近年、大型の台風やゲリラ豪雨などによる水害が増えています。
また日本では毎年多くの地震が発生しており、あらゆる災害に対する備えが求められます。
こうした背景を踏まえ実施した調査^※1によると、台風や地震などで、自分や身内・友人がエアコンのトラブルに見舞われたことがある人は5人に1人以上いるにもかかわらず、「エアコンに関する防災対策・災害時の扱い方」について理解している人が少ないことがわかりました。
意外と知らない、エアコンの防災対策や万が一被災してしまった際の対処方法についてご紹介します。

※1三菱電機 霧ヶ峰 PR事務局調べ

エアコンを新設する際や移設する際は、必ず専門業者に依頼しましょう。ご自身で据付工事をした際に不備があると、水漏れ・感電・火災・室内機の落下によるケガの原因となります。防災の観点から専門業者に相談できるポイントをご紹介します。

室外機

① 丈夫で耐荷重性に優れた置台を使用する。

特に、強風が吹く場所に室外機を設置する際は、丈夫で耐荷重性に優れたコンクリート製の重い置台を使うことをおすすめします。また地震による転倒を避けるため、コンクリートの基礎に室外機をアンカー固定する方法もおすすめです。

② 設置場所に応じて適切な「室外機用架台」を使用する。

水がたまりやすい場所など浸水の懸念がある場所に設置せざるを得ない場合や、壁面・屋根に設置する場合は、専用の架台を使用しましょう。

③ 避難の妨げになるような場所への設置は避ける。

被災時に避難経路となる可能性のある通路（特に狭い通路など）に設置することは避けましょう。

室内機

① 室内機の下には水に濡れて困るものは
置かないようにする。

室内機は据付板を通じて壁と固定されるように設置されているため、基本的に室内機の落下を心配する必要はありません。しかし、大きな地震の場合、室内機の傾きや振動で、通常はドレンホース^＊を通じて室外に排出されるはずのドレン水^＊が落ちてくる可能性があります。室内機の下に、水に濡れて困るものは置かないことをおすすめします。

＊ドレンホース：室内機の内部に発生した結露を取り除くため、室内機から屋外の室外機に通じている細いホースのこと。

＊ドレン水：室内機で空気を冷やす際に出た排水のことで、ドレンホースで外へ排出する必要がある水のこと。

室外機

① 転倒防止金具を使う。

室外機を置台に固定する方法や、家の壁面と室外機を固定する方法などがあります。専門業者に依頼すれば、状況や要望に応じて施工してくれます。

転倒防止金具の使用

② 室外機カバーを一時的に使用する際は
しっかりと固定する。

室外機内部へのゴミや雨水等の侵入対策として、悪天候時に室外機カバーを一時的につける際は、しっかりと固定しカバー自体が飛ばされないよう十分注意しましょう。また室外機カバーをつけたまま、エアコンの運転を再開すると、室外機から排出される風が遮られ、冷房や暖房を使用することができなくなります。故障の原因となる可能性もあるので、室外機カバーをつけたまま運転しないようにしましょう！

室外機カバーはしっかり固定

災害発生時は、身の安全を最優先し、室外機が倒れるなどのトラブルが発生しても外に見に行ったり、起こしに行ったりしないようにしましょう。

Q.台風後、室外機の周辺やファンカバー、
フィン^＊にゴミなどが付いている場合は？

ゴミや葉っぱなどは、排熱の妨げとなるためきれいに掃除しましょう。ファンカバーやフィンにゴミが付着した場合は、フィンによるケガやフィンを変形させないように気を付けて、やさしく取り除いてください。また、室外機内部にゴミが溜まってしまっている場合や少しでも対処方法に悩んだ場合はご自身で対処せず、業者に依頼しましょう。

＊フィン：室外機の裏側についている薄い金属板

Q.大雨により、室外機が浸水した場合の
正しい対処方法は？

エアコンの使用をやめ、室内機のコンセントを抜くか、ブレーカーを落として業者に相談しましょう。室外機が浸水した場合、漏電や火災につながる可能性があります。また、泥やゴミなどにより不具合が発生する可能性もあるため、ご自身で何とかしようとせずに業者に相談しましょう。

Q.暴風や地震により、室外機が倒れた場合の対処方法は？

絶対に自分で起こさず、お使いのエアコンの販売店へ連絡・相談しましょう。室外機が　倒れている状態でのエアコンの使用はやめましょう。一見、正常に運転しているように見えても異常が発生している場合があります。また、倒れたまま使用すると、それが新たな故障の原因になる可能性もあります。