INTERVIEW

インタビュー

SCROLL

さまざまなサポート体制で
研究者としてのキャリアアップを実現

佐々木 辰也さんの写真佐々木 辰也さんの写真

さまざまなサポート体制で
研究者としてのキャリアアップを実現

先端技術総合研究所 開発戦略部
企画グループ
主席研究員 佐々木 辰也

三菱電機の先端技術総合研究所は、多種多様なデバイスや機器、システムに加えて、パワーエレクトロニクス、電気・機械、メカトロニクス、材料、そしてエネルギーや環境まで、広範な分野にわたる最先端技術の研究開発拠点です。

今回は、同研究所で研究業務に従事しながら大学院で博士号を取得した佐々木辰也さんに、入社から現在までの歩み、そして三菱電機のキャリアアップ支援について聞きました。

佐々木 辰也さん 仕事中の様子

研究開発での経験が
現在の仕事にもつながる

2021年春から開発戦略部という部署で、研究所の将来に向けた研究開発戦略や運営方針の策定に携わっています。

2005年入社後、配属されたのは研究部。製作所からの依頼や自主研究として、主にエアコンのコンプレッサー(圧縮機)の高効率化に向けた研究開発に取り組んできました。

依頼された研究では、より一層の効率向上を目指して新たな構造や部品を考案し、実験を行い、得られたデータを整理して製作所に提案します。入社当初はそのデータから何を言いたいのか、どういった結論を提示したいのかわからないと上司や先輩から指摘され、自分の未熟さを知るとともに、社会人として多くのことを学んでいった記憶があります。

現在は多くの社員の意見を取りまとめ、それをもとに戦略・方針を決めていく立場。データを使って人を納得させていく研究開発での経験は、今の仕事にも役立つ部分が多いと感じています。

佐々木 辰也さん インタビューを受ける様子

社会人ドクターへの思いが湧くも、
いったんは頓挫

就職先に三菱電機を選んだのは、ものづくりに興味があったからです。大学で理系に進んだのもそれが理由でした。さまざまなメーカーの中でも、三菱電機には家電から人工衛星のように大きなものまで実に多彩な製品があり、そのいずれかのものづくりに関わってみたいとの気持ちで当社を選びました。

エアコンの研究開発に携わる中、2010年には初めて参加した国際学会でプレゼンが成功し、研究のやりがいを強く実感するなど充実の日々を過ごしていました。そんなある日、先輩から社会人博士課程の話を聞いたのです。

研究所には、入社後に業務の傍ら、大学に入学して博士号を取得する人が多く在籍しています。私もこの話を機に漠然とではあるものの博士号に関心を持ち始め、研究分野の摩擦・摩耗を専門とする大学教授に入学の相談をしたこともありました。ところが研究とは別の業務として、労働組合の執行委員を2年間兼務することにもなって、博士課程挑戦計画はいったん頓挫してしまいます。

佐々木 辰也さん 社内交流の様子

社外との交流で刺激を受け、
チャレンジ魂が再燃

労働組合での活動が終わりを迎える頃、当時の上司からの依頼を受け、ある学会でダイバーシティ推進を目的とした委員会の企画運営に携わることとなりました。

ここでは同じ委員である他企業のエンジニアや大学の先生方との交流の場で交わされる『学び』の話に刺激を受け、博士号取得への思いが再燃します。そこから取得に係る要件や費用、社内の制度・規定を調べるなど準備を進め、2018年4月、東京の大学院の社会人博士課程に入学しました。

研究所は兵庫県にあるので、平日のプログラムには参加できず、週末の集中講座で単位を取得。土曜に行われるゼミ参加のため、2カ月に1度のペースで東京へ通いました。研究テーマは「地球温暖化抑制に向けたエアコン用圧縮機部品の摩擦摩耗特性の予測」。研究所でそれまで進めてきた研究を学術的に体系化してまとめたいとの思いから、このテーマを設定しました。

