三菱電機 DWDMの歴史
三菱電機は、メトロ・コアエリアの大容量通信システムとして、波長多重伝送技術(DWDM)を用いた製品を開発し、市場に展開してきました。特に、日本国内特有のDSF(Dispersion Shifted-Fiber)に対し、C帯波長に加えて、L帯波長のDWDM製品をラインナップしてきたことが特徴です。更に、L帯DWDM技術に加え、高度な誤り訂正技術、高い世界シェアを誇る光半導体(デバイス)製品、海底ケーブルで培った長距離大容量伝送ノウハウ、ユーザフレンドリなNMS(Network Management System)監視制御技術等をコアコンピタンスとして、良好な信号品質と高信頼なネットワークをお客様にご提供しています。
1997年、得意とする光半導体技術を活かし、622MbpsベースのDWDM伝送システムを市場投入しました。
2000年、日本国内主要都市を無再生中継で伝送可能な2.5Gbps×32波DWDM伝送システムを、また、一心双方向伝送システムを製品化し、市場投入しました。
2002年、リニアに加えて、最大伝送距離4,000km※1のリングネットワークに対応した10Gbps×40chのDWDM伝送システムを市場投入し、通信キャリア様のバックボーンネットワークに採用されました。このシステムでは、伝送路等の障害に対するプロテクション機能としてOUPSR(Optical-Unidirectional Path Switching Ring)方式を採用。回線断時間50ms以下を実現し、高信頼なシステムを提供しています。
2007年は、リングネットワークにおいてパスの再構築を実現するROADM(Re-configurable Optical Add/Drop Multiplexer)機能を新たにサポートした10Gbps×80chのDWDM伝送システムを市場投入。以降、2011年に40Gbps、2013年に100Gbpsにアップグレードしました。
近年、スマートフォンやタブレットに代表されるように通信端末の爆発的な普及により、通信容量は全世界で堅調に増加を続けています。陸上系WDM/OADM装置にも多様性が求められ、更なる大容量化と高信頼化、高機能化が必要になってきました。三菱電機は、その時代における最新技術と蓄積したノウハウを元に、お客様のニーズにお応えしてきました。将来の高速化(400Gbps, 1Tbps)や、ネットワークの効率化についても、これまでと同じスタンスで、開発に取り組んでいきます。
- ※1 SMF、0.3dB/km換算