エレベーター・エスカレーター

よくあるご質問

基本編

A01

エレベーターの寿命は、適正な保守点検を行っていれば20年から25年使用することができます。
なお、一般社団法人 日本エレベーター協会では、主要な装置の耐用年数は概ね20年としています。
また、エレベーターの法定償却耐用年数(税法上)は17年です。

A02

「ピットの深さ」は、エレベーターの最下階停止レベルから昇降路底部までの部分です。(図参照)
「オーバーヘッド」は、最上階停止レベルからかご投影面上にある昇降路頂部の梁またはスラブの下端までの部分です。(図参照)

【「ピットの深さ」と「オーバーヘッド」】

「ピットの深さ」は主に速度によって、「オーバーヘッド」は速度とかご室の高さによって決まります。

A03

エレベーターの定員数は、エレベーターの積載量に人の体重(65kgとみなす)を割った値によって決まります。
エレベーターの積載量は、エレベーターの種類とかごの床面積ごとに、法によって定められています。

詳細は建築基準法施行令第129条参照
A04

乗用エレベーターは、非常用エレベーターとしての必要な要件を満たせば認められます。
寝台用エレベーターは、床面積による積載重量が緩和されているため非常用エレベーターとしては認められません。

A05

近年のエレベーターは大半がインバータ方式で、エレベーターが多く設置されはじめた1970年代に比べ約70%も省エネになっています。
最近注目の省エネ製品としては、運転中に発生する回生電力(※1)を利用するエレベーターを製造しています。通常運転時に回生電力を再利用することにより、約20%の省電力になり、また回生電力を蓄電して停電時にこの電力を使うことにより、低速で10分程度の運転も可能です。その他、エスカレーターでも省エネのために、インバータ制御や光電装置(※2)による自動運転装置があり、利用者がいない時には停止させることができます。
また今後に向け、照明のインバータ化や機器の軽量化、さらにはCO2排出量の削減にも取組んでいます。

※1例えばエレベーターが満員の状態で下降した場合、その下降する運動エネルギーによりモーターが電力を発生させます。これを回生電力といいます。
※2人や物などを検知する装置
A06

住宅用エレベーターは、乗用エレベーターと同様に人を運ぶことを目的としているため設置できます。

A07

エレベーターの形式によって定格速度が決まっているため、速度を変えることはできません。
ただし、三菱機械室レス・エレベーター「AXIEZ」は、乗っている人数に応じて運行速度を上げる可変速エレベーターシステムを装備しているため、待ち時間や乗車時間を短縮することができます。(国土交通大臣認定取得済)

A08

規格形(標準形)エレベーターの標準装備は基本的に変更できませんが、かごの照明板、壁、戸、床などは、あらかじめ用意されたデザインの中から選択することは可能です。
また、オプションとして追加可能な機能(火災時管制運転など)もあります。

A09

バリアフリー対策として車いす用、視覚障害者用エレベーターがあります。
車いす用エレベーターでは、乗場ボタンや専用操作盤が低めに設置され、かご内には鏡や手すりが取り付けられます。また、ドアの開放時間が通常より長くなり、閉まる速度もゆっくりになります。
視覚障害者用エレベーターでは、ボタン類に凸文字や点字を使用し、エレベーターの運転方向や停止階を知らせる音声アナウンスなどの機能が付加されています。

【車いす用標準仕様】

【視覚障害者用 点字表示】

A10

最新のエレベーターは、制御技術の発展(可変電圧可変周波数制御方式等を採用すること)により昔に比べ半分以下の電力量になっています。そのため、20年以上前のエレベーターをリニューアルすると効果的です。また、制御システムだけを取替える方法もあります。

A11

エスカレーターの寿命は、適正な保守点検を行っていれば20年から25年使用することができます。
なお、一般社団法人 日本エレベーター協会では、主要な装置の耐用年数は概ね20年としています。
また、エスカレーターの法定償却耐用年数(税法上)は15年です。

A12

エスカレーターを避難階段として使用することは許されていません(停止している状態においても不可)。従って必ず階段の設置が必要です。

A13

利用者がいない場合に運転を休止する自動運転方式が効果的です。
自動運転方式は乗降口に光電ポストを設置する方式が一般的ですが、最近は超音波を使ったポストレス方式が増えています。

