製作所
パワーデバイス
製作所
パワー半導体で、脱炭素社会の実現に貢献
概要
電力需要拡大の歴史とともに
三菱電機のパワーデバイス（電力用半導体）への取組の歴史は古く、1952年、中央研究所での開発にさかのぼる。初期の需要は、電気機関車や電力会社などであり、その後、産業機器（インバーター、サーボ、ロボットなど）の拡大とともに発展し、現在ではIGBT（Insulated Gate Bipolar Transistor）チップを搭載したモジュールとIPM（Intelligent Power Module:駆動回路や保護回路を搭載するモジュール）が主力製品となっている。また、従来のSi（シリコン）素材から、より電力損失が発生しにくいSiC（炭化ケイ素）へと研究開発を進め、2010年には世界で初めて※SiCモジュールをエアコンへ搭載するなど、最新のSi、SiCデバイスが、家電、産業機器、鉄道車両の各分野でインバーターの小型・省エネ化に貢献している。
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- 2010年8月24日現在、当社調べ
パワーデバイスに期待される役割
近年、環境保護意識と省エネ意識の高まりを背景に、家電のインバーター化が進展。また、風力発電や太陽光発電、ハイブリッド車など、電力の効率利用の鍵を握るパワーデバイスは、地球環境保全に貢献し、あらゆる分野に不可欠なキーデバイスとして需要が増加している。この需要増加に対応するために、広島県福山市にパワーデバイス製作所の新たな製造拠点（ウエハプロセス工程）を開設した（2022年4月量産開始）。また、福岡地区には、新たに開発試作棟（2022年9月稼働開始）を立ち上げ、これまで敷地内に分散していた開発実験室、開発品試作ラインなどを1か所に終結させることで、開発体制を強化し、新技術・新製品の開発を加速する。パワーデバイス製作所では、市場のニーズに適合する製品及び生産体制を、高度な開発力・技術力によって構築することで、今後も社会へ寄与していく。
業務内容
パワーモジュール、大電力パワーデバイス、半導体センサー、トランジスタアレイ、HVIC
所在地
CLOSE-UP PRODUCTS
電動車のためのキーデバイス
自動車用パワーモジュール
自動車の電動化（電気自動車、ハイブリッド自動車など）に欠かせないキーデバイスとして自動車用パワーデバイスを開発している。世界トップクラスのパワーデバイス技術を活かし、1997年にパワーモジュールに制御回路を搭載した自動車用IPM（インテリジェントパワーモジュール）を製品化し、2001年に高信頼性を特徴とするトランスファーモールドタイプのパワーモジュールを市場投入するなど、数多くの自動車の電動化に大きく貢献してきた。現在は、走行性能の向上や低燃費を実現する高性能で低損失なパワーチップの開発、モジュールの小型化や高信頼性を実現するパッケージ技術や生産技術の進化により、高出力でありながら世界最小クラスのパワーモジュールを製品化し、世界各国のユーザーに採用されている。今後加速する自動車の電動化を見据え、更なる性能向上を目指し次世代自動車用パワーモジュールの開発を進めている。
関連リンク：半導体
国内の電鉄分野でトップクラスのシェアを獲得
鉄道車両・直流送電用パワーモジュール
省エネルギー化などの環境保護への意識の高まりにより、鉄道車両、直流送電、大型産業機械などの重工業分野では、インバーターの更なる損失低減、高出力、多様な出力容量に対応する製品が求められている。これらに応えるために、当社では、コンバーターやインバーターに代表される大型電力変換装置に使用される大容量パワー半導体デバイスとして、HVIGBT（High Voltage Insulated Gate Bipolar Transistor）モジュールやHVDIODE（High Voltage Diode）モジュールを提供している。1.7kV～6.5kV耐電圧の豊富なラインアップを揃え、電力変換装置の小型・軽量化、信頼性の向上に大きく貢献。国内の電鉄分野市場ではトップクラスのシェアを誇り、海外ではヨーロッパを中心に北米、アジアなど様々な国の鉄道に採用されている。世界に先駆けフルSiCモジュールを製品化するなど、国内外の更なる市場拡大に向け、今後も開発に取り組んでいく。
関連リンク：半導体
最先端制御技術で産業界をまるごと省エネ
産業用パワーモジュール
