄型レンズで、屈折作用と全反射作用のみでヘッドライトに必要な配光を実現し、光利用効率を従来方式の1.8倍に向上させ、従来一般的な高さ40~60mmのレンズと同等以上の明るさを確保しました。これにより、製造性を高めてデザイン性と省エネ性を大幅に向上し、超薄型で高効率なヘッドライトを実現しました。これらの点が高く評価され、諏訪 勝重さん、桑田 宗晴さん、今儀 潤一さんが受賞しました。

◆受賞者 諏訪 勝重さんから◆
本技術は、研究着手から10年近くの開発期間を経て実用化に至りました。RIR光学技術が新しいクルマのデザインと安心・安全な交通社会の実現に寄与することを願っております。今後も研究開発を通じて、社会課題の解決とより良い未来の創造に貢献できるよう精進して参ります。

【広報発表】「世界初、水を主成分とする世界最高の蓄熱密度をもつ蓄熱材を開発」の広報発表を行いました。

開発した感温性高分子ゲルを利用した蓄熱材の
動作原理
開発メンバー

国立大学法人東京科学大学(以下、Science Tokyo)と共同で、水を主成分とする感温性※1の高分子ゲル※2を利用して、30℃~60℃の低温の熱を、従来市販品の2倍以上となる世界最高※3の蓄熱密度(562kJ/L)で蓄えることのできる蓄熱材を開発しました。

開発した感温性高分子ゲルを利用した蓄熱材は、安価な水を主成分とし、温めると高分子が膨らんだ構造から縮んだ構造へと変化し、人などの生体の細胞質にみられる高分子が混み合った環境(高分子混雑環境)を形成します。高分子混雑環境下にある水分子は配列構造が乱れて高エネルギー化し、熱を貯める容量が大きくなるため、低温の熱を高密度に蓄えられるようになりました。

この蓄熱材は、これまで工場、自動車、オフィスや住宅環境等から大気中に廃棄されていた低温排熱の回収・再利用に有効で、化石燃料の消費量を削減し、省エネルギー化や脱炭素化によるカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

◆開発者から◆
開発メンバーの決して諦めない気持ちが結実し、従来の常識を覆す凄い成果を上げることができました。開発した蓄熱材は熱マネジメントを担うフォアサイトテクノロジーになり得ると考えています。今後もゲームチェンジが期待できるような、新しい材料技術の開発に挑戦していきたいと思います。

※1物質や生物が温度の変化に反応する性質

※2高分子同士を鎖(架橋)で繋いだ高分子の網目構造体に水などの溶媒を閉じ込めたゼリー状の材料で、固体と液体の中間物質

※32024年11月14日現在、三菱電機調べ

PDFが開きますニュースリリース 2024年11月14日
世界初、水を主成分とする世界最高の蓄熱密度をもつ蓄熱材を開発(PDF:961KB)

兵庫県立宝塚北高等学校で、「プラスチックリサイクル」の講義を行いました。

日経サイエンスと日本経済新聞社のご支援のもと、11月13日(水)に兵庫県立宝塚北高等学校で、「プラスチックリサイクル」の講義※1をデモを交えながら行い、22名の生徒さんと10名の先生方の計32名に参加していただきました。

講義では三菱電機の家電リサイクルの取り組み、プラスチックの選別方法、静電選別の原理、企業研究者の仕事内容・やりがい等などについて説明するとともに、デモ機を用いてPP(ポリプロピレン)とナイロンの混合プラスチック片の静電選別を体験していただきました。

プラスチックの静電選別のデモを見た瞬間、 「本当に分別されている!」、「すごい!」という声があちこちであがりました。生徒さんたちは興味津々で、「静電選別の原理自体は単純なのに、他社が真似できないのはどんな課題があるからか?」、「確率的にうまく帯電せず、静電選別を繰り返して成功するプラスチックの割合はどれくらいか?」など、数多くの質問が出ました。

また、講義後には、「静電気をここまでうまく使いこなせることに驚いた」、「これからのリサイクル技術が楽しみ」、「学校で習っていることが大人になっても仕事で役にたつということを教えていただき、がんばろうと思えた」などの感想が寄せられました。