A14

エスカレーターの安全装置には、走行中に踏段の間に何かが挟まるなどの異常があったときにエスカレーターを停止させる踏段異常走行検出装置や、手が移動手すりの入り込み口に引き込まれた時にエスカレーターを停止させるインレットガードスイッチなどがあります。

A15

他の利用者や荷物と接触して思わぬ事故をおこしたり、緊急停止した場合に危険なため、歩かないように注意喚起しています。

A16

日本一速いエレベーターは、神奈川県横浜市の「横浜ランドマークタワー」にある展望階行きエレベーターで、速度は750m/分、三菱電機製です。
日本一動く距離(昇降行程)の長いエレベーターは、同じ「横浜ランドマークタワー」にある人荷用兼非常用エレベーターで、地下3階~70階、289.8mの行程があります。このエレベーターも三菱電機製です。
(例えば10階建て程度のマンションの場合、エレベータの速度は60~90m/分です。)

日本一長いエスカレーターは、香川県丸亀市のニューレオマワールドにあるエスカレーター「マジックストロー」です。
高低差42m、中間部に水平部が設けられていて長さは約100m、三菱電機製です。

A17

1890(明治23)年に浅草凌雲閣に設置されたエレベーターが、人が乗る電動式エレベーターとして日本で最初のものとされています。
また、エスカレーターは1914年(大正3年)に東京・日本橋の三越呉服店(現三越百貨店)に設置されたものが日本で最初の常設エスカレーターとされています。

A18

一般の人が建築現場に入ることはできないので見学は出来ませんが、最近、ガラスの昇降路やガラスのエスカレーター外装が増えているので、内部の構造の一部を見ることは出来ます。

災害・防犯

A01

建物の構造等により異なりますが、震度4程度で地震感知器が作動し、管制運転に入ります。
地震感知器には「特低(P波)」・「低」・「高」の三段階があります。
地震感知器の設定値については、建物の高さなどにより異なります。

A02

エレベーター運転中に地震が発生した場合、エレベーターに設置されている地震感知器が作動し、かご内に地震発生を知らせる表示が点灯します。その後、各階とまりのエレベーターは、最寄階に停止してドアが開きます。
通過階のあるエレベーターも同様の動きとなりますが、「低」感知器が作動し、10秒程度で最寄階に着かないと判断された場合には、自動的に通過階区間内に一旦停止し、1分後にかごはおもりと離れる方向に低速運転して、最寄階に停止してドアが開きます。「高」感知器が作動した場合には、管理室に警報が発せられ、管理室からかご内にインターホンで連絡し、ドアの「閉」ボタンを押しながら、かごはおもりと離れる方向に低速運転して、最寄階に停止してドアが開きます。
いずれの場合も、乗客の安全が確認された後エレベーターは運転休止します。
エレベーターの運転復旧は、「特低」感知器のみが作動した場合は、感知器をリセットして平常運転に戻りますが、「低」および「高」感知器が作動した場合は、専門家による安全点検後、平常運転に戻ります。

A03

地震時管制運転のほか、火災時管制運転や自家発管制運転があります。
また、特殊なケースとしてピット浸水管制運転、風管制運転などもあります。

A04

エレベーターのドアにガラスを使用した防犯窓や、かご内に防犯カメラを設置すると効果的です。
また、指紋照合呼び登録、暗証式シークレットコールなどのセキュリティ機能を装備するとより効果的です。

【防犯窓】

【防犯カメラ】

A05

  1. 大形窓
    エレベーターのドアに大形窓を設けることで乗場からかご内が見やすくなり、犯罪抑止効果があります。
  2. 防犯警報ボタン
    かご内の防犯警報ボタンを押すと、かご内と各階の乗場で警報音が鳴り、トラブルの発生を知らせます。またエレベーターは各階に停止して、ドアを開きます。(各階強制停止運転といいます)
  3. キースイッチなど
    キースイッチ、暗証式シークレットコールなどを設置することで、あらかじめ決められた人以外の使用を制限することができます。
  4. 液晶モニタ
    かご内の映像を、かご内と乗場の液晶モニタにリアルタイムに表示することで、犯罪抑止効果を高めます。
  5. エレコールセキュリティシステム
    玄関ロビーとエレベーターのエントランス階の両方に設置された非接触キーリーダーにより、居室階以外は停止できないようにすることができます。

