テクノロジー
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セミナーレポート
「e-F@ctory・ロボットセミナー」レポート
2017年3月公開【全1回】
パートナ様講演2リコーインダストリー株式会社 ES事業部SI技術センター 篠崎憲一氏 ※講演者の所属は2017年1月時点のものです。
プロダクションプリンター向けソリューション ~自動封入機を事例として~
リコーインダストリー株式会社
ES事業部SI技術センター
篠崎憲一氏
当社は印刷機や複写機の事業の一つとして、プロダクションプリンターを提供しています。カタログやチラシ、小冊子など多品種で大量の印刷が必要なものを、版を作らずにオンデマンドで印刷するものです。しかし印刷自体はプロダクションプリンターで効率化できても、印刷後の仕分けや封入など後工程は人の作業に頼っているのが現状です。その部分にロボットを活用し、省力化に貢献することができないか。その考えから、プロダクションプリンターから出力した製品に付加価値を付ける「PPソリューション」の開発が始まりました。
PPソリューションでは、プリンターから出てきた印刷物をロボットが取り、一つひとつに送付先などユニークなドキュメントを付けて完成させます。それを試作した装置を、2015年の「国際ロボット展」で出展し、注目を集めました。積み重なっている状態の封筒から力覚センサを使ったハンドチャックで一枚だけ取り出し、封筒の入口に広げて、ロボットがプリンターからの印刷物を封入し、完成品のトレイに積み重ねるまでの作業を自動化したシステムです。
リコーインダストリー株式会社
ES事業部SI技術センター
篠崎憲一氏
ロボットには三菱電機の垂直多関節ロボット「RV-4FL」を使用。ロボットや力覚センサはシーケンサから指示を受けるとともに、生産情報をシーケンサ経由で生産管理システムに蓄積します。
システムでは力覚センサでは分からないエラーを検出するために、カメラによるセンシングも組み合わせています。例えば封入前の封筒の向きが一枚だけ逆になっていたりするのは、力覚センサでは認識できません。e-F@ctoryでカメラや生産管理システムと連携させることで、映像から異常を検出して排除したり、異常発生前後の映像だけ抽出して対応を検討したりすることが可能になります。
労働力人口の長期的な減少が懸念される中、産業用ロボットは今後、大企業だけでなく中小企業にも導入が広がるでしょう。今後は低価格化とともにコントローラの使いやすさ向上もはかっていただき、ロボット技術者でなくても使えるような環境を整えてほしいと期待しております。」
リコーインダストリー株式会社
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