テクノロジー
三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。
セミナーレポート
「e-F@ctory・ロボットセミナー」レポート
2017年3月公開【全1回】
三菱電機講演三菱電機 名古屋製作所 ロボット製造部 武原純二 ※講演者の所属は2017年1月時点のものです。
e-F@ctoryと知能化ロボットが実現する自動化ソリューション
三菱電機 名古屋製作所
ロボット製造部 武原純二
「e-F@ctoryを構成する要素の一つがロボットです。センサを組み合わせて知能化することで、ロボットが生産現場で自ら適切な判断を行い、組み立てなどの作業の品質向上などを実現できます。
当社では電磁開閉器の生産ラインで知能化ロボットを活用した生産システムを構築し、自ら実証に取り組んでいます。電磁開閉器は多数のモデルがあるうえにロット数も毎回変わるため、一貫ラインによる一律の大量生産が適用しにくくなってきている製品です。そこでロボットに力覚センサなどを組み合わせることで組み付けや検査作業の自動化をはかり、生産量をコンパクトなセル単位に組み替えることで、生産性や稼働率のアップ、工程数の削減などを実現しています。
当社の知能化ロボットには、水平多関節型のRH-Fシリーズと、垂直多関節型のRV-Fシリーズがあります。これらロボットの生産現場での活用を推進するために、さまざまな要素技術を強化しているところです。動作の高速化や狭いセルでの作業域の拡大、配線や配管の内装化や通信インタフェースの強化などをはかっています。通信インタフェースでは、統合的なプラットフォームである「iQ Platform」への対応で、ロボットの内部データを共有メモリに展開し、高速制御や複数のロボットの協調制御などを可能にしています。
また、当社のロボットが提供するソリューションには、大きく3つの自動化があります。一つは知能化です。力覚センサやビジョンセンサなどを活用し、ロボット単体では不可能な作業を行えるようにします。一つの例が3次元のビジョンセンサを使った部品取り出しです。箱にばら積み状態の部品の向きなどからロボットでつまめる部分を認識し、ロボットで直接取り出します。専用のパーツフィーダを用意する必要がなくなるのが利点です。
三菱電機 名古屋製作所
ロボット製造部 武原純二
2つめのソリューションは、アプリケーションパッケージです。ロボットに周辺機器を組み合わせてパッケージ化したアプリケーション特化型のソリューションで、搬送、バリ取り・研磨のパッケージを用意しています。早期のシステム立ち上げが可能な点が特徴です。
3つめは安全ソリューションです。ロボットの安全オプションとして、安全情報をもとにロボットを低速で速度監視する機能や、モータのトルクからロボットと周辺との干渉を検出する機能、危険時にモータパワーを遮断してロボットを確実に止める機能などを用意しています。
ユーザがロボットに求めているのは「止まらない工場」の実現です。メンテナンスなどで止めなければならない時を除き想定外の停止を防ぐために、メンテ予報や故障予知などの予防保全機能も充実させているところです。」
製品・ソリューション紹介
先進のテクノロジーを搭載した、FAのための右腕。高速・高精度な基本性能と知能化センサの組合せでセル生産分野に最適。シーケンサをはじめとするFA製品との高い親和性で徹底した使いやすさを実現します。
iQ Platformは開発・生産・保守におけるコスト削減を、先進のテクノロジーで統合し、最適化し、革新していく三菱電機のFA統合コンセプトです。
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