近年、世界中の企業でESG活動が推進されています。その活動には中長期的な視点を持った客観的な評価が求められます。特に、気候変動、廃棄物処理、労働問題、法令順守等に関するESG活動やその評価には、社会(街、人の流れ等)、モノ(建物、農地、廃棄物等)、環境(CO2、緑化度等)の変化を適切に調べることが重要です。
衛星画像は様々な場所を客観的・広域的・周期的に観測できる特長があり、ESG分野での利用に適しています。
#02SDGsへの取組事例
衛星観測ソリューション
衛星観測データ活用による地球環境保全と
安心・安全な暮らしへの貢献
安心・安全な暮らしへの貢献
三菱電機が開発を担当した陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)は、昼夜・天候を問わず地球を観測することができ、その観測データは、昨今増加している大規模災害の状況把握等で広く活用されています。また、衛星が撮像した地表画像データを独自技術・ノウハウに基づき処理・分析することで、より精緻な状況把握や変位抽出が可能となります。三菱電機ではこの技術を活用し、現在、政府・地方自治体や民間企業と共に建物・廃棄物処理・農地・市街地等の変化の把握、河川/湾岸の浸水や地盤沈降による変位抽出、インフラ設備の損傷・老朽化検出等にといったソリューションの実証を進めております。三菱電機は、宇宙から地表面のありのままを把握する観測データの活用を推進することで、サステナブル経営企業に対するESG観点での客観評価や、広範囲かつ高精度な防災・減災対策の推進に貢献します。
CASE 01
ESG分野
下図の事例は2014年と2022年の衛星画像からAIを用いて土地利用状況を推定し、緑地、建物、道路等の面積と、その増減を定量的に示した事例です。衛星画像を用いて地球表面の変化をより正確に理解することにより、人間活動による環境変化への影響把握、都市部の成長や拡大の監視、違法な伐採活動や森林の健康状態の監視等、様々なESG活動を支援します。
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CASE 02
防災分野
自然災害発生時に災害発生前・後の衛星画像の差分を解析することで、被災状況を抽出することが可能であることに加え、災害発生時以外でも、長期間にわたって徐々に進行する広域の微小な地盤変動などを検出することが可能です。下図の事例は、埋立地において長期間にわたって進行したと推定される地盤変動を、衛星画像の解析結果と3次元の建物情報を重ね合わせてわかりやすく可視化したものです。衛星からの観測により広域かつ網羅的に微小変化を把握することが可能なため、これまでは、目視で実施していたインフラの障害リスク箇所を早期に検出し、災害発生前に専門家による精密検査と対策を効率的に実施することが可能になります。
本技術は地盤変動だけでなく、河川堤防、橋梁、ビルやダムなどのインフラ検出、さらに土木工事や資源採掘による周辺影響調査など、幅広い用途に適用可能です。
本技術は地盤変動だけでなく、河川堤防、橋梁、ビルやダムなどのインフラ検出、さらに土木工事や資源採掘による周辺影響調査など、幅広い用途に適用可能です。
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