◆講師から◆
「まさか自分の母校で講師として講義ができる日がくるとは思っていませんでしたが、生徒さんたちが講義やデモに興味を持ってくださって嬉しかったです!」
「高校生とは思えない質問内容や意欲の高さに驚くとともに、とても頼もしく、嬉しい気持ちになりました。この講義をきっかけに研究者になる人が増えて、将来、日本や三菱電機の技術を発展させる仲間になれたら最高だなと思いました。」

※1文部科学省が指定したスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)や理数系教育に注力する中学・高校を対象に、企業の研究開発活動の最前線を伝える出張講義

◆関連情報◆

日経サイエンス 中高生が学ぶサイエンス講義
三菱電機のプラリサイクル 宝塚北高校で「静電選別の研究開発」を講義新しいウィンドウが開きます

三菱電機のプラスチックリサイクルの取り組み新しいウィンドウが開きます

【広報発表】「現実とバーチャルを繋ぐ時空間データ基盤「GeoCLOVER™」の基礎技術を開発」の広報発表を行いました。

GeoCLOVERの概要開発メンバー

ビル、工場、都市などの現実世界をまるごと空間と時間のデータとして、バーチャル上に再現する時空間データ基盤「GeoCLOVER™(ジオクローバー)」の基礎技術を開発しました。

GeoCLOVERは、現実世界をまるごと切り取り、位置と時間に紐づいた「時空間データ」として収集、時系列を蓄積します。また、GeoCLOVERは、時空間データの収集から活用までを一気通貫して実現します。これにより、「GeoCLOVER」に蓄積するデータと、お客様が保有する機器のデータを融合し、シミュレーションやAI技術と組み合わせることで、オフィスビルの快適性向上、都市空間の賑わい創出など、さまざまな現場の課題をデジタル技術で解決する新たなソリューションの提供が可能となります。

「GeoCLOVER」の一部を、10/15(火)~18(金)に千葉県 幕張メッセで開催されるCEATEC 2024に出展しました。

◆開発者から◆
みなさんには思い出の場所や時間はありますか?そのような場所や時間をデータで残したいという想いから、GeoCLOVERを構想しました。もちろん思い出を残すだけでなく、生活やビジネスシーンを空間と時間をデータとして捉えることで、これまでにはなかった新たな未来を創りだすことができると考えています。一緒にわくわくするような未来を創っていきましょう。

「Google Smartphone Decimeter Challenge2023-2024」にて元岡さんが優勝、国際会議ION GNSS+にて招待講演がおこなわれました。

「Google Smartphone Decimeter Challenge2023-2024※1」は2023年9月12日~2024年5月23日にGoogle主催(ION※2共催)で開催され、元岡 範純さんが見事優勝しました。

元岡さんは初めての挑戦でありながら、最終スコア0.883mを記録し、過去2回のコンペティションを含め初めて1mを切る測位精度を達成し、見事優勝しました。これは、参加者322人(279チーム)の中での圧倒的な成果です!
今回の優勝の特典として、9/16~20日にアメリカのボルチモアで開催された世界最大規模の衛星測位の国際会議ION GNSS+で招待講演がおこなわれました。

◆元岡 範純さんから◆
今回の成果は、これまでの研究開発で培ってきた、衛星測位信号とIMU(慣性計測センサユニット)のデータを統合する複合測位技術が大いに役立ちました。また、このコンペティションへの参加を通じて、自身の技術力に対する自信を一層深めることができました。今後は、今回得た知見や経験を衛星測位技術の研究開発や事業創出に活かしていきたいと思います。

※1走行する車両に設置したスマートフォンから得られる衛星測位信号、IMUデータ(慣性計測センサユニット) 、地磁気データを用いて車両位置の推定精度を競うコンペティションで、Kaggleで2021年から実施されてり、今回で三回目の開催。スマートフォンの位置精度を高めることで、人間の微細な行動とモバイルインターネットの地理空間情報との間を詳細につなげることを目的としている。