既存の三菱製エレベーターへの設置は、(1)~(4)は基本的に可能ですが、(5)は新設時のみとなります。

詳しくはこちらをご覧ください。

大型窓

防犯警報ボタン

キースイッチ

A06

地震時は最寄の階、火災の際は避難階(通常1階)に着床するので、ドアが開いたら降りて避難してください。
急病人の発生や、故障などで閉じ込められた場合は、あわてずにインターホンで連絡をとり、係員の指示に従ってください。かご内で窒息することはありませんので落ち着いて行動してください。

A07

停電時自動着床装置(バッテリー式)の取付けが可能です。この装置は、停電により階と階の間で停止した時に、最寄階まで走行させる機能です。
ただし、古い機種では追加できない場合もあります。

A08

エスカレーターは、上部と下部が充分強度のある建築の梁にかけられており、建物と同期して揺れるため、エスカレーターが下の階へ落ちる様なことは通常ありません。
地震発生の際は停電などにより停止する場合があり危険ですので、エスカレーターの使用を控えてください。

製品・施工

A01

あります。これまではマンション用エレベーターは6人乗り、9人乗りの2種類でしたが、奥行き2mの13人乗りエレベーターが製品化され、最近ではこのタイプのエレベーターの設置が増えています。

A02

昇降路内の最下階付近にあります。(図参照)
ただし、機種により異なる場合があります。

【昇降路最下階付近】

A03

赤外線ビームセンサを用いて乗り降りをチェックするマルチビームドアセンサや気配りドアがあります。(三菱機械室レス・エレベーター「AXIEZ」基本仕様)
マルチビームドアセンサはドアが閉まる時にはさまれることを防止するための機能です。
気配りドアはドアが開く時に戸袋に引き込まれることを防止するための機能です。
また、超音波を用いた超音波ドアセンサなどもあります。

【マルチビームドアセンサ】

【気配りドア】

A04

エレベーター内が満員になったときなどにお知らせするアナウンスがあります。また、ご要望に応じて階床名、エレベーターの方向、イベント、お店案内などのアナウンスがあります。

A05

暑さや消臭対策として、エレベーター専用エアコン(冷房専用)や空気清浄機を取り付ける方法があります。

A06

「車いす用のボタン」を押した場合、ドアが開く速度は同じですが、ドアが開いている時間を通常より長くし、ドアの閉まる速度を遅くしています。そのため、ドアの開閉時間は「車いす用のボタン」を押したときのほうが、「通常のボタン」を押したときより10秒程度長くなります。

A07

大きなビルでは、ピーク時に必要とされている輸送能力を確保するために、エレベーター交通計算により最適な台数、定員、速度を決定し、エレベーター台数を割り出します。
ただし、必要とされる輸送能力は、オフィスビル、ホテル、病院などによって異なるため、それぞれにあわせた手法で交通計算を行います。

A08

みなされません。
基本的に、昇降路は各階の床面積に含まれます。ただし、乗降口がない通過階(昇降路救出口を設けた階を含む)やオーバーヘッド部は床面積に含まれません。(国土交通省 通達)

A09

ピットの深さは、エレベーターの速度やピット内に設置された緩衝器の性能により算出された数値以上であることと定められています。(建設省(現国土交通省)告示 第1423号参照)
なお、かごが最下階に到着した時に、かごと緩衝器の距離が0.6m以下とすることが望ましく、不必要にピットが深くなることは好ましくありません。また、ピットの深さが1.5mを超える場合は点検用タラップを、さらに3m以上ある場合は点検用出入口をピット部に設置する必要があります。

A10

エレベーターに必要な設備であれば問題ありません。
給水・排水、電気設備の配管・配線などの設置については、エレベーターに関係のない設備を昇降路内に設置してはならないと定められています(建築基準法施行令第129条の2の5)。
ただし、エレベーターに必要な設備については、この限りではないと記されているため、エレベーターの一次電源配線は問題ありません。また、設置後、一切点検の必要がない設備(光ケーブルなど)も認められています。

