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長野県の高原とエアコンの歴史
1967(昭和42)年、長野県八ヶ岳中信高原国定公園中部の高原名を冠した、新開発のセパレート形エアコンが誕生しました。"霧ヶ峰"の愛称で親しまれた、この家庭用エアコンは、50年を経た今も進化を繰り返し、三菱電機の代表的なモデルとして成長し続けています。今回は、50周年を迎えた霧ヶ峰をはじめとした製品の商品名のルーツを探りながら、その由来となった長野県各地を巡り、三菱電機の活動と合わせてご紹介いたします。
1967(昭和42)年、長野県八ヶ岳中信高原国定公園中部の高原名を冠した、新開発のセパレート形エアコンが誕生しました。“霧ヶ峰”の愛称で親しまれた、この家庭用エアコンは、50年を経た今も進化を繰り返し、三菱電機の代表的なモデルとして成長し続けています。今回は、50周年を迎えた霧ヶ峰をはじめとした製品の商品名のルーツを探りながら、その由来となった長野県各地を巡りながら三菱電機の活動と合わせてご紹介いたします。
関越支社 事業推進部 企画課横森 千香
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長野県に「霧ヶ峰」という場所があることは以前から知っていましたが、実際に足を運ぶのは初めてです。入社2年目の私、横森が長野県内各地の高原に足を運び、現地の爽やかな風を感じて、今まで詳しく知る機会のなかった製品のルーツをご紹介します。
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関越支社は埼玉県さいたま市にあり、新潟・長野・群馬の各県(※)に支店・営業所を配置しています。社会インフラ、ビルシステム、FA機器・配電制御機器、鉄道車両用電機品等を主に取り扱っています。
※ 長野市に「長野支店」を配置。
長野支店について
長野支店は地域の関係会社・代理店とともに長野県内における三菱電機グループのプレゼンス向上と受注拡大に取り組んでいます。
今回は関越支社の横森さんに、長野県を巡ってもらい、実際に高原の風を感じてもらうことで、長野県の魅力と、各地にある高原の心地よい風を感じてもらえればと期待しています!
(写真左より、長野支店 谷担当、船崎支店長、諸野脇担当)
自然に恵まれた
名だたる高原を持つ地、長野
3,000m級の山々が続く北・南・中央アルプスが峰を連ね、穂高岳、槍ヶ岳、木曽駒ヶ岳など、全国最多の29の百名山を持ち、日本の屋根ともいわれる、信州・長野。
県の面積の約80%が森林、約20.5%が自然公園に指定されており、上高地、志賀高原、軽井沢、霧ヶ峰高原など、清涼な高原地帯を多く抱える、全国でも有数の自然に恵まれたエリアです。
ルームエアコン「霧ヶ峰」誕生 50周年を迎えて
1967(昭和42)年に誕生した「霧ヶ峰」は、2017年に50周年を迎えました。
当時は空前の別荘ブームで、軽井沢などの避暑地に別荘を持つのが憧れとされていました。
そうしたライフスタイルに対する人々の夢を反映し、長野県の清涼な高原の風を想起させるネーミングとして「霧ヶ峰」は命名されました。
当時は、神武景気、岩戸景気と好景気が続き、高度成長期を迎えていた時代。エアコン販売も好調で、「霧ヶ峰」以外にも、実はこうした高原名を冠したエアコンがラインナップされていました。
家具のように置ける床置形のエアコン「上高地」、窓枠にはめ込む窓掛形のエアコンとして「軽井沢」「志賀」も発売されました。
避暑地の代名詞・軽井沢
標高約1000m、年間平均気温7.8℃。誰もが知る避暑地として有名な軽井沢は、江戸時代には宿場町・軽井沢宿として栄えました。明治時代になると、カナダ生まれの宣教師アレキサンダー・クロフト・ショー氏が訪れ、美しい自然と爽やかな気候に惚れ込み、別荘を建てたことから、知人の宣教師たちが同じように別荘を求めて集まったといいます。
やがて信越本線が開通し、東京と直結したことで「軽井沢ホテル」などが開業、知識人や文化人が集まる人気の避暑地となりました。
軽井沢ではまず、「白糸の滝」を訪れました。
地下水が湧き出ることでできる高さ3m、幅70mと幅の広い滝は、とても幻想的でした。優しく流れる水は、綺麗でひやりと冷たく、まわりはとても涼しい風が流れていました。
軽井沢での三菱電機を発見!
軽井沢町の総合スポーツ施設である「軽井沢風越公園」内の「軽井沢アイスパーク」には、一年を通じて利用できるカーリングホールや、その観戦ができるふれあいホールがあります。国際レベルの大会が開催可能な国内最大級のこの施設で、三菱電機の空調設備が活躍しています。
私も実際に、カーリングホールにお邪魔させていただきました。ホール内はリンクが6シートもとれる大きな空間で、とても広く感じます。
2階の観戦席から見学したのですがかなり寒く、空調設備の活躍を肌で感じることができました。
誕生の歴史!
