Round-trip Letters
カヒミ・カリィ × Hello,AI Lab

【 Vol.02 From Hello,AI Lab 】
お手紙、
ありがとうございます!

それは、文通のようなメッセージ。以前からAIの可能性に注目していたアーティスト、カヒミ・カリィさんと、三菱電機の研究者集団「Hello,AI Lab」が、AIについて語り合いながら、発見や気づきをやり取りするコラムです。

わたしがお答えします
  • 回答者

    Hello,AI Labの研究員

  • 特徴

    アラフォー、女性、現在子育ての真っ只中、お世話好き、ちょっとおせっかい、幼少期より科学技術に興味あり。少々ピアノを嗜む。

  • 注意

    研究所の意見を代表しつつ、若干の私見をはさみます。

1 お手紙、
ありがとうございます!

AIを、どう使っていくか
は人間次第

はじめまして!
カヒミ・カリィさんとのRound-Trip Letters、とても楽しみにしていました。
さて、「AI」という言葉が街中のいたるところであふれていますよね。AIに興味があったり、ボンヤリとした期待や不安を抱いたりする人は少なくなさそうです。そんな中、「多くの人たちがAIをもっと知る事で、AIの未来もまた違うものになっていくかもしれない」という前回のLetterの言葉にとても感銘を受けました。そう、それが言いたかった、ホントに上手に言葉にしてくださっている!と感じました。

技術をどう使うかは人間次第。だからこそ、普段科学や技術に馴染みない人にとっても、今回のような企画を通して、AIがどういうものなのか、社会にどういった影響をもたらすのか、そんなことに思いを馳せるきっかけになってほしいと願っています。

2 いただいた質問に、
お答えしますね。

これから、
大きく変わるAI

さて、前回のLetterでいただいたご質問について、回答しますね。

【質問1】

度重なる災害や環境の問題がどんどん深刻になっています。河川の監視システムなどのように、AIがその問題に関わる人々も助ける事ができるというのを知って素晴らしいと思いました。近い将来、災害や環境問題に対してAIに期待できる事は他にどんなものがありますか?

度重なる震災や環境問題、深刻ですよね。私も子どもがいるので、子どもが安心して外で遊べる未来であってほしいと願っています。
フィールドエッジ」をご存じなんですね!河川の監視システムの一部として使われる水位計測装置で、当社独自のAI技術「Maisart®(マイサート)」が使われています。
他にもたとえば、プラントなどで故障を予測して交換する予防保全にAIが使われています。将来的には、AIが斜面を監視して、大雨による土砂崩れの被害を軽減する、なんて日が来るかもしれません。

また、災害対策と並行して、社会をサステイナブル(持続可能)な方向へと変える取り組みも大切ですね。私が小学生の頃から「どうやらプラスチックは環境に良くないらしい」なんて聞く機会があったと記憶しているのですが、ここ最近で一気に世間の環境への関心が高まったように思います。日本で20年7月にゴミ袋が有料化したことも、その要因の一つかもしれませんね。たとえばプラスチックごみへの取り組みとしてAIで判別して海岸漂着ごみの量・種類の測定を効率化する、ごみ収集実施の判断支援をする、という技術が進みつつあるようです。

他にも一般的な話でいうと、AIによって空調機などを最適に調整して省エネに貢献するとか、スーパーやコンビニエンスストアでのAIによる食品ロス削減に向けた生産管理とか、AIロボットがゴミを分別する、なんていう取組みもあります。

【 質問2 】

ブレードランナーの映画のように、将来AIがどんどん進化して心の認識や感情を持つ事は可能ですか?

AI自身が感情、つまり「心」を持つかどうか。その答えはとても難しいです。ただ、近い将来、人間側が、「AIが感情をもって接してくれている」と誤解してしまうようにはなるかもしれません。

人間の表情、声、言葉などから感情を読み取るという取組みは、以前から行われています。たとえば、こんな表情をしたら不安を感じているとか、こんな表情をしたら楽しんでいる、といったことをAIが学習するんです。この技術が高度化すると、いわゆる"空気を読むAI"が誕生します。統計的に、この表情ならこういった感情だと推定し、音声合成などで感情をそれなりに表現する。そうやってAIがそれらしいレスポンスを返すと、あたかもAIが感情を持って接してくれているように人間の側が思ってしまうかもしれません。

【 質問3 】

近い将来、私たちの生活が大きく変わりそうなAI技術はありますか?

様々な分野で、AI技術が私たちの生活を変えていくと思います。たとえば、自動運転車にはAI技術が欠かせませんが、混雑や事故がない社会になるだけでなく、乗っている人の好みに合わせてクルマのほうから楽しい旅を提案してくれるようになるかもしれません。「今日はライブがあってここの道は混んでいます。こっちの道をとおって混雑を避け、ついでに人気のパフェのお店で一休みしませんか?」なんて、クルマのほうから言ってくれたり、車内ではそのときの気分に合った曲をAIが探してくれたり・・なんだかワクワクしませんか?

3 AIについて、
お聞きします。

子どもたちへの願い、
AIへの関心について

いかがでしたでしょうか。
AIって、未来を切り拓いていくようで、嬉しくなりますよね。
創作活動を日々されているカヒミさんも、そんな未来への可能性のようなものに、刺激を受けていらっしゃるのかもしれないですね。
私たちも嬉しいです。

それでは、Hello,AI Labからカヒミ・カリィさんへの質問です。

カヒミ・カリィさまへ

  • 【 質問1つ目 】

    アメリカで子育てに奮闘する日々を送っていらっしゃるというカヒミさん。これからAI技術がどんどん進歩し、より私たちの生活の一部となる未来を思い描いたとき、子どもたちにはどんなことを大切に生きていってほしいか、といった願いはありますか?

  • 【 質問2つ目 】

    カヒミさんにとって、科学や技術・AIについての関心はどのようなことがきっかけで芽生えましたか(「Newton」を愛読していらっしゃるんですね)?

  • 【 質問3つ目 】

    科学や技術・AIへの関心を、制作活動や日常生活に活かすことはありますか?

Hello,AI Labより

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