ステークホルダーとのコミュニケーション

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有識者ヒアリングの実施

有識者ヒアリングとして、環境、社会、ガバナンスの観点から、専門知識とご経験をお持ちの有識者の方々に、「三菱電機グループにとってのCSRの重要課題」をテーマに、CSR推進担当者及び特にかかわりの深い部署の担当者がお話を伺い、ご意見をいただきました。

持続性推進機構 理事長
東京大学 名誉教授
安井 至氏

持続性推進機構 理事長
東京大学 名誉教授

安井 至氏

専門分野:環境問題

頂いたご意見:

  • 脱化石燃料の流れを受け、エネルギー問題への対応が必要。特に「不安定な電力(太陽光などの電力の安定供給が望めない自然エネルギー)」を有効に活用する検討が必要。
  • 環境負荷の低減を達成するためには、環境負荷が少ない製品を開発するだけでなく、お客様に正しく製品を利用してもらうために、環境意識向上に向けた取組をすることが必要。
  • 多様な社会からの期待に応えるために、宗教や世界史といった製品の利用者の多様性を理解したエンジニア等、グローバル人材の育成が必要。
麗澤大学経済学部 教授
髙 巖氏

麗澤大学経済学部 教授

髙 巖氏

専門分野:コンプライアンス問題

頂いたご意見:

  • グローバル展開する企業にとって反競争的行為と海外腐敗行為(外国公務員などに対する贈収賄)がCSR関連で最大のリスク。グローバルビジネスにおける腐敗防止についてのガイドラインの整備が必要。
  • 日本企業では近年企業向け事業での不祥事が多くなっている。顧客企業の要望に応えるためであろうと、不正は許されない。
  • ガバナンスに関しては、経営層と様々なステークホルダーとの対話が必要。また役員同士が自由に意見を述べ合えるような関係も重要。外形的な条件を満たすことよりも、実効性のあるガバナンス、それを把握する取組指標(KPI)の設定が必要。

(株)大和総研 主席研究員
社会的責任投資フォーラム共同代表理事
河口 真理子氏

(株)大和総研 主席研究員
社会的責任投資フォーラム共同代表理事

河口 真理子氏

専門分野:CSR全般、ESG投資、エシカル消費

頂いたご意見:

  • 社会課題に対して、長期的にどう対応していくかという観点から重要課題の設定が必要。
  • 製品や技術を通じて社会に貢献している事例等、一般の人に分かりやすい情報開示が求められる。
  • 企業のガバナンスに対する注目が上がっている。実効性があり、透明性の高い経営が必要。
  • 人材に関する課題解決のためには、多様性が尊重され、誰もが働きやすい職場を整備していくことが重要。
  • グローバルレベルでの人権、サプライチェーン、環境等への対応が必要。
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問
古谷 由紀子氏

日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問

古谷 由紀子氏

専門分野:消費者課題

頂いたご意見:

  • 消費者に製品を安全に使ってもらうためには、消費者自らがどういうリスクがあって、どう使うべきか、と判断できる情報提供が必要。
  • 一方で取扱説明書などを読まずに誤った製品利用をする方がいる。なぜ提供された情報が読まれないのか、そこには企業が出す情報の意味が適切に理解されていないなどの社会課題が存在する可能性もある。消費者の実態を踏まえてお客様の声の有効活用が必要。
  • 消費者の選択が環境、安全、人権、労働問題等の解決に影響を及ぼすことについて、消費者が問題意識を持てるよう情報を発信し、ともに課題を解決することが必要。
経済産業研究所
コンサルティングフェロー 藤井 敏彦氏

経済産業研究所
コンサルティングフェロー

藤井 敏彦氏

専門分野:CSR調達

頂いたご意見:

  • CSRでは、事業部門が見ている“お客様”以外の“社会”という抽象的なステークホルダーを見るべきと考える。
  • 事業面での取組について、顧客ニーズがあり、ビジネスになっているのであれば、CSRと表現する必要はない。社会的課題に取り組む新しいサービスがビジネスになるように、“社会的必然性”を創り出すことがCSRと考える。
  • 現在のCSRの問題の大部分は、サプライチェーンにかかわるものと考える。サプライヤーにどこまで介入できるかが重要。

有識者とのダイアログ開催

有識者とのダイアログ開催

左より、執行役員総務部長 原田真治、常務執行役(CSR担当) 大隈信幸、執行役社長 柵山正樹、(株)大和総研 主席研究員/社会的責任投資フォーラム共同代表理事 河口真理子氏、持続性推進機構 理事長/東京大学 名誉教授 安井 至氏、麗澤大学経済学部 教授 髙 巖氏(2016年2月時点)

