用語集Glossary
ESG
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとった言葉です。各々の内容は以下です。
- ・環境:脱炭素をはじめとする気候変動対策、生物多様性や水資源課題への取り組みなど
- ・社会:人権問題やダイバーシティなど
- ・企業統治:内部統制の強化や、第三者視点での監視体制構築など
近年ESGが注目されている理由には、以下2つの潮流があるからといえます。
- ・地球や世界が直面している課題が、より深刻かつ喫緊である
- ・機関投資家が「環境や社会課題が顕在化したとき、関連銘柄の価格がいっきに低下する」というリスクを抱えている
ESGの観点をベースに企業経営を行うことをESG経営といいます。また、従来の財務情報だけでなく、ESGを考慮して投資先を選定することをESG投資といいます。GSIAおよびBloombergによれば※1、2025年には世界全体の運用資産の3分の1(53兆ドル)を占めると試算されています。一般的に、ESGへの取り組みを高く評価されている企業は、脱炭素社会へ向けた法改正による事業環境の悪化や倫理的な問題に対するリスクが低く、事業を継続しやすい企業であると考えることができます。長期的に安定したリターンが期待できるのが、ESG投資のメリットです。
ESGの基盤となる思想は1920年代、欧米の教会が資産運用をするにあたり、キリスト教の価値観に反する酒、たばこ、武器などを投資対象から除外したことが発祥といわれています。ESGという言葉が世界で初めて登場したのは2004年、当時の国連事務総長コフィー・アナンの呼びかけによって開催されたUNGC(国連グローバル・コンパクト)のリーダーズ・サミットで公表された報告書「Who Cares Wins」であったとされています。
※1参照:Bloomberg
(https://www.bloomberg.com/professional/blog/esg-assets-may-hit-53-trillion-by-2025-a-third-of-global-aum/?tactic-page=431091)