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三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。

セミナーレポート
パートナと広げるものづくりの将来像
「IoT活用によるものづくり革新セミナー」in名古屋製作所レポート

2016年4月公開【全1回】

三菱電機講演三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ プロジェクトグ ループマネージャー 楠 和浩

※講演者の所属は2016年3月時点のものです。

ものづくりを革新するFA統合ソリューション “e-F@ctory”

三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ プロジェクトグ ループマネージャー 楠 和浩

ものづくりのデジタル化の考えは昔からありましたが、昨今のコンピューティングパワーの進化やシミュレーションの能力の向上、AIやアルゴリズムなどの解析技術も向上した事で、より一層デジタル空間の活用が身近になってきました。
その様な情勢の中、工場や工程の間をつなげて付加価値を高めようと、グローバルでさまざまな活動が立ち上がっています。Industrie4.0やIICもその一つですが、日本でも産官学で同様な活動があり、昨年からロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)やIndustrial Value Chain Initiative(IVI)などが立ち上がっています。RRIのWGの一つに、「IoTによる製造ビジネス変革WG」があり、三菱電機と日立製作所で共同主査を、またIVIでは理事として参画し、標準化やビジネスモデルの策定などについて企業の枠を超えて議論しています。
e-F@ctoryは生産現場のFAと上位情報系のITの技術を活用しシームレスに連携させることで、開発・生産・保守などのあらゆる工程にかかるトータルコストの削減と改善活動の支援をはかるというソリューションです。2003年より基本コンセプトを提唱しており、e-F@ctoryを活用したシステムは自動車メーカーを中心に全世界で5,200件の導入実績があります。
自社工場においても積極的な導入を図っており、e-F@ctoryの立上げ間もない2004年からは第一世代として品質管理による生産性の向上、2008年からは第二世代として省エネの取組みを加えて強化。2014年からは第三世代として、これまでの生産現場の改善に加え、製品や設備設計へのデータ活用を実施しe-F@ctoryの活用範囲を拡大しています。これまで蓄積していた生産現場のビッグータを網羅的に分析する事で、前工程での設計基準の緩和や強化をリアルタイムに現場や設計部門に促したり、実際に設計値などを修正した際に、後工程にどの様な影響がでるかエミュレーションも可能としています。その他、作業指示システムにおける組立作業において、富士通のVPSを活用しています。
生産現場のデータを見える化するだけでなく改善にもシームレスに活用するため、e-F@ctoryではFAとITを連携する中間層を持っているのが大きな特長です。生産現場のデータを迅速に正確に収集するため、CC-Link協会が提唱するオープン技術である高速ネットワークCC-Link IEや、各種ネットワーク間でも同じ様にデータのやり取りができる通信プロトコルSLMPなどを採用しています。また、それら生産現場のデータをIT側に連携するための情報連携製品群などを用意しています。 従来FAとITを連携するには、ERPやMESなど連携対象ごとに開発した個別のインタフェースが必要でしたが、拡張性や汎用性を考え、e-F@ctoryでは、データベースをインタフェースとしてデータを読み書きするアーキテクチャをとっています。
こうしたアーキテクチャで重要なのは、「データの一次処理」と考えています。生産現場のデータをそのままITに送り、処理させることはもちろん可能ですが、それで本当に意味のある情報が得られないと思っています。

三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ プロジェクトグ ループマネージャー 楠 和浩

生産現場のデータに、生産条件や因果関係のデータを紐付け意味のある情報にする一時処理が必要です

自動車で例えると、ワイパーが動いている情報が得られれば、雨が降っていることは分かります。ワイパーと雨の関係は経験上分かりきっているからです。しかし生産現場のデータにはそうしたものがなく、生のデータだけで因果関係を直接推理することはできません。意味が分からないままITに丸投げしても、有効な答えは簡単には見つからないでしょう。しかも生産現場の機器は多種多様で、メーカによってパラメータも異なります。

そうした環境でも意味のある情報を得ようとすれば、ITで分析する前に、データのひも付けによる一次処理を行い、意味のある情報に変換するのが理想です。e-F@ctoryでは現場に近いところに一次処理の機能を持たせる「エッジコンピューティング」を提唱しており、この機能と分析技術を活用したインテル社との協業により、年間コスト9億円の削減を実現しております。

300社が参画するe-F@ctory Alliance

e-F@ctoryのアーキテクチャに基づいたソリューションは、当社単独で提供できるわけではなく、パートナ企業との協業が必要です。そこでパートナ企業各社と「e-F@ctory Alliance」を組織し、連携してエンドユーザにソリューションを提供する体制を整えています。2016年2月末現在でパートナ約300社以上が参画しており、機器、ソフトウェア、SIの各分野でそれぞれの強みを発揮しています。

各分野、各地域などに強いパートナ企業と連携し、e-F@ctoryアーキテクチャをより最新で最適な状態でエンドユーザにソリューションとして提供します

また中国では省力化目的でロボットを使うという段階から、現在は生産現場の知能化を目指す段階にシフトしており、そのためにITを活用しようという機運が高まっているところです。それに応えるため中国版e-F@ctory Allianceを立ち上げ、約60社もの企業や団体に参画いただいています。
今回、講演いただく富士通やNECともパートナとして連携しおり、富士通とは先ほども連説明したVPSによる作業支援の連携、またNECとは本日(3/7)広報発表しましたレーザー加工機をクラウドサービスで連携させたリモートメンテナンスサービス「iQ Care Remote4U」を4/1からスタートします。

e-F@ctoryはもともとその名の通りFactory、つまり工場での生産・製造にフォーカスしたところからスタートしました。しかしものづくりの革新は、その前後を含めたワークフロー全体で起きています。ITに長けたパートナ各社との協業により、製品設計から生産設計、生産や運用保守までものづくりのエンジニアリングチェーンや、物流を含むサプライチェーン全体に、e-F@ctoryの視野を広げていきたいと考えております。

各工程での連携事例をパートナ様と実現しています。

ソリューション紹介

e-F@ctory

三菱FA統合ソリューション e-F@ctory

e-F@ctoryは、「生産情報の見える化」「エネルギーの見える化」「安全の見える化」の実現による企業のTCO削減、企業価値向上を支援します。

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Allianceとは、弊社FA機器との接続親和性の良いソフトウェア・機器を提供するパートナーとそれらを活用しシステムを構築するシステムインテグレーションパートナとの強力な連携により、お客様に最適なソリューションを提供するためのFAパートナプログラムです。

「e-F@ctory」に関する詳細につきましては、お近くの支社・支店へご相談ください。
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