未来への風を
新しい明日へ
空調は
より快適に、そして
カーボンニュートラルへ
増え続ける空調ニーズに、
さまざまな問題を解決
2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、ビル空調にもさらなる省エネが求められています。また、低GWP冷媒R32への転換を通じ、環境負荷低減への貢献を進めていきます。
明日のための、
新たな選択肢R32冷媒
従来の冷媒に比べ、地球温暖化係数(GWP)が約1/3と低く、オゾン層を破壊しないR32冷媒。
明日のためのこの選択は、熱伝導性が高く、蒸発潜熱が大きい特長を持ち、コンパクトな新筐体の実現へ貢献。空調効率の向上により、私たちの生活環境を快適に保ち、地球の健康を守ります。
R32冷媒の特徴
メリット
- オゾン破壊係数ゼロ
- R410に比べ、地球温暖化係数が低い
- 毒性がなく安全性が高い
- 蒸発潜熱が大きいためコンパクト化が可能
- 熱伝導率が大きく効率的
- 単一冷媒で追加充填が可能
デメリット
- 微燃性であり、取扱いに注意が必要
- 圧力が高いため高耐圧仕様による施工が必要
(R410Aと同等圧力)
地球環境をめぐる動向
フロン類をめぐる環境問題
フロンガスが原因のオゾン層破壊問題
1980年代から2000年にかけて、特定フロン(CFC、HCFC冷媒など)が全廃。
次なる課題「地球温暖化問題」
代替フロンへ移行したが、温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化問題が深刻化。代替フロンについても、地球温暖化影響が高いことがわかっています。
地球温暖化防止・カーボンニュートラルの実現へ、
R410A等代替フロンの段階的削減に向けた規制を強化
2016年の「キガリ改正」により、今後30年間で代替フロン(HFC)の使用を85%以上削減することが決定しています。
国内においても、地球温暖化防止に向けた規制が強化されています。
2019年「改正オゾン層保護法」施行
「フロン排出抑制法」改正
フロンをめぐる規制
改正オゾン層保護法
ギガリ改正に基づき、代替フロン(HFC冷媒)の製造及び輸入を段階的に削減。
HFC総量規制
平成30年7月25日 産構審フロン類等対策WGより
フロン排出抑制法
製造業者に対し低GWP冷媒採用を規定する指定製品化が順次設定。ビル用マルチエアコンにおいても目標GWPが設定され、2025年4月以降、R410A冷媒を封入した新設・冷暖切換機種は、空調機メーカーより出荷できなくなります。
関連ガイドライン
微燃性冷媒は取り扱いを定めたガイドラインが設けられています。
日本冷凍空調工業会ガイドライン(JRA GL-20,JRA GL-16)の内容を遵守したシステムを設計・運用することが求められます。
JRA GL-20
特定不活性ガスを使用した冷媒設備の冷媒ガスが漏えいしたときの燃焼を防止するための適切な措置
このガイドラインは、冷凍能力5トン以上20トン未満の各種冷媒設備において冷媒ガスが漏えいした際に、燃焼を防止して機器を安全に運用するための方法を規定。
JRA GL-16
微燃性(A2L)冷媒を使用した業務用エアコンの冷媒漏えい時の安全確保のための施設ガイドライン
このガイドラインは、業務用エアコンに充填したR32をはじめとする微燃性(A2L)冷媒の漏えいに対する安全確保のための空調システム選定と施工および換気などの施工側の対策について規定。
燃焼を防止するための適切な措置
①冷媒量の制限を検討する
冷媒量の制限部屋の容積に対する冷媒量の制限値を検討します。冷媒ガスが漏えいした際の対象空間における最大冷媒濃度が、LFLの1/4以下となれば、追加の安全措置は不要です。
※漏えい高さについては、室内ユニットのタイプによって考え方が異なります。
もしくは
②装置の設置などの安全対策を行う
検知警報装置の使用に伴い、ガイドラインに伴う定期点検の実施が必要となります。
1年に1回以上(設置後または交換してから):冷媒漏えいを想定した際に、安全対策システムが作動することを確認するための検査
5年に1回以上(設置後または交換してから):冷媒センサー交換【JRA4068※】
また、安全対策の設備不足・不具合を防ぐため、R32冷媒を使用する機器には、インターロック機能が組込まれています。(安全対策装置の設置が不要、かつインターロック機能がある場合は、インターロック機能を無効とすることができます。)
※JRA4068:冷凍空調機器に関する冷媒漏えい検知警報器要求事項
インターロック検査とは?