A11

ピット部が浸水の恐れのある場所に設置されている場合は必要です。

A12

機械室の床面積については、機械の配置及び管理に支障のない場合においては2倍以上なくても構いません。
機械室の高さ(床面から天井または梁の下端までの垂直距離)については、エレベーターの定格速度に応じて定められています。(表参照)

定格速度(m/min) 高さ(m)
~60 2.0
60~150 2.2
150~210 2.5
210~ 2.8
A13

できます。
展望用エレベーターなどは昇降路の囲い、かごの側面にガラスを使用しています。
昇降路にガラスを使用したエレベーターは、景観を損ねることが少ないため、吹き抜けのあるビルやホテル、駅などにも設置されています。

A14

昇降路外の人または物がかごやおもりに触れたり、昇降路内に落ちることがない場合に限り、屋内、屋外とも展望用エレベーターの昇降路の囲いをとることができます。ただし、昇降路は国土交通大臣が定めた構造方法にする施工であることが前提です。

【エレベーターの囲い部分】

A15

エレベーターの機種によって異なりますが、規格形(標準形)エレベーターの場合、ご契約・仕様承諾をいただいた後、50~70日程度の工場製作期間と30日程度の据付工事期間が必要です。

A16

リニューアル方法については、大きく分けて下表のとおり三種類の方法があります。施工工期については、規格形(標準形)エレベーターにおいて目安は下表のとおりですが、設置環境、施工条件等により物件ごとの検討が必要になります。

リニューアル方法 施工工期(撤去+据付)
完全撤去一括改修 30日
準撤去一括改修 20日
分割改修(巻上機流用制御改修) 5日(連続停止は1~3日)
A17

特に決まりはありませんが、一般的に右利きの人が多いため、通常はかご内から見て右側に取付けます。乗場ボタンも、エレベーターが1台の時は乗場ドアに向かって右側に取付けます。最近は左右にあるものや、車いす対応など低い位置で側面に取り付けたものもあります。

A18

通常のエスカレーターはトラス内の上部に駆動装置があります。(図のA部分)
揚程(階高)が6.5mを超える場合、三菱エスカレーターは、傾斜部に複数の駆動装置を設置する構造(モジュラー方式)になっています。(図のB部分)

【エスカレーターの駆動装置位置】

A19

エスカレーターを屋外に設置する場合は、防水対策として以下の対策が必要です。

  1. 外装板はステンレス製とする。
  2. エスカレーター乗降口付近は床仕上げより高くしてスロープを設け、その周囲にカバー付排水溝を設ける。
  3. ホロなどの屋根を付け、傘をささずに乗れるようにする。
  4. 下階部ピットは防水構造とし、水と油を分離処理するオイルトラップを設ける。

ただし、これらの対策は準屋外に設置する場合においても必要です。屋外、準屋外、屋内の区分は以下のとおりです。

α(角度)
屋外 ~30°
準屋外 30°~70°
屋内 70°~

【エスカレーターの屋外、準屋外、屋内の区分基準】

A20

エスカレーターの機種によって異なりますが、屋内標準形であれば、ご契約・仕様承諾をいただいた後、50日程度の工場製作期間と20日程度の現地工事期間必要です。

A21

リニューアル方法は、大きく分けて下表のとおり三種類の方法があります。施工工期については、規格形(標準形)エスカレーターにおいて目安は下表のとおりですが、設置環境、施工条件等により物件ごとの検討が必要となります。

リニューアル方法 施工工期(撤去+据付)
完全撤去新設 25日
準撤去新設(トラス流用) 35日
分割改修 改修メニューの内容により、連続停止36時間1回、2回、3回のパターンがあります
A22

らせん状のエスカレーターは「スパイラルエスカレーター」といい、製造には高い技術を必要とします。現在「スパイラルエスカレーター」を製作しているのは世界で三菱電機だけです。1985年に初めて茨城県つくば市のショッピングセンター「クレオ」に納入(※現在は、スパイラルエスカレーターは撤去されています。)し、今までに国内・海外合わせて80台以上を納入しています。

