セミナーレポート
「e-F@ctory・ロボットセミナー」レポート

三菱電機講演三菱電機　名古屋製作所　e-F@ctory推進プロジェクトグループ　e-F@ctory推進グループ　石田 誠　※講演者の所属は2017年1月時点のものです。

e-F@ctoryの効果を実証するため、当社自社工場での導入も進めています。シーケンサを製造する工場では、面実装ラインにて機器の稼働情報やエラー情報などを収集し、実装する部品切れの防止や吸着方法の見直しなどで、実装不良を半分以下に低減。サーボモータ工場では、製造履歴と出荷検査の相関から不具合時の原因究明を迅速化したり、工程ごとのサイクルタイムとエネルギー原単位のデータからボトルネック工程を抽出、改善を行うことでライン全体の省エネと生産性向上を同時に実現した例などがあります。

これらのe-F@ctoryのソリューションは、各種の要素技術から成り立っています。代表的なものの一つが、FAとITをつなぐMESインタフェースです。FA側のシーケンサをSCMやERPなどIT側のアプリケーションにつなぐ場合、通常は個々のアプリケーションごとにインタフェースを開発しなくてはなりませんが、それは無理があります。MESインタフェースを用いることで、FA側の情報を容易にSQLデータベースへ送ることが可能となります。加えて、そのデータベースを介すことで、IT側のさまざまなアプリケーションから統一的にアクセス可能にします。

またe-F@ctoryでは、生産現場のデータをIT側で処理する前に、一次処理を行うのも特長です。生産現場のナマのデータに生産条件などをひも付けすることで、データを意味のある情報にするためです。実際、インテルのマレーシア工場では、収集したプロセスデータを一次処理してから分析するシステム構成をとったことで、予知保全による歩留まり向上と、それによる年9億円のコスト削減を実現しています。

e-F@ctoryはこれまで生産・製造にフォーカスして生産性や品質の向上を支援してきました。今後は生産現場を起点にエンジニアリングチェーン、サプライチェーン全体に視野を広げ、ものづくりのワークフロー全体を最適化するソリューションへすそ野を広げていく方針です。」