世界的な環境保護意識の高まりにより、パワーエレクトロニクス分野でもパワーデバイス応用機器の省エネ化が強く求められている。当社は、モーターを制御するパワーデバイスの電力損失を独自の最新技術により低減し、省エネ化・電力変換効率の向上に寄与。用途に合った性能を有する最適なパワーデバイスを提供している。業務用エアコン、医療機器、UPS、エレベーター、溶接機、ロボット、工作機械などの幅広いパワーエレクトロニクス機器に数多く採用され、省エネに貢献。近年では、太陽光・風力発電などのクリーンエネルギー分野への応用も拡大している。
また、従来のSiを用いたIGBTモジュールやIPMに加えて、より優れた特性をもつSiCを用いたパワーモジュールをいち早く製品化。更なる省エネを実現し、世界のエネルギー問題、環境問題解決に貢献している。
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“白物家電”を中心に海外でも圧倒的シェア
民生用パワーモジュール
省エネ化を実現する最新の半導体デバイスを搭載したインバーター回路内蔵の製品（インテリジェントパワーモジュール）。当社独自の高性能な電力用半導体素子（IGBT、Diode）、高耐圧の制御ICなど複数の半導体デバイスを、樹脂封止技術を使い、業界に先駆けワンパッケージ化することで低消費電力、低コスト、低ノイズ、小型、高品質を実現した。
業界をリードする総合技術で世界シェアも高く、幅広い民生用途に対応。主に白物家電といわれるエアコン、洗濯機、冷蔵庫用途や、オール電化の進展により普及してきたIHクッキングヒーターや家庭用給湯システム用途、自動車のHEV/EV化に連動した電動カーエアコン用途、太陽光発電用途にも採用されている。また、これらの製品にSiCモジュールを適用することにより、更なる省エネに貢献している。
関連リンク：半導体
TOPICS
開発試作棟（PD棟）について
パワーデバイス製作所（福岡県福岡市）に、新たに開発試作棟「パワーデバイスディベロップメントセンター（PD棟）」を建設しました（2022年9月稼働開始）。
敷地内に分散していた開発実験室、開発品試作ライン、性能試験室、分析評価機能を1カ所に集結させることで、需要が拡大しているパワー半導体の開発体制を強化し、さらなる電力損失低減のための新技術・新製品の開発を加速します。
パワーデバイスディベロップメントセンター
（PD棟）
熊本・泗水新工場棟について
熊本では、SiCパワー半導体の生産能力増強のため、従来計画より1300億円を追加投資し、泗水地区に新工場棟を立ち上げます。
新工場棟は最先端の省エネ性能を有するクリーンルームを搭載し、徹底した自動化による高い生産効率を実現します。※2026年4月より稼働予定
熊本 泗水地区新工場棟完成予想図
新拠点開設
広島県福山市にパワーデバイス製作所の新たな製造拠点（ウエハプロセス工程）を開設しました（2022年4月量産開始）。
低炭素社会の実現に向けて、世界的な省エネや環境保護志向の高まりに加え、各国における自動車の電動化政策により、電力を効率よく制御するパワー半導体製品の需要が増加しています。この需要の増加に対応するために、新拠点開設により生産能力を拡大し、パワーデバイス事業のさらなる拡大を目指します。
パワーデバイス製作所 福山事業所
地域コミュニケーション活動
毎年、福岡・熊本それぞれで夏祭りを開催しています。工場周辺地域の皆さんも多数来場され、従業員はお店の切り盛りで大忙しになります。豪華景品が当たる抽選会が行われるなど、大変に盛り上がる恒例行事です。
コロナ禍以降、開催を見送っておりましたが、今年度は秋祭りとして開催予定です。
夏祭りの様子
教育プログラム
エンジニアの技術力の向上と技術力の見える化を目的に、エンジニアの保有技術と技術レベルを取りまとめた技術マップを作成しています。技術マップにもとづいた各技術力向上のためにベテランエンジニアが講師を務める基礎技術講座を毎年開講し、新入社員はパワーデバイスに関する基礎技術と特許や規格などの周辺知識を習得します。
また、英語力向上にも注力しており、ネイティブ講師によるレベル別の英会話研修（グループ・個別）も行っております。
研修の様子
独身寮について
生活の安定化に向けた時間的・経済的負担の軽減を図り、業務の早期立ち上がりを促進するため、パワーデバイス製作所には独身寮（男性寮・女性寮）があります。業務ではあまり関わりのない同僚や先輩とも交流することができ、安心して社会人生活をスタートすることができます。※ 写真は男性寮（青葉ハイツ）
男性寮（青葉ハイツ）
パワーデバイス製作所について、さらに詳しく映像で紹介しています。
未来のエコ社会に欠かせない省エネの為の重要なパーツである「パワー半導体」の開発や設計を行う「PI棟」に潜入し、開発現場の舞台裏を徹底解明！