※2Institute of Navigation 米国航法学会

Google Smartphone Decimeter Challenge2023-2024新しいウィンドウが開きます

国際学会ION GNSS新しいウィンドウが開きます

「熟練技能に頼らず加工不良要因の特定を容易にする切削加工DX技術の開発」が第44回精密工学会技術賞を受賞しました。

技術内容受賞メンバー

「熟練技能に頼らず加工不良要因の特定を容易にする切削加工DX技術の開発」が、公益社団法人 精密工学会が主催する「第44回 2024年度 精密工学会技術賞」を受賞しました。
同賞は、「精密工学の領域で創造的業績をあげた企業等の研究者・技術者に対して、その精進と努力に報い、かつ将来の発展を期待して贈賞する」ものです。
熟練作業者でなくとも切削加工の不良要因を分析可能にすることで、加工条件やパラメータの調整が容易となるため廃棄されるワークの削減ができ、生産性向上と環境負荷低減へ貢献できる点や、計測機器を用いず加工結果の簡易検査が可能となるため切削加工の品質安定化に寄与できる点が評価され、金子弘樹さん、佐藤剛さん、藤田智哉さんが受賞しました。

◆開発者 金子 弘樹さんから◆
この切削加工DX技術は、手間のかかる加工面の傷や縞目などの加工不良の分析を何とか支援できないかと考え、デジタルとリアルの製造データをうまく融合させることにより実現しました。この度の受賞を励みに、今後も製造現場の課題を解決できるように研究開発に取り組んでまいります。

【広報発表】「エレベーターがロボットの動作を音声で伝えるヒューマンファシリティインタラクション機能を開発」の広報発表を行いました。

ロボットが人とエレベーターに同乗する際のエレベーター内での音声案内(イメージ)実証実験※2によるロボットに対する好感度評価

株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)との共同研究により、ロボットがエレベーターに乗降する際、ロボットの動作情報をエレベーターのかご内で音声案内することで、エレベーター利用者に対して安心感を提供するヒューマンファシリティインタラクション(HFI)機能※1を開発しました。

人とロボットがエレベーターに同乗する際に、ロボットの動作情報がエレベーターの利用者に伝わらず、利用者が不安やストレスを感じやすいという課題があります。そこで人が常に一歩先を予測して行動し、他人に対して無意識にストレス軽減動作(会釈や、声掛けなど)を行う点に着目し、ロボットもしくはエレベーターから、ロボットの動作情報をエレベーターの利用者に直接伝えることで不安やストレスを軽減することが期待されます。

◆開発者から◆
少子高齢化の労働者不足を背景に、サービスロボットが社会に進出して久しいです。しかし、これから益々サービスロボットを活用していくには、一緒に働く人のストレスを下げることが重要です。HFI機能はそこに向けた提案として開発しました。これから、HFI機能の製品化に向けてさらなる機能開発続けていきます。

※1HFI:Human-Facility Interaction の略。人とビル設備とのインタラクション機能に関わる研究であり、音声だけでなく表示やジェスチャなど多様なモダリティを含む

※22024年1月9日~18日の期間、一般被験者を募集してATRにて実施

PDFが開きますニュースリリース 2024年08月27日
エレベーターがロボットの動作を音声で伝えるヒューマンファシリティインタラクション機能を開発(PDF:713KB)

【広報発表】「業界初、産学官連携でワイヤー・レーザー金属3Dプリンターによるマグネシウム合金の高精度な積層造形技術を確立」の広報発表を行いました。

金属ワイヤーを材料として使用するワイヤー・レーザーDED※1方式を採用した金属3Dプリンターと、高い不燃性を有する「KUMADAI 耐熱マグネシウム合金※2」を組み合わせることで、マグネシウム合金ワイヤーを精密な温度制御により燃焼させずに積層造形する技術を確立しました。

本開発技術による積層造形物について、ロケット用材料としての性能評価を宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて行った結果、ロケットの部位によっては従来のアルミ合金構造と比較して最大で約20%の軽量化効果が得られる可能性が試算されました。

今後、本開発成果は宇宙輸送に限らず、軽量化が要求される各種輸送機器やロボット部材等にも幅広く利用可能であることから、各種産業分野への波及および実用化に向けた研究開発を進めていきます。