JRA GL-16に基づき、当社R32冷媒システムでは、必要な安全対策が実施されていない場合、空調システムを運転しないようにする機能(インターロック機能)を有しています。
製品出荷時はインターロック機能が有効となっているため、試運転前にインターロック検査を実施することで、空調システムを運転可能な状態にする必要があります。
回路検査とは?
JRA GL-16に基づき、安全遮断弁や警報装置などの安全対策装置が適切に動作することを確認する検査です。1年に1回以上の頻度で実施する必要があります。
当社システムでは、MAスマートリモコン、フロンガス警報器、または設定・点検支援ツールを使用して、回路検査の実施が可能です。
R32ビル用マルチエアコン
安全対策部品のご紹介
遮断装置+検知警報装置を新規ラインアップ
安全対策が必要な場合、 遮断装置+検知警報装置の設置を基本システムとし、 下記部材を純正部品として新規ラインアップいたします。
また、 JRA GL-16の規定において、 フレア接続部は漏えい箇所として見なされる為、 ISO 14903に適合した機械式継手として、
「ねじ接合継手(室内ユニット用・遮断弁キット用)」を新規ラインアップいたします。
遮断装置
遮断弁キット
CMR-MP100KT
検知警報装置
室内ユニットに内蔵
※一部室内ユニットを除く
MAスマートリモコン
PAR-46MAに内蔵
フロンガス警報器
PAC-SL46FK
ねじ接合継手
ねじ接合継手
ISO 14903に適合
安全対策のための新商品・必要部材を新たにリリース
遮断装置
遮断弁キット
冷媒漏えいを最小限にとどめる遮断弁キットを別売部品としてラインアップ
Fitマルチ
冷媒漏えい遮断弁を室外ユニットに内蔵
※Fitマルチと遮断弁キットの接続はできません。
冷媒漏えい対策
ねじ接合継手
ISO14903に準拠したねじ接合継手を使用すると漏えい想定箇所から除外
設定・点検支援ツール
ガイドライン(JRA GL-16)に基づく、「インターロック検査」「回路検査」をサポート
検知警報装置
検知
冷媒センサーを室内ユニットに内蔵。検知器の設置検討や追加施工が不要に
※一部室内ユニットを除く
警報
冷媒漏えいを知らせる警報機能をMAスマートリモコンに内蔵。警報装置の別置きが不要に
検知/警報
検知警報機能を持たせたフロンガス警報器※をラインアップ。室内空間に設置でき、省メンテナンスを実現
※フロンガス警報器を使用した場合、室内ユニット内蔵の冷媒センサー、MAスマートリモコン内蔵の警報機能は無効となります。
R32ビル用マルチエアコンのシステム構成イメージ
- 居室A:遮断弁キット1台に対して室内ユニット1台で構成するパターン
- 居室B:遮断弁キット1台に対して室内ユニット複数台で構成するパターン(図内は室内ユニット2台接続)
- 居室C:遮断弁キット1台に対して室内ユニット複数台接続し、フロンガス警報器で構成するパターン(図内は室内ユニット2台接続)
→ 一方の室内ユニットは、冷媒センサーなしの室内ユニットを使用 - 居室D:遮断弁キット1台に対して室内ユニット1台接続し、フロンガス警報器で構成するパターン
→ MAスマートリモコン以外の使用 - 居室E:大空間設定で構成するパターン
→ 安全装置の設置が必要