三菱電機グループはCSRを企業経営の基本となるものと位置づけ、「企業理念」と「7つの行動指針」のもとで推進してきました。2014年度には、従来スタッフ部門が担ってきた取組を強化すべくCSR委員会を設置し、今後に向けたより戦略的なCSR推進のため、重要課題の特定を進めてきました。社内外からの意見を踏まえて検討を重ねた結果、CSRの重要課題案として上がってきたのが「環境」「暮らし」「人権・人材」「ガバナンス・コンプライアンス」の4分野での課題です。

今回のダイアログは、外部の視点から重要課題を客観的に検証する目的にて、3名の有識者を迎えて開催しました。当社からCSRの現状についてご説明したのち、それに対するステークホルダー目線からのご意見や期待をうかがいました。有識者の皆様からは、それぞれの専門的見地を踏まえ、持続可能な社会に向けて重要な技術イノベーションや、グローバル企業としての公正な取引慣行、ESG投資の国際潮流などをめぐる幅広い提言をいただきました。また、重要課題の特定とともにCSRの取組についていかに国内外に情報発信すべきかという点についても、活発な議論が交わされました。


有識者からの主なご意見・提言

持続性推進機構 理事長
東京大学 名誉教授
安井 至氏
持続性推進機構 理事長
東京大学 名誉教授
安井 至氏

長期的視点が不可欠

環境をめぐる技術イノベーションを考える上では、長期的な視点が不可欠です。2015年にはCOP21でパリ協定が成立し、今世紀中には温暖化効果ガス排出量をネットゼロにできないと事業は営めなくなるでしょう。これは化石燃料を利用しなくなることと概ね一致しており、その重大性を意識してしっかりと向き合わなければなりません。また、2050年までには多くの資源枯渇が見込まれており、貴社がすでに取り組むリサイクル事業の重要度も増すと考えます。日本企業は「目標」を必達すべきものと考えて明確化を避ける傾向があるものの、国際的には「ゴール」は向かうべき方向性とその姿勢を示すものであり、「三菱電機グループとして何を目指し、どう貢献していくのか」という具体的なイメージを積極的に情報発信していただきたいと思います。

麗澤大学経済学部 教授
髙 巖氏
麗澤大学経済学部 教授
髙 巖氏

グローバルビジネスには新たな意識としくみが必要

グローバルビジネスの展開にあたって、特に慎重な対応が求められるのが反競争的行為と海外腐敗行為(外国公務員などに対する贈収賄)の問題です。人権・労働・環境などに関しては各国で国内法があり、海外事業では原則としてそれに従うことになります。しかし、国によっては法律が制定されていても執行に当たる公務員の腐敗により、「法による統治」が正常に機能しないケースが少なくありません。そのような国にあっては、企業は「契約の力」を活かして、正義が実現するよう、サプライチェーン全体に働きかけてもらいたいというのが、今日のグローバルコミュニティの要請です。善意に基づく契約の履行を通じて、進出先の持続可能な発展に貢献すること、それが求められているのです。

(株)大和総研 主席研究員
社会的責任投資フォーラム共同代表理事
河口 真理子氏
(株)大和総研 主席研究員
社会的責任投資フォーラム共同代表理事
河口 真理子氏

ESG投資の加速は貴社にとってのビジネスチャンス

世界では2014年段階ですでに21.3兆ドルのESG投資市場があり、上位20の年金基金の半数以上がPRI(世界責任投資原則)に署名しています。例えば環境側面では、気候変動がビジネスに与えるリスクが注視されるようになり、世界の主要な機関投資家の間で保有する資産からCO2排出量を減らす動きが加速しています。遅れていた日本でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のPRI署名により、ESG投資への機運は急速に高まってきています。こうした動向は貴社には大きなビジネスチャンスといえるでしょう。

社会的責任投資への対応では、重要課題を明らかにし、なぜそれを重視するのか、その取組がいかに企業価値向上に結び付くのか、道筋を立てた説明が求められています。貴社のCSR重要課題策定は、そうした動きに合致しており、評価できます。

有識者からの主なご意見・提言

有識者からの主なご意見・提言

ダイアログを受けて

常務執行役(CSR担当)

大隈 信幸

グローバル企業として、私たちの企業活動が事業を展開する国に与える影響を理解し、その責任をしっかりと受け止めていくことが重要と再認識しました。また、取組を行った際に情報発信をしていくことが課題だと認識しましたので、今後はより戦略的にCSRについて推進・情報発信していきたいと思います。本日はありがとうございました。


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