A23

2003年製造以前の三菱電機製エレベーター・エスカレーターの一部には、巻上機のブレーキライニング、パッキン類や乗場・かごの扉・かご室壁・天井等の板金部品の裏面塗装などに、非飛散性のアスベスト(※1)を含有しているものが有ります。
これらを撤去・廃棄する場合は、廃棄物処理法等に従って、元請となる事業者による適切な処理(※2)が必要となりますので、詳細は当社にお問合せ下さい。

※1通常の使用においてはアスベストが飛散することはなく、人体に対する影響もありませんので、引続き安心してご利用いただけます。
※22010年5月19日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任が明確化されております。(2011年4月1日施行)
A24

床合せボタンを操作する際には、戸開のままカゴ室が一定の範囲で上昇/下降するため、絶対にカゴ室に体の一部(手や足など)を入れた状態でボタンを押さないようにして下さい。
また、床合せ操作を行う際には、床合せボタンは短い時間で押していただく方が、カゴ室の移動距離が短くなり、床合せの調整をより容易に行うことができます。

A25

ご利用いただいております小荷物専用昇降機は、昇降路内への液体等飛散があった場合、制御回路や安全装置の誤作動および部品の故障により、異常運転等重大事故の恐れが有ります。
ご利用にあたり、取扱説明書をご理解いただくとともに、運行管理者・利用者への周知徹底をお願い申し上げます。
特に、小荷物専用昇降機のかご室に液体を積込む場合は、液体を昇降路内へこぼしたり、飛散させない様にお願い申し上げます。
また、出し入れ口から雨水や、床清掃用の水を昇降路内へ浸水させない様にお願い申し上げます。
昇降路内への液体等飛散を確認した場合は、直ちに使用を中止し、電源を遮断してください。
運行の再開にあたっては専門技術者に依る点検を受けて、安全の確認を行ってください。

メンテナンス

A01

保守契約の種類は、大別して「フルメンテナンス契約」と「点検契約」の二種類があります。

1)フルメンテナンス契約
定期的な点検に加え、機器の摩耗・劣化を予測し、昇降機を常に最良の状態に維持するよう予防保全(経年劣化した電気・機械部品の取替えや修理)を行うことで機器の機能低下と故障の発生を未然に防ぎます。

2)点検契約
定期的な機器・装置等の点検と必要に応じて消耗部品の交換、給油、調整を行います。

A02

保守契約の種類は大別して「フルメンテナンス契約」と「点検契約」の二種類があります。

1)フルメンテナンス契約
定期的な点検に加え、機器の摩耗・劣化を予測し、昇降機を常に最良の状態に維持するよう予防保全(経年劣化した電気・機械部品の取替えや修理)を行うことで機器の機能低下と故障の発生を未然に防ぎます。

2)点検契約
定期的な機器・装置等の点検と必要に応じて消耗部品の交換、給油、調整を行います。

A03

エレベーター及びエスカレーターは性能維持のため、専門技術者による定期的な点検及びメンテナンスが必要です。通常の使用頻度、使用環境等に応じ1ヶ月に1回程度、専門技術者による定期点検及びメンテナンスを実施しています。 実施にあたっては専門技術者を擁する保守会社との契約をおすすめします。

保全・管理

A01

法規では、テーブルタイプのリフトには扉ロック装置の設置を義務付けていません。従って、かごの無い階で扉を開くと、その先はすぐ昇降路になりますので、ご使用時はかごの到着を確認してから扉を開けてください。
なお、当社ではご利用者により安心してお使いいただけるように、昭和 60年8月以降製造のテーブルタイプのリフトには扉ロック装置を設けています。

かごの到着は、自階のランプが点灯し、かつ使用中ランプが消灯していることで確認できます。
A03

地震時管制運転動作の確認を乗場にて行う場合は、下記を参照してください。

A04

当社製昇降機(エレベーター・エスカレーター・小荷物専用昇降機など)の設置時のお引渡し書類には次のものが含まれますのでご確認下さい。
(お客様〔ご発注元〕にお引渡ししております)

  • 昇降機に係る建築確認の申請図書(確認申請副本・確認済証・確認検査済証)
  • 取扱説明書
  • 運転用鍵
  • 付属資料(保守・点検編)
  • ステッカー類
  • その他(当該昇降機に特有なもの ex:労働基準監督署への設置届書、報告書等)
昇降機に係る建築確認の申請図書類等は大切に保管下さい。
ステッカー類については必要箇所に貼付け頂くようお願いします。
A06

