まずは、遠くからでもとても目立つ、「45m電波望遠鏡」に直行しました。
45m望遠鏡で観測されたもっとも遠い天体は、地球から、なんと100億光年以上も離れたBR1202-0725という銀河だそうです。さすが世界に誇る電波望遠鏡ですね。
特別公開では、例年抽選で当たったら45m望遠鏡に登らせてもらえるのです。残念ながら今年は雨で中止…。代わりに、重さ700tもあるアンテナを自分の手で操作できる! ということでしたが、取材班一同、巨大なアンテナが動く様子に興奮して抽選のことなど忘れてしまいました。
(この時の動きは、特別公開時のサービス。普段はもっとゆっくりした動きだそうです。スタッフの皆様、ありがとうございました。)
それにしても、これが望遠鏡なんだ!? どこから見てもアンテナにしか見えないのだけれど…。あとで、専門家の方にお話を聞けるそうなので、質問してみよう。
45m望遠鏡の手前の「干渉計エリア」には、サイズが揃った、望遠鏡がきれいに並んでいました。
電波望遠鏡には、大きく2つの種類があるそうです。さっき見た45m電波望遠鏡は、「単一鏡」といって大きいアンテナ1つでできています。ずらっといくつも並んでいるアンテナは、「干渉計」といって、複数のアンテナで集めた電波を1か所に集めて受信しています。
望遠鏡はサイズが大きいほど、よく見えるのだそうです。干渉計は、1つ1つのアンテナの見た目は小さくても複数になると、大きな電波望遠鏡1つに匹敵する働きをすることができるのですね。干渉計のアンテナを600m離すと、600mサイズ相当! 思いついた人はとても頭がいいなあ、と感心しました。
ALMAという干渉計の望遠鏡を南米に作る大計画も紹介されていました。そのすぐ横の折り紙コーナーには、来場者がつくったアンテナの折り紙がたくさんあって、干渉計の電波望遠鏡が並んでいるようでした。
「電波へリオグラフ」は太陽専門の電波望遠鏡です。「太陽フレア」という太陽の爆発現象が起こるときに出る非常に強い電波を捉えて、爆発の時にできる高いエネルギーをもった粒子がどのようにできるのかをつきとめることを目的に建設されたそうです。干渉計で、複数のアンテナでできています。80cmの大きさのアンテナがTの字に84基ならんだ、その姿は圧巻。
電波へリオグラフの前で行われていたのが、検波器を作る工作体験の「電子工作にチャレンジ!」。検波器って難しそうーと思ったけれど、楽しそうだから、もちろんチャレンジ!です。
抵抗器、コンデンサ、ダイオードをハンダづけしてつくった検波器で、太陽から出る電波をうまく測れるかがこの工作での勝負ポイント。
今回は時間の都合で人工衛星信号を受信することになりました。自分でつくった検波器でうまくいくのかな…? と半信半疑に思いながら、アンテナのハンドルをぐるぐる回したら、とても美しいグラフができて、大大大感動!! 子どもの時に経験したら、エンジニアを目指すことになっていたかも?
本館では、講演会が行われていました。
鹿児島大学の中西裕之先生の「電波でさぐる天の川」のお話でした。
天の川は、地上から見ると、本当に川が流れているみたいに見えますよね。先生のお話によると、天空に帯状に見える天の川は、いて座の方向が川の河口となっていて、北から南にながれているようにみえますが、なんと天の川は、渦巻き銀河を横から見た形なのだそうです。先生は銀河を内側から電波で眺めることで、星や銀河の成り立ちを調べているそうです。
太陽も銀河も、身近だと思っていたのに、まだまだ私たち人類が知らないことがたくさんあるようです!いろいろな光や電波を使って今までに見たことがないものをも見つめる中西先生のお話に大興奮しました。
60cm望遠鏡は、研究に使われているものとしては世界最小の電波望遠鏡!
世界最大のミリ波望遠鏡から最小の電波望遠鏡まで、何でもあるなあ! と驚いていたのですが、でもこの60cm望遠鏡は、東大のもので野辺山のものではないそうです。
60cmの望遠鏡が何ができるのかというと視野が全然ちがうのだそうで、アンテナは大きいと視野が狭いのだそうです。場合によっては45m望遠鏡よりも有利な場合もあるんだって。小さいので反射鏡などを望遠鏡の中をじっくり見ることができて、とても勉強になりました。
全部スタンプを無事に押すことができました。宇宙に詳しくなれたうえに、ピンバッチももらえました。
宇宙を電波で見るっておもしろい!
もっと勉強するために、45m望遠鏡のマネージャーさんにお話を聞きにいってきます。