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DIATONE SOUND.NAVI / SUBARU LIMITED EDITIONDIATONE SOUND.NAVI / SUBARU LIMITED EDITION

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Chapter 1 “音”へのこだわり

快適性を上げるための新たな価値をナビを通じて提供すべく、
“音”の良いナビを初採用。

ところで、“SUBARU”車に『DIATONE SOUND.NAVI』がディーラーオプションとして初採用されたのは、2012年からだ。まずはその経緯を教えてもらった。

前田

「ディーラーオプションのナビを担当することになり、ナビを通じて新たな価値をご提供できないかと漠然と考えるようになりました。ところで弊社では、走りの気持ち良さ、快適性、安全性能に重きを置いて“人を中心としたクルマづくり”を行ってきていて、走りに関しては独自の4輪駆動システム“シンメトリカルAWD”で、安全性能については“アイサイト”で評価を確立できていました。では快適性についてはどうだろうと考えたとき、ナビでも貢献できることがあるのではと思い始めていて。そんな折に、三菱電機さんから『DIATONE SOUND.NAVI』の提案を受けたんです。

初代モデル『NR-MZ60シリーズ』の発売前のことです。聞けば、“音”に特化したモデルとのことでした。その時点では“音”が良いことを前面に打ち出したナビは皆無で、これは面白いのではと早速導入に向けた検討が開始されました。

まず、“音”が良いとはどういうことなのかを知ろうと、各社のナビが装着されたクルマを用意して、関連部署を集めて『DIATONE SOUND.NAVI』との聴き比べを行いました。

『DIATONE SOUND.NAVI』は確かに“音”が良かった。すごくキレイで、ボーカルなどは特に息づかいまで生々しく再現されていました。そして“音”が良いとリラックスできることも実感しました。“音”は疲れにくさにも影響が大きい…。こうして『DIATONE SOUND.NAVI』の採用が決まったんです」

新作を作る度に、ゼロベースでノイズ対策に取り組む…。

『DIATONE SOUND.NAVI』の“音”とは具体的にはどのようなものなのか、梅本さんに聞いた。

梅本

「『DIATONE SOUND.NAVI』は、空間表現が得意です。広がりと奥行きをしっかりと再現できています。特に奥行き方向を表現できていることは優れた特長であると自負しています。豊富な情報量と高い解像度が確保されていないと難しいんです。

それが実現できている理由は主に2つあります。1つは、“素の音が磨き込まれていること”。クルマの中はプライベート空間であり、その意味では音楽を聴く場所として最適です。大きな音を出せますし。しかし音響的な不利が多々あります。走行ノイズの問題や、スピーカーを取り付ける場所としてドア内部のコンディションが劣悪であること等々。さらには、ナビとハイエンドオーディオを一体化させることにも難しさがありました。ナビ基板からノイズが輻射されるんです。

それらに立ち向かうために、まずは“素の音”を良くすることに取り組みました。ノイズを“出さない”、“受けない”ための対策をこと細かに実行し、スピーカーに送り込まれる音楽信号の質を徹底的に向上させています。結果、さまざまな不利に対処できています。

この取り組みは、新作を作る度にゼロベースで繰り返されてきました。さまざまなパーツを試したり、パーツを基板に組み込むときの向きを変えてみたり。気の遠くなるような地道な作業を重ねてきました。

しかし、エンジニアたちはそれを楽しんでやっていますね。“音”にこだわりが強いですから、そのための労は苦にならないんです(笑)」

リスニングルームとして不利な条件を、チューニング能力でもカバーする。

梅本

「“音”が良い2つ目のポイントは、サウンドチューニング能力が高いことです。

ところで車内空間のリスニングルームとしての不利は、先に挙げたこと以外にもあるんです。1つはシートが左右のどちらかに寄っていること。これにより音が近いほうのドアに張り付いてしまいます。もう1つは空間が狭くいびつなこと。結果、周波数特性が結構大きく乱れ、音のバランスが崩れてしまいます。実はこの2つは弊害として相当に大きい。

『DIATONE SOUND.NAVI』では、それらへの対処も可能です。それを司るパーツが私が担当させてもらっている“DSP”です。ここには弊社独自の機能である“マルチウェイ・タイムアライメント”も搭載されていて、とにもかくにも高性能なんです。また、周波数特性の調整を行っても、信号処理での情報の欠落が非常に少ないんです。」

梅本さんにはさらに、“DIATONE”が目指す“音”がどんな“音”なのかも教えてもらった。

梅本

「先輩たちからはこう教えられています。評価されるときに好みが取り沙汰されるのは本当の意味での“良い音”ではない。好みに左右されない絶対的な“良い音”がある。“DIATONE”はそれを目指しています。音源をそのまま出し切りたいと考えているんです。かつては放送用のモニタースピーカーブランドとして一時代を築きましたが、その当時から、“原音楽再生”という設計思想が確立されていて、それが今にも受け継がれているんです」