高効率モーターは始動電流が従来モーターより大きいため、一部のエスカレーターではブレーカーの交換が必要になります。なおエスカレーターのブレーカーを交換する場合は、お客様のブレーカーを遮断する必要があります。
詳細はこちらPDFダウンロードを参照してください。

エレベーターはブレーカーの交換は必要ありません。
A07

当社の最新機種では、目的階に到着し扉を開く前にかごと乗場の段差を自動的に確認し、もし所定値以上のずれがあった場合はこのずれを修正(床あわせ動作)してから扉を開きます。また、万が一、床あわせ動作を行ってもずれが修正できず、段差が生じたままやむを得ず扉を開く場合は、段差に注意するようアナウンスによりご利用者にお知らせする機能を装備しています。

これからも末永くエレベーターを安心してご利用いただくために、このような機能を備えると共に、より充実した安全性、快適性をご提供できる最新機種へのリニューアルをおすすめします。

なお、現在稼働中のエレベーターに上記の最新機能を追加することが可能な場合もございますので、ご希望の場合は【製品/サービスに関するお問合せ】までお問合せ下さい。

(ご注意:既存エレベーターへの機能追加は、製造された年代の技術水準や、個々の機器仕様等により対応内容が異なります。また、追加ができない場合もございますので、予めご承知おきください。)

法令・法規

A01

エレベーターに関する法令には、主に建築基準法第34条、建築基準法施行令第129条、及び建設省告示などがあります。主な規定内容は、昇降路・機械室の構造、昇降機の安全装置・構造などです。

A02

エレベーターの管理に関する法令には、主に次のものがあります。

  • 建築基準法第8条
    「所有者・管理者は常時適法な状態に維持し、必要に応じ適切な処置を講じなければならない」
  • 建築基準法第12条・労働基準法クレーン等安全規則第5条
    「年1回の法定検査が必要」
  • 昇降機の適切な維持管理に関する指針(国土交通省 住宅局建築指導課 監修)
    「昇降機の使用頻度等に応じて、定期的に、保守・点検を保守点検業者がおこなう」
  • 建築保全業務共通仕様書(国土交通省 大臣官房官庁営繕部 監修)
    「点検の項目、保守内容及び周期が記載されている」
A03

建物の階数によりエレベーター設置を義務づける法律はありませんが、建物の用途に応じていくつかの規定があります。例えば、高齢者が良好な環境で生活できるよう3階建て以上の共同住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅)において、エレベーターを設置するよう定められています(高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則)。また、不特定多数の利用が見込まれる建物において、2階建て以上にはエレベーターを設置するよう定められています(ハートビル法施行規則)。
詳しくは、当社までお問い合わせください。

A04

エレベーターの安全装置については、建築基準法施行令第129条の10に規定されています。
主な規定内容は、巻上機のブレーキ、レールを掴んでかごを止める非常止装置、オーバースピードを検出し非常止めを作動させる調速機、リミットスイッチ、ピット緩衝器などに関するものです。

A05

非常用エレベーターについては、建築基準法施行令第129条の13の3に非常用の昇降機の設置及び構造が規定されています。
主な規定内容は、必要台数、乗降ロビーの構造・面積・設備、かごの寸法・構造・機能・速度などに関するものです。

A06

エレベーターの乗場ドアに遮煙性能および遮炎性能を有する防火設備を設置し、国土交通大臣の認定を取得すれば防火戸として使用できます。
当社は遮炎性と遮煙性をかねそなえた三菱エレベーター遮煙乗場ドア「ディフェンスドア」を販売しています。
ただし、エレベーター乗場ドアを防火設備とするためには、火報信号連動式火災時管制運転と停電時自動着床装置機能を装備することが必要です。