本件は、国立大学法人熊本大学先進マグネシウム国際研究センター、東邦金属株式会社、JAXAの共同発表で、JAXAの「革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム」の支援によって開発した成果です。

◆開発者から◆
この積層造形技術は、産学官連携の機会を最大限活用し、各社が持つ独自の技術や知識をうまく掛け合わせることで開発を進めることができました。まだ道半ばではありますが、将来的には製造業分野へ新たな価値を提供できるよう、研究開発に精一杯取り組んでまいります。

※1DED:Directed Energy Deposition(指向性エネルギー堆積方式) 集束させた熱エネルギーを利用して材料を溶融、結合、堆積させて造形する手法

※2熊本大学が開発した「KUMADAI マグネシウム合金」の中でも、高い強度と耐熱性を併せ持つ合金

PDFが開きますニュースリリース 2024年6月13日
業界初、産学官連携でワイヤー・レーザー金属3Dプリンターによるマグネシウム合金の高精度な積層造形技術を確立(PDF:582KB)

共創先探索を目的としたリバースピッチイベントが開催されました。

6月5日にMIRAI LAB PALETTE(東京都大手町)にて、当社の保有技術をプレゼンし共創先探索を目的としたリバースピッチイベントが開催されました。

先端総研からは、「見たいものだけを見る、新方式カメラ※1」、「新時代の可視化技術『磁気粒子イメージング※2」の開発担当者が登壇しました。
本イベントには70社100名以上の方がご来場され、デモ機での技術の体験や活発な意見交換が行われました。

◆登壇者から◆
イベントを通じて、様々な意見やアイディアをいただきました。
また、こんなデータがあったら良かったなど、次の共創活動に向けた議論も行いました。
今後も社会実装を目指して、共創パートナー・適応先の探索を進めていきます。

※1空間上に設定した範囲にあるものだけを見ることができるカメラと、これを活用したセンシングシステムであり、設定範囲外のものは目に見えていてもカメラには映らない為、まさに「見たいものだけを見る/検出する」ことができる技術

※2磁気粒子イメージングは数十ナノメートルの磁気粒子を介して、粒子に吸着した物質の量や分布、さらには粘度などの周辺環境の情報を定量的に可視化可能で、磁気粒子の特性を利用することで有機無機に関わらず様々な対象を非接触・非破壊で検査できる技術

イベント詳細・登録 | MIRAI LAB PALETTE新しいウィンドウが開きます

「ディスレクシアの子ども向けアバターロボット体験ワークショップ」が開催されました。

6月1日にMEToA Ginzaにて、NPO法人エッジと共同でディスレクシアの子ども向け「アバターロボット体験」ワークショップを開催しました。

イベントには5人のディスレクシア※1の子どもに参加していただきました。このイベントでは初めに「AVATAR※2を通して、みんながわかりあえる・つながる世界を」など開発の背景を説明し、理解を深めてもらいました。

AVATAR体験では、まずMEToAの3つの展示ジオラマを使ってロボットの操作に慣れてもらいました。その後、地球と宇宙が描かれたイラストを床に広げ、地球には草や生物の模型、宇宙には隕石の模型を置き、地球からAVATARで飛び立ち宇宙の隕石を持ち帰るミッションにチャレンジしました。

最後にはAVATARで何ができるかをみんなで考えて、「危ない場所で使えそう」、「宇宙に行けるかも」などアイデアが次々飛び出しました。

◆開発者から◆
参加者一人一人の笑顔は何事にも代え難い価値であることを改めて感じました。このイベントの開催にご協力いただいたNPO法人エッジの皆様、展示製作を担当いただいた元ジブリの渡邊様、参加者の皆様、ありがとうございました。私たちは、このTECHNOLOGYを本当に必要としている人たちに“どうにか”届けられたらと思います。

※1ディスレクシア:学習障害(LD)のひとつで、文字をすらすら正確に読んだり書いたりすることが難しい症状。

※2AVATAR:機器による力ではなく、画面上の色の変化でフィードバックを伝える技術であるVISUAL HAPTICSの機能によりスマホでも違和感なく操作できることが特長。

