各資源量を可採年数で比較すると、現時点では石炭が最も多く、続いてウラン、天然ガス、石油の順になります。
地域別に見ると、石油と天然ガスは地域的な偏りがあり、石油は中東、天然ガスはオセアニアと中東、アジアに集中しています。
一方、石炭とウランは比較的世界各地に散在していますが、オセアニア、アジア、ユーラシア、北米などで多く産出されています。
CO2排出量を化石燃料の燃焼による発生量と、発電の設備や運用による発生量とで見ると、原子力が温暖化抑制に優れた電源の一つであることがわかります。
火力は燃料から発生するCO2が多く、水力と地熱を除く自然エネルギーは、設備に関わるCO2排出量が多いため、発電設備の簡素化、耐用年数の延長を図る必要があります。
日本をはじめ自国にほとんど資源をもたない韓国、イタリア、ドイツなどが高い数値を示しています。
特に日本はエネルギー資源のおよそ9割(原子力を除くと92%)を輸入に頼っています。
一方、自国で石油を生産し豊富な水力資源をもつカナダは、エネルギーの輸出国となっています。
また、イギリスは1975年ごろまで全エネルギーの40%以上を輸入していましたが、自国の油田開発により現在はエネルギーの輸入依存度が低くなっています。
福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原子力規制委員会が策定した「新規制基準」が施行されました。
設計の想定を超える事象を対象に、複数の設備の故障を想定した炉心損傷防止対策、格納容器破損防止対策、放射性物質の拡散抑制対策などが新設されました。
また、テロ対策として意図的な航空機衝突への対応も挙げられています。
さらに、地震や津波などの自然現象や火災への対策を強化させ、電源設備、冷却設備、その他の設備の大幅な機能強化も図られています。
鉱山で採掘されたウラン鉱石は、採掘→製錬→転換→濃縮→再転換→加工といった工程を経て、原子炉で使用されます。
使い終わった燃料の中には、燃え残ったウランや新しくできたプルトニウムが含まれており、再処理してこれらを回収し、再び燃料として利用することができます。
この採掘から再利用という流れを「原子燃料サイクル」といいます。
資源の少ない日本にとっては、原子燃料調達の国産化を可能とし、長期的なエネルギーセキュリティの確保につながります。