A07

大臣認定取得の評価基準があり、実機で性能評価試験を行う必要があります。

A08
  • (1) バリアフリー法の趣旨
    高齢者や身体障害者等の自立と積極的な社会参加を促すため、建築物のバリアフリー化の推進を図ることを目的に、平成6年「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(ハートビル法)が施行され、さらに交通面のバリアフリー化として、移動の利便性及び安全性の向上を促進することを目的に、平成12年「高齢者、身体障害者等の公共機関を利用した移動の円滑化の促進に 関する法律」(交通バリアフリー法)が施行されました。
    この度、高齢者・障害者等の円滑な移動及び建築物等の施設の円滑な利用の確保に関する施策を総合的に 推進し、経路の一体的な整備を図るため、これらを統合した「高齢者、身体障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー新法)が施行されました。(本法の施行に伴い、ハートビル法と交通バリアフリー法は廃止)
  • (2)建築物に係る単体規制の概要
  • (3)建築物移動等円滑化経路を構成するエレベーターの設計基準
    (かご・乗場寸法・その他仕様)
    項目 建築物移動等円滑化基準 建築物移動等円滑化誘導基準
    特別特定建築物 左記以外の
    建築物(特定建築物)
    特別特定建築物 多数の者が
    利用する建築物
    (特定建築物)
    主に視覚障害者が利用 左記以外 主に視覚障害者が利用 左記以外
    少なくとも1台のEV 少なくとも
    1台のEV
    その他のEV 少なくとも1台のEV その他のEV
    かご 間口 140cm 以上 160cm
    以上
    140cm
    以上
    奥行 135cm 以上 135cm 以上
    その他 車いすの転回に支障がない構造 車いすの転回に
    支障がない構造
    出入口幅 80cm 以上 90cm 以上 80cm 以上
    乗降ロビー幅 ・奥行 150cm
    以上
    150cm 以上 180cm 以上 150cm 以上
    仕様 車いす
    視覚障害者
    かご内インジ
    乗場インジ
    適合機種 P11 以上、
    B1000
    (R形は
    適用不可)
    P11、R9、
    B750
    以上
    MELWIDE
    P13以上
    (R形、B形は適用
    不可)
    P11 以上、
    B1000
    (R形は
    適用不可)
    P11、R9、
    B750以上
    MELWIDE
    建物用途が、共同住宅、寄宿舎又は下宿の場合のみ適用可能。
  • (4) 旅客施設及び立体横断施設等における昇降機の設計基準
    公共交通移動等円滑化基準における旅客施設に設置するエレベーター・エスカレーター、及び道路移動等円滑化基準における立体横断施設・自動車駐車場に設置するエレベーター・エスカレーターの仕様は以下のとおりです。
    項目 仕様
    旅客施設 立体横断施設/
    自動車駐車場
    エレベ 1)出入口幅 80cm 以上 90cm 以上
    (ただし、二方向出入口等で開閉するかごの出入口を音声で知らせる装置が設置されている場合は、80cm以上でよい。)
    2)かご内法 間口140cm 以上/奥行135cm 以上(ただし、二方向出入口等で車いす使用者が円滑に乗降できる場合は、この限りではない。) 間口150cm 以上/奥行150cm 以上
    (ただし、上記1) のただし書きによる場合は、間口140cm 以上/奥行135cm以上でよい。)
    3)かご内鏡 設置(ただし、上記2) のただし書きによる場合は不要。) 設置(ただし、上記1) のただし書きによる場合は不要。)
    4)出入口扉 ガラス窓付き/サイズ指定なし(設置できない場合は、かご内外をモニタできる装置をかご内外に設置。) ガラス窓付き/サイズ指定なし
    5)かご内手すり 設置 設置
    6)戸開延長機能 設置 設置
    7)かご内位置表示器 停止予定階及び現在位置を表示 停止予定階及び現在位置を表示
    8)かご内音声案内 到着階及び戸閉放送 到着階及び戸閉放送
    9)車いす操作盤 かご及び乗場に設置 かご及び乗場に設置
    10)点字名板 かご操作盤及び乗場操作盤に設置(それぞれ一箇所以上。) かご操作盤及び乗場操作盤に設置
    11)乗降前寸法 (ロビー)
    幅150cm 以上/奥行150cm 以上
    (通路)
    幅150cm 以上/ 奥行150cm 以上
    12)乗場音声案内 到着かごの昇降方向を放送(ただし、かご内音声案内が設置されている場合、または停止階数が二のみの場合は不要。) 到着かごの昇降方向を放送 (ただし、かご内音声案内が設置されている場合、または停止階数が二のみの場合は不要。)
    エスカレ 1)運転方向 上り・下り専用のものをそれぞれ設置(ただし、利用者が同時に双方向に移動することがない場合は、この限りではない。) 上り・下り専用のものをそれぞれ設置
    2)ステップ・くし板 滑りにくい仕上げとする 滑りにくい仕上げとする
    3)乗降口 水平ステップ3枚以上 水平ステップ3枚以上
    4)ステップと周辺部分との境界 明度差を大きくし、相互のステップの境界を分かり易くする 明度差を大きくし、相互のステップの境界を分かり易くする
    5)くし板とステップとの境界 明度差を大きくし、くし板とステップの境界を分かり易くする 明度差を大きくし、くし板とステップの境界を分かり易くする
    6)運転方向表示 上り・下り専用の場合には、進入可否を乗降口に近接する通路の床面等に表示 進入可否を乗降口に近接する歩道及び通路の路面に表示
    7)ステップ有効幅 80cm 以上 * S1000 形相当(ただし、複数台併設の場合は、1台のみ適合すればよい。) 100cm 以上
    (ただし、歩行者の交通量が少ない場合60cm 以上でよい。)
    8)車いす対応 ステップ面を車いすに必要な広さとし、車止めを設置
    (ただし、複数台併設の場合は1台のみ適合すればよい。)
    9)音声案内 行先及び昇降方向を放送
    • 旅客施設には、エレベーター又は傾斜路を設ける。構造上、傾斜路・エレベータの設置が困難な場合には、エスカレーター又はその他の昇降機を設置。
    • 立体横断施設/自動車駐車場には、エレベーターを設ける。構造上、エレベーターの設置が困難な場合には傾斜路を設ける。また、交通事情により必要な場合にエスカレーターを設置。
A09

