押当て制御とは
押当て動作に最適な制御を実現します。位置制御動作中にトルク制御に切換えても、ワークに衝撃を与えません。
モータ速度が急変しないので、機械に優しい高速制御が可能です。
押当て制御に最適な事例
- 押当て制御のポイント
- 位置制御からトルク制御への切換時、位置決め制御中でもモータを停止させずに、スムーズにトルク制御に切換わり、その後動作完了まで押し当てます。
トルクと位置の両方を監視して、停止判断を行います。
- 押当て制御の効果
- 高速動作中のトルク制御切換えがスムーズなため、切換え時に低速に落とす必要がありません(タクトタイム短縮)。
切換えタイミングのバラツキによる貼り合わせ・圧入等、品質のバラツキがありません。
トルク指令に指令の傾きが設定できるので、指定動作までの時間も調整でき、多彩な動作パターンが実現できます。
押当て制御中も現在値監視ができます。
キャップ締め
貼り合わせ
圧入
打ち抜き
カシメ
押当て制御のポイント
位置制御動作中のトルク制御切換え
① | トルク制御に切換えた瞬間に指定のトルク(%)に強制的に切換わる。 その結果、再加速する。 |
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② | 速度制限値に達すると、強制的に速度制御となり、急減速する。 | |
③ | 速度制限値以下の速度になると、トルク制御に切換わる。 |
トルク制御に切換えた瞬間、
モータ軸が加速するので、
機械にショックがかかる。
位置制御からトルク制御への切換え時にトルクが急変しないように
押当て制御機能を追加しました。
押当て制御機能を追加しました。
押当て制御による位置制御からトルク制御への切換え特許申請中
押当て制御に切換えても押当て速度以下になるまでは、減速を継続する。
速度制限値以下になったらトルク制御に切換わる。
指定のトルク(%)へ時定数に従って増加していく。
デモ・ムービー
位置制御で動作中にトルク制御へ切り換えるとき、従来制御では速度が一瞬跳ね上がる現象がありました。
押当て制御を使用すると、位置制御から、スムーズにトルク制御に切り換えることが可能になります。デモ・ムービーでは、従来制御と押当て制御を比較するために、1軸スライダーに取り付けられたバネの先端をロードセルに接触させ、位置制御からトルク制御に切り換える時の、バネの選択の挙動を主に説明しています。
押当て制御の設定方法
- モーションコントローラQ17nDSCPUの場合
- 圧入機等で押当て制御(位置決め制御+トルク制御)を行う場合の例を以下に示します。
MELSOFT MT Works2を使用して、サーボデータ「速度・トルク制御データ」の設定を行い、モーションSFCプログラムで位置決め制御と押当て制御を切換えます。圧入後、再び「位置制御」に切り換えて待避位置まで移動させます。
<サーボデータ設定>
<モーションSFCプログラム例>
- シンプルモーションユニットQD77MSの場合
- MELSOFT GX Works2のシーケンスプログラムにて、「制御モード指定」、「押当て制御モード時速度制限値」、「押当て制御モード時目標トルク」を設定し、制御モード切換え要求を行います。
<シーケンスプログラム例>
<押当て制御中のモニタ>