テクノロジー
三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。
セミナーレポート
「e-F@ctoryセミナー in 関西」レポート
2017年4月公開【全1回】
三菱電機講演三菱電機 グローバル・アカウント営業推進部技術グループ 専任 原田 恵一 ※講演者の所属は2017年2月時点のものです。
設備健全性診断のご紹介
三菱電機 グローバル・アカウント
営業推進部技術グループ 専任
原田 恵一
「FAでビッグデータを生かすのにまず必要なのは、マクロのデータから課題を抽出することです。設備の総合効率を高めたいならば、段取り替えやメンテナンス、チョコ停などによる設備停止リスクを費用に換算し、対策費と対比させて投資回収効果を見極めて、どの設備に予知保全など改善を行うべきかを判断するところから始まります。
停止リスクのうち、上流の設計改善ではなく点検でしか防げない要素を抽出したうえで、必要な診断の技術とアルゴリズムを検討します。そのうえでIoTを使って点検や診断のリアルタイム化を進め、改善効果が実証されれば水平展開をはかっていくというステップです。
三菱電機 グローバル・アカウント
営業推進部技術グループ 専任 原田 恵一
事例として切削加工機の主軸データをもとにした設備診断をご紹介します。加工機の異常傾向を検知する方法として、主軸のモータに異常な力がかかっていないかを電流の変動をもとに分析し、実際の異常発生前に発見してメンテナンスする方法があります。しかし単に電流値を収集しても、データが暴れて分析できません。最大値だけをもとに異常を検出するような方法は成り立たないのです。
こうしたシーンで診断を可能にするためには、データを同一の条件で切り出して比較する必要があります。加工する対象や加工時間などの条件を揃えて、同じ条件下でデータを重ね合わせてどう変わったかを確認しなくては、異常を見つけ出すことはできません。また変動を見るだけでなく、データを統計処理して平均値、標準偏差、積分値などを計算してグラフ化し、トレンドを明らかにすることで、長期的な変化もとらえることができます。
ビッグデータをマーケティングに活用する際は、同一時期に調査したデータの特徴量を見れば傾向がつかめます。しかしFAで活用する場合は同じ方法は通用しません。データを切り出し、統計処理により特徴を浮かび上がらせることが必要です。
統計処理により予知保全を実現した事例にはその他に、電流異常をもとにした加工刃の欠損検知や、モータの振動を周波数別に分解することによる異常検知、ベアリングの異常検知などがあります。いずれも統計処理で傾向をつかむことで、異常を発生前に見つけることが可能になっています。
データは、収集すればいいというものではありません。何のデータを何のために集めるかをまず明確にするのが重要です。さらにその変化を比較し、分析と監視、効果検討を現場で繰り返すことで予知保全が実現します。e-F@ctoryはこのための機能を網羅したソリューションで、現場で改善を運用できる仕組み作りを支援します。」
製品・ソリューション紹介
e-F@ctoryは、「生産情報の見える化」「エネルギーの見える化」「安全の見える化」の実現による企業のTCO削減、企業価値向上を支援します。
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