テクノロジー
三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。
セミナーレポート
パートナと広げるものづくりの将来像
「IoT活用によるものづくり革新セミナー」in名古屋製作所レポート
2016年4月公開【全1回】
パートナ様講演2日本電気株式会社 第一製造業ソリューション事業部 販売促進部 部長 関 行秀氏
※講演者の所属は2016年3月時点のものです。
NECの考えるIoT時代のものづくりについて~NEC Industrial IoT~
IoT(Internet of Things)を活用した次世代のものづくりでは、マスカスタマイゼーションをローコストで実現するための「Process Innovation(つながる工場)」と、ライフサイクル全体で新たな価値を創造するための「Product Innovation(つながる製品)」が求められています。当社はこれらを支えるソリューション「NEC Industrial IoT」を提供しています。
当社が提供するIoT技術の活用のポイントは3つ。①収集(現場の情報のデジタル化)、②分析(ビッグデータの分析)、③制御(ITとOT(FA)のシームレスな連携)です。①収集では、当社が強みを持つ物体指紋認証技術をもとにした部品・製品の個体識別、映像文字認識技術によるカメラで作業員の異常作業をリアルタイムで検出する技術などがあります。②分析では、世界初・世界No.1の技術を基にした複数の独自エンジン群を持っており、従来見えなかった状況を見える化できます。
③制御では、ネットワークをソフトウェアで動的に制御するSDN(Software-Defined Networking)で、e-F@ctoryと連携し、あらゆる機器をつないでシームレスに連携することが可能になります。
当社のSDNによるITとOT(FA)の連携は、e-F@ctory同様にエッジコンピューティングによる3層構造を取っています。データをそのまま全部クラウドに上げるのでは、例えばネットワークが原因でシステムが停止したのを、機械が原因と誤認されてしまうこともありえます。エッジコンピューティングにより自律的な判断と制御が可能です。
当社は自らのサプライチェーン革新のために、NEC Industrial IoTによる次世代ものづくりの実証に着手しているところです。PDMやERP、MESのグループ共通化などを進めながら、お客様とのサービス事業構築による更なるCSの向上や、自社拠点へのIoT展開による生産性の30%向上を目指しています。
レーザー加工の改善に必要なデータをセキュアに提供
こうしたIoT技術をもとに、三菱電機とFA分野で連携しながらソリューションを提供しています。その例をご説明いたします。
一つはレーザー加工機の遠隔診断です。三菱電機のレーザー加工機のユーザ様向けに、機械の稼働情報やエネルギー消費情報などをリアルタイムで提供し、生産プロセス改善に生かしてもらうほか、遠隔診断により予防保全などを実現するサービスです。このサービス実現のために、当社はセキュアなIoTプラットフォームを提供しています。
また現在開発検証中のものに、振動センサとシーケンサの連携による設備保全サービスがあります。当社が開発中の高性能振動センサを使って振動を数値化し、それを三菱電機のシーケンサを介して上位システムで分析可能にするとともに、シーケンサから機器や設備を最適に制御します。振動センサは産業機械への組み込みを想定しているため、耐油や防塵、防水のIP67相当の機能を持っており、工作機械やポンプの周囲など過酷な環境でも利用できるようにする予定です。
その他にも、シーケンサとの連携し、作業者や設備などの見える化から製造管理や設備保全を支援する製造現場向けソリューションのIFS Applications for MESも開発中です。ものづくりの現場でデジタルに可能なことが広がる中、ユーザもデジタル活用を志向しています。当社は三菱電機と協力しながら、今後もIoT活用によるユーザのものづくりを支援していきたいと考えております。
日本電気株式会社
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