佐々木 辰也さんの写真
佐々木 辰也さんの写真
佐々木 辰也さんの写真

ADVANCED TECHNOLOGY
R&D CENTER

佐々木 辰也さん 仕事中の様子

充実のバックアップに支えられ、
博士号を取得

博士課程の3年間は、他社から社会人博士課程に進んだ同じ境遇の人たちともオープンに情報交換しながら取り組んだことを覚えています。摩擦・摩耗とひと口に言ってもメーカーそれぞれでアプローチが異なり、いくつもの最新研究の話を聞くことができて学びの刺激にもなりました。

挑戦を決断する過程で周りに相談したところ、研究所の同僚をはじめ、みんなが背中を押してくれました。後輩が研究に必要なデータ収集に協力してくれたり、上司も何かとフォローしてくれたりもしました。自分の専門外の話は他部署の研究員に質問することも多かったですね。

こうした同僚たちからの親身なサポートに加えて、会社としてキャリアアップを支援する制度もあり、全面的バックアップが得られた実感のもとで無事に博士号を取得できました。

佐々木 辰也さんの写真

前向きに臨めば、
困難から大きなものが生まれる

三菱電機は事業分野が幅広く、製品も多いですが、人も多い。この研究所にもさまざまな専門分野の社員がいるので、自分がわからない専門外のことも、詳細を知る社員を見つけて聞くことができます。前向きに挑む気持ちさえあれば部署を超えたコラボレーションもしやすい環境だと思います。

現在の仕事はその研究所の未来を作り出すもの。当研究所が取り組むべき方向性の素案をつくり、研究所幹部に提案し、議論を経て決定するという責任重大な役割です。“正解”はないので目的に基づいて納得性の高い施策を決めていく力が必要で、今まさにその難しさに直面しているところです。悩みながら、いろいろな人に助けられつつ思い切ってチャレンジし、その結果生み出した提案が喜ばれたときには大きなやりがいを感じます。

もちろん、チャレンジに失敗はつきものですが、失敗からの気づきに目を向けることができれば、自分の気持ち次第でそこから次につながる大きなものが得られます。ですから学生のみなさんには、とにかく前向きであってほしいですね。そして三菱電機を選んでいただき、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

1日の過ごし方は?

06:00

起床
朝食をとり、食器洗いと洗濯物干しを済ませてから会社に向かいます。在宅テレワークの日は始業前の空いた時間で10kmランニング。

09:00

始業
出社後はメールのチェックからスタート。今は週に3〜4日が出社で、あとの1〜2日がテレワークという配分です。

10:00

素案検討
頭を使う仕事はできるだけ午前中に済ませたいので、研究所運営に関わる施策の素案を検討し関係者との相談・議論の時間にあてます。

12:00

お昼休み
出社日は会社で配られるお弁当を同僚と一緒に食べます。テレワークの日は家で妻が作ってくれるランチ。後片付けは私です。

13:00

資料作成
検討結果を資料にまとめます。会議が多いため用意しなければならない資料も多いですね。

15:00

幹部や他部署との会議
研究所幹部に提案や報告を行う会議を開催。さらに他の部署や製作所との会議があることも。多い時には1日3つ程度の会議に出席します。

19:00

終業
家に帰って夕食。テレワーク時は夕方に仕事をいったん中断して食事をします。夕食時に2人の子の話を聞くのが毎日の楽しみ。

休日の過ごし方

大学時代からスキーにのめり込み、冬はインストラクターを務めていました。
もともとアウトドアが大好きで、冬はスキー、それ以外の季節はキャンプに家族で出かけることが最高のリフレッシュです。キャンプでは食事も作ります。子どもたちに好評なメニューはやっぱりカレーですね。

休日を過ごす佐々木 辰也さんの写真

PROFILE

佐々木 辰也さんの写真

先端技術総合研究所
開発戦略部
企画グループ 主席研究員
佐々木 辰也

2005年4月入社で研究部に配属。2014〜2016年労働組合の執行委員を経験。2018年4月から社会人博士課程に入学し、2021年3月博士号を取得。同年4月開発戦略部企画グループに異動し、現在は研究所の研究開発戦略策定などに携わる。

2005年4月入社で研究部に配属。2014〜2016年労働組合の執行委員を経験。2018年4月から社会人博士課程に入学し、2021年3月博士号を取得。同年4月開発戦略部企画グループに異動し、現在は研究所の研究開発戦略策定などに携わる。