窓掛形ルームエアコン「軽井沢」
「軽井沢」の名を冠した窓掛形ルームエアコンは、当時の三菱電機の技術者が日本の住宅に合うように小型・軽量化を目指し、セパレートタイプのエアコンを開発したものでした。
これまでのアメリカとの提携で培った技術を集大成し、日本の住宅に適したモデルを次々と開発、その中の一つが、窓枠にはめ込むセパレートタイプのエアコンだったのです。
広大な湿原と湖沼・志賀高原
志賀高原は長野県北東部に位置し、上信越高原国立公園のほぼ中心部の標高1400〜2000mの火山性溶岩台地の高原です。
火山活動で川が堰き止められてできた湖がやがて湿地帯になり、それが大沼池、一沼、琵琶池など、多数の沼や池になりました。
21のスキー場があり、日本屈指の広大なスキーエリアとしても知られ、標高が高いことから、夏でも最高気温が30度を超える日はほとんどないようで、心地よいそよ風がふいていました。
誕生の歴史!
窓掛形ルームエアコン「志賀」
澄んだ空気と爽やかな緑に恵まれた夏の志賀高原をイメージして「志賀」と名づけられたエアコンは、「軽井沢」同様、三菱電機オリジナルの窓掛形ルームエアコンとして開発されました。しかし、ライフスタイルの変化などから、やがて家庭からは姿を消し、壁掛形が主流となっていきました。
雄大な山岳景勝地・上高地
長野県西部・松本市・飛騨山脈南部の梓川上流に位置する日本有数の山岳景勝地で、“神降地(神の降り立つ地)”ともいわれ、中部山岳国立公園の一部として国の文化財(特別名勝・特別天然記念物)に指定されています。
標高約1500mの高地で、8月の平均気温19.7℃と清涼な気候です。 穂高連峰や焼岳など、数々の名山をはじめ、清流・梓川、芥川龍之介が小説「河童」の題材となった河童橋、穂高の雄大な姿を鏡のように映し出す大正池、大小2つの池からなる明神池など、数々の見所が多い人気の観光スポットで、年間約150万人もの観光客が訪れます。
誕生の歴史!
床置形セパレートエアコン「上高地」
家具のように床における床置形のセパレートエアコンとして登場した「上高地」は、パネルが上中下の3段階にスイングするスイングフロー方式が採用されたモデルです。冷風を下方に向けて吹き出すことで急ピッチ冷房が可能ということで、好評だったようですが、壁掛型が主流となっていく中で、やがて姿を消していきました。
美しい稜線の名所・霧ヶ峰高原
長野県諏訪市、茅野市などにまたがり、日本百名山の一つ主峰・車山(標高1925m)を中心とした東西10km、南北15kmにわたって広がるなだらかな美しい稜線は、霧ヶ峰高原の魅力の一つとなっています。
年間を通じて霧の発生率が高い地域で、それが霧ヶ峰という名の由来になったといわれています。8月の最高気温の平均が24℃と、とても過ごしやすい気候です。
霧ヶ峰では、諏訪湖方面から吹き上げる風を利用して、グライダーを楽しむことができます。霧鐘塔近くには「霧ヶ峰グライダーふれあい館」もあり、グライダーの地としての歴史を学べるスポットです。
進化し続ける、
壁掛形エアコン「霧ヶ峰」
部屋を冷やす空調機として、エアコンが“クーラー”といわれていた時代、夏でも涼しい気候の霧ヶ峰高原のイメージにぴったりということから命名された「霧ヶ峰」は、1967(昭和42)年、新開発のセパレート形エアコンとして登場しました。
翌1968(昭和43)年には、エアコンの命ともいえる送風ファンを改良、ワイドな送風口から均一な風を遠くまで届ける世界初のラインフローファン(円柱状の回転送風機)を採用。その後、「軽井沢」「志賀」「上高地」の各製品が姿を消していく中、「霧ヶ峰」だけが進化を繰り返し、革新的な最新機種を次々と生み出しながら、エアコン市場を牽引する代表モデルとして成長し続けています。
ルームエアコン「霧ヶ峰」は、「クロスフローファン(ラインフローファン)を採用したエアコンの世界最長寿ブランド(*1)」として、ギネス世界記録®に認定されました。
(*1:正式記録名「Longest running cross-flow-fan air conditioner brand」)
ギネス世界記録®はギネスワールドレコーズリミテッドの登録商標です。
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霧ヶ峰高原にて長野県諏訪市から
当社に感謝状が贈呈されました。
5月27日に霧ヶ峰の開山祭が霧鐘塔(むしょうとう)前で行われました。地元の関係者や観光協会の方も参加、一年間の無事を祈りました。開山祭の後、三菱ルームエアコン「霧ヶ峰」が、霧ヶ峰高原の知名度向上に貢献したということで、長野県諏訪市から当社に感謝状が贈られました。
気持ち良い風を現地で感じることができました!
「霧ヶ峰」という製品を通じて、今まで知らなかった長野県の数々の高原の魅力や、県内での当社の活動を改めて知ることができて良かったです。歴史ある製品の魅力を、これからもしっかりと伝えていきたいと感じました。
横森さん、長野県内のさまざまな高原の風はいかがでしたか?
当社の製品の参考となっている、心地よい風をあらためて感じてもらえたかと思います。
私、谷もこういった製品の魅力をしっかり伝え、当社製品等の販売を通して、引き続き地域に貢献してまいりたいと思います!
「霧ヶ峰」が50周年を迎えるまでにこれまでさまざまな道のりがありました。 今回、霧ヶ峰のルーツ、三菱電機のエアコンの歴史を辿りながら、ネーミングにまつわる裏話など、長野エリアとの関わりを知ることができ、より親しみを感じられるようになりました。