「ディスレクシアの子ども向けイベントを、多様性を尊重する企業とのコラボで実現。」PR TIMES新しいウィンドウが開きます

METoA Giinzaウェブサイト新しいウィンドウが開きます

METoA Giinza Facebook新しいウィンドウが開きます

【広報発表】「DUVレーザーで半導体基板に世界最小の穴あけ加工を実現」の広報発表を行いました。

東京大学、味の素ファインテクノ(株)、スペクトロニクス(株)との共同研究により、次世代半導体パッケージ基板に必要な、深紫外(DUV)レーザー加工機を用いた3マイクロメートルの極微細レーザー穴あけ加工技術を開発しました。既存技術より一桁小さい穴あけ加工技術を確立することで、より高密度な基板間配線が実現し、生成AI等に必要なハイパフォーマンスコンピュータやデータセンター用のチップレットの発展に役立つことが期待されます。

本研究の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)および光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)の支援により実施されました。

◆開発者から◆
レーザー技術の進化は、60余年にわたる革新の旅で、その独特な特性は、多岐にわたるアプリケーションを生み出してきました。昨今のAI技術は目を見張るほどの速度で進化していますが、ソフトウェアの進化は、それを支えるハードウェアの開発無しには成り立ちません。本成果は物理的なハードウェアとデータ科学の融合により、デジタルと現実の架け橋となる技術です。今後もレーザーの持つ可能性を世界に発信すべく研究開発に邁進したいと思います。

第68回関西実業団陸上競技選手権大会の女子やり投決勝で、西村 莉子さんが優勝しました。

5月31日に大阪・ヤンマ―スタジアム長居で、第68回関西実業団陸上競技選手権大会が開催され、女子やり投で西村 莉子さんが55m21の記録を出し見事優勝しました。

2021年に大きな怪我を負った西村 莉子さんですが、先端技術総合研究所での業務と競技生活を両立しています。今回の試合に向けて、他の選手に引けを取らない準備と、雨天を想定した練習を重ね、その成果を見事に発揮しました。その結果、復帰後初の優勝を達成!

「表彰台の一番高いところからの景色を再び見ることができて、チョー気持ちいいー!」と西村さんは語っています。
これからも、西村 莉子さんへの応援をよろしくお願いいたします!

◆西村選手から◆
今回、復帰してからずっと目標にしていた自己ベスト更新はできませんでしたが、世界大会出場経験豊富な選手を抑えて、優勝できたことは私にとって大きな前進です。やっとこれまでの経験を活かせるアスリートに成長できたのかなと思います。
今後も常に高みを目指し、1cmでも遠くに投げられるようトレーニングに励みます。応援よろしくお願いします。

<2024年 個人成績・記録>

  • 日本グランプリシリーズ グレード1 第58回織田幹雄記念国際陸上競技大会 53m36cm <8位>

  • 日本グランプリシリーズ グレード2 2024水戸招待陸上 54m70cm <6位>

  • 第68回関西実業団陸上競技選手権大会 55m21cm <1位>

  • 日本選手権 53m56cm <11位>

<今後出場予定の大会>

  • 兵庫選手権 国体選考会

  • オールスターナイト陸上 実業団・学生対抗大会

  • 全日本実業団

MEMSセンシング&ネットワークシステム展に出展しました。

1月31日から2月2日まで東京ビッグサイトで開催されたMEMSセンシング&ネットワークシステム展に出展しました。この展示会は、車載・自動運転、ビッグデータ、AI、ロボット、健康・医療、環境・エネルギーの分野にわたり、次世代センサーに向けた要素技術が集結するものです。

先端技術総合研究所からは、「グラフェン光検出器技術」、「赤外線イメージセンサ技術」「MEMS超音波センサ技術」の3つの技術をデモ機や紹介動画を交えて展示しました。3日間多くの方にお越しいただき、たくさんの質問やご意見を伺うことができました。

また、同時開催されていたIIFES2024、HVAC&R JAPAN2024にも先端技術総合研究所で開発した技術をご紹介し、同様にたくさんのお客様にご来場いただきました。

