第1回その1
kizkia(きづきあ)
って何?・その1
人が気づかないことをAIで
私たちが見つけたいことを、様々な映像から、AIが休むことなく自動的に見つけ出し知らせてくれる「kizkia(きづきあ)」。何を見つけ出してくれるの?AIはどんな働きをしているの?など、三菱電機インフォメーションシステムズの鈴木 宏則氏に聞いてみました。
今回お話を伺った方
鈴木 宏則
- 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
- 産業・サービス事業本部
- 産業第二事業部 営業二部 第一課
- 課長代理 サーティファイド・プロフェッショナル
kizkiaとは?
kizkiaはどんなシステムですか
いま世の中にはいたるところに監視カメラが設置されています。その監視カメラの映像からヒト・モノ、さらにはその場で起きているコトをAIがリアルタイムに検知し、知らせるのが「kizkia」です。
これまで監視カメラは何かが起きたときに、あとで過去にさかのぼって状況を確認するのが主体でした。「kizkia」はそれを一歩進め、いまその場の状況をAIがリアルタイムに検知して教えてくれるので、何かが起きた後でなく、「そのとき」にすぐさま適切な対応をとることができます。
どんなヒト・モノ・コトを見つけ出せますか
「kizkia」は様々なヒト・モノ・コトを検知できます。何を検知したいかは、その場所によって異なりますが、例えば車いすのヒト、ベビーカーを押しているヒトのほか、置き忘れたままのスーツケースなどのモノも見つけ出すことができます。
また人の特定の動き(コト)も検知できます。長い時間座り込んだままのヒト、ふらついて歩いているヒトなどです。この機能を使えば、特定の危険な動作をする人を見つけ出し、防犯や事故抑制にも役立ちます。
通常、監視カメラは一定の環境に複数設置されています。そのたくさんの映像の中から、見つけたいヒト・モノ・コトを探そうとしても、人はどんなに目を凝らし集中しているつもりでも見逃してしまう可能性があります。「kizkia」なら人が24時間常に見ていなくても人の目に代わって、AIが見つけ出してくれます。
監視カメラの映像にAIを活用して見つけたいヒト・モノ・コトをすぐさま見つけ出す。それが「kizkia」です。
AIで学んで見つける
AIはどこに適用されていますか
例えばベビーカーを検知するとき。ベビーカーと一言で言っても、バギータイプや3輪タイプなどをはじめ、形・色も千差万別です。どんなベビーカーが現れても見分けられる必要がありますが、そんなあらゆる違いを踏まえた上で、例えばショッピングカートに対しては誤って反応しないようにプログラムで組むことは大変なことです。
これに対して、細かいことを定義したりせずに、とにかくたくさんのベビーカーの映像をAIに見せるのです。AIはたくさんの種類のベビーカーから、自らベビーカーの特徴を見い出していきます。これが、「AIによる学習」です。
「学習」の結果をAIが使い、監視カメラなどの映像にショッピングカートや車イスが現れても検知せず、ベビーカーのみを多用な形状でも見分けるのです。これが「AIによる判定」です。
AIの学習によって映像上の特徴をつかみ、見つけたいヒト・モノ・コトを判定する。
暮らしの
いたるところで
どんな場所で、どんな活躍をしますか
「kizkia」のネーミングは気づき(kizki)+ Intelligent Assistant(IA)という意味です。これまで人が見逃していたことを、知的かつ高度な機能である“AI”が自ら気づいて、安心・安全をアシストするという思いを込めました。
たくさんの人・モノが行き交う駅や空港などの公共機関からショッピングセンターなどの商業施設まで、街のいたるところで、安心・安全をアシストするのが「kizkia」です。
kizkiaによって何が変わりますか
車いすのヒトや白杖を持った視覚障がい者のヒトが何か困っていることはないか、ずっと座り込んでいるヒトがいるけど大丈夫かなど、「kizkia」を活用すれば、そんなヒトたちが警備員などに助けを求める前に、手をさしのべることができます。
しかもコンシェルジュやサービススタッフは監視カメラの映像を目を凝らしてずっと見続けたり、施設をくまなく巡回する必要がないのです。「kizkia」なら、広い施設でも少ない人員で色々なヒトの手助けができ、施設を利用する人に安心・安全を、施設を管理する人に省力化を提供します。
人が見逃していたことも見つけ出すから、いままでよりも行き届いたサービスができるように。