停電時のエレベーターの運転に関する法的規定はありませんが、利用者の安全確保のため、停電時に自家発電源を使用してエレベーターを運転する自家発時管制運転機能、エレベーター内に人がいる場合、バッテリーで最寄の階へエレベーターを着床する停電時自動着床装置の設置を推奨しています。

A10

昇降機は、建築とは別に単独で確認申請が必要です。確認申請のためには、昇降路や機械室の構造、昇降機の安全性、耐震性等の審査を受け、設置後は実機で検査を受けなければ使用することは出来ません。

A11

リニューアル時の確認申請の要否については、各特定行政庁により判断が分かれていますが、一般には、エレベーターの全てを取替える「完全撤去一括改修」や一部の機器(レール、三方枠等)を残して取替える「準撤去一括改修」については確認申請が必要です。
また、エレベーターの一部を取り替える場合でも、主要機器の制御盤などの制御機器を主体とした分割改修(制御改修)の場合は、建築基準法の12条に基づく届出が必要となります。

A12

エスカレーターに関する法令は、建築基準法施行令第129条の12があります。主な規定内容は、勾配・速度・踏段幅・主要構造などです。また、国土交通省告示にそれらの詳細や安全上の留意点が規定されています。

A13

エスカレーターの管理に関する法令には、主に次のものがあります。

  • 建築基準法第8条
    「所有者・管理者は常時適法な状態に維持し、必要に応じ適切な処置を講じなければならない」
  • 建築基準法第12条・労働基準法クレーン等安全規則第5条
    「年1回の法定検査が必要」
  • 昇降機の維持及び運行の管理に関する指針(国土交通省 住宅局建築指導課 監修)
    「専門技術者による概ね月1回以上の点検、その他必要な整備又は補修をおこなう」
  • 建築保全業務共通仕様書(国土交通省 大臣官房官庁営繕部 監修)
    「点検の項目、保守内容及び周期が記載されている」
A14

エスカレーターの勾配と速度・揚程(階高)に関する規定は次のとおりです。国土交通省告示により定められています。

勾配 定格速度 揚程(階高)の規制 対象
~8° 50m/分以下 無し 動く歩道
8°~30° 8°~15°で踏段が水平以外 45m/分以下 無し
踏段が水平 エスカレーター
30°~35° 30m/分以下 6m以下

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