◆開発者から◆
たくさんのお客様にお越しいただき、当社のセンサ技術を広くアピールすることができました。また、様々な業界のお客様から、こういう用途に適用できないか、こういうものをセンシングできないか、といった興味深いコメントもいただき、今後の技術開発や事業展開を検討する上で大変有益な情報を得ることができました。

共創を目的としたピッチイベントに登壇しました。

1月31日、NTT西日本が運営するQUINTBRIDGEで開催されたピッチイベントに「新時代の画像化技術『磁気粒子イメージング』」、「シンプル操作で誰もが手を取り合える未来を拓くAVATARソリューション」の開発担当者が登壇しました。

QUINTBRIDGEは、様々な企業や団体、個人が自由に交流し、それぞれのアセットを共有しながら共創を進め、オープンイノベーションを促進するための施設です。

今回、製造企業特集のピッチイベントに先端技術総合研究所から共創パートナーを募集する2テーマを紹介しました。総勢70名を超える方が来場され、活発な質疑や意見交換が行われました。

◆登壇者から◆
参加者との交流を通じて、新たな視点やアイデアが生まれただけでなく、皆様の熱意に触れることができ、大きな刺激となりました。この経験を活かし、今後も積極的にイベントに参加し、開発した技術の社会実装を目指していきます。

【広報発表】「教師データの作成が不要、短時間で分析ができる「行動分析AI」を開発」の広報発表を行いました。

三菱電機のAI技術「Maisart®(マイサート)※1」の一つとして、教師データ※2の作成を不要とし、製造現場の人の作業分析を数分で実現する「行動分析AI」を開発しました。一人ひとりの作業を撮影した動画から、改善すべきポイントを短時間で見える化でき、製造現場の生産性向上に貢献します。

本技術では、作業中は同じ身体動作が繰り返し行われることに着目し、循環する身体動作の確率的生成モデル※3を世界で初めて※4作業分析に適用しました。これにより、作業分析にかかる時間を最大99%削減※5できることを実証しました。

この成果を、1月31日から東京ビッグサイトで開催された「IIFES 2024(Innovative Industry Fair for E x E Solutions 2024)」に出展し、デモンストレーションを実施したところ、大盛況でした。

◆開発者から◆
このAI技術は、AIの研究者だけでなく、多くの製造現場の作業者・改善担当者の協力があって開発することができました。改善に終わりはなく、誰もが働きやすい製造現場の実現に向けて、これからも研究開発を続けていきます。

※1Mitsubishi Electric’s AI creates the State-of-the-ART in Technologyの略。全ての機器をより賢くすることを目指した当社のAI技術ブランド

※2AIの機械学習に用いる、例題と正解がセットになったデータ

※3データを確率変数として扱い、観測データの生成過程をモデル化したAIの一種

※42024年1月25日現在。当社調べ

※5お客様との実証実験における結果。人手による作業分析、また一般的な作業分析AIにおける教師データ作成にかかる時間との比較

PDFが開きますニュースリリース 2024年01月25日 開発No.2402
教師データの作成が不要、短時間で分析ができる「行動分析AI」を開発(PDF:998KB)

【広報発表】「船速に依存せず正確に方位制御可能な操船システムの開発」が第58回機械振興協会会長賞を受賞しました。

(2024年2月16日表彰式)左から、姫路製作所 阪口さん、ヤマハ 中安さん、ヤマハ 亀岡さん、先端技術総合研究所 宇都宮さん、ヤマハ 伊藤さん、先端技術総合研究所 今村さん

一般財団法人 機械振興協会が主催する「第58回(令和5年度)機械振興賞」において、「船速に依存せず正確に方位制御可能な操船システムの開発」が、「機械振興協会会長賞」を受賞しました。

同賞は、機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者を表彰するもので、一般財団法人機械振興協会が主催しています。今回、ボートを操舵したときの旋回速度の挙動は船速に概ね依存し、ボートの大きさや船外機の数にはほとんど影響しない特性を定量的に見出し、本特性に基づく独自の制御系を構築したことで、初期調整が不要で自動操舵を実現した点を高く評価され、受賞に至りました。