換気のイロハ
新しい生活に向け、「換気」の重要性が再注目されている昨今。
換気の大切さを意識されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、換気といえば、
「=窓を開けること...?」
と思っている方も多いのかもしれません。
ここでは、こういった換気入門者の皆さまのために、まずは知っていただきたい、換気の基礎知識について、おさらいしたいと思います。
おうちの空気の汚れについて
室内空気を汚すものにはどのようなものがあるかご存知でしょうか。
ご家庭を例に、空間別にまとめてみました。
カーソルを合わせてクリックしてください。
二酸化炭素(CO2)、ダニ。就寝時のCO2濃度は2,000ppmをこえることも(一般的な外気のCO2濃度は300~400程度)。寝具からはダニなどが発生しやすくなることも。
油煙、湿気など。キッチンは、油煙、湿気、ニオイなど様々な汚れの発生元。
見える結露、見えない結露。
放置するとカビの原因に。
二酸化炭素(CO2)、ホコリ、ペットのニオイ。
家族が集まるリビングは空気が汚れやすい場所です。
カビ。お風呂の湿気はカビの原因になり、カビは空中に浮遊します。
ニオイ。トイレのニオイは壁にもついてしまいます。
ホコリや花粉など、さまざまな汚れの侵入経路のひとつです。
花粉、排気ガスなど。衣類に付着した花粉、排気ガスが外から持ち込まれます。
普通に生活しているだけでも空気は汚れていきます。
換気をこまめに行えば、私たちはいつもきれいな空気を吸うことになり、快適で健康的な生活環境を維持することができると言えます。
生活しているだけで汚れてしまう空気を、換気で入れ換えることはとても大切なことなんですね。
効率的な換気とは?
ではどうすれば効率的に換気ができるか?
ここから本題の換気のイロハとなります。
まず、換気には大きく2つの方法があります。
それは「自然換気」と「機械換気」です。
自然換気は、窓を開けて自然の力などを利用して換気する方法。コストがかからない換気方法です。
機械換気は、換気扇(ファン)等の機械を使って換気する方法。外気環境に左右されず、昼夜問わず、換気できるのがメリットと言えます。
自然換気
窓を開けて、自然の力などを利用して換気する方法。
- 換気に対するコストがかからない
- 外気環境に左右される(雨・虫・花粉侵入など)
防犯面も心配…
機械換気
換気扇(ファン)等の機械を使って換気する方法。
- 外気環境に左右されず、昼夜問わず、機械の力で強制的にしっかり換気
- 電気代が発生する
窓を開けないので防犯面も安心
それぞれメリットデメリットがありますが、しっかり換気するという面ではどちらが有効な換気方法なのでしょうか。
こちらは、自然換気と機械換気の「空気の淀みシミュレーション」です。
窓を開けて換気
CO2濃度分布(上から見た図)
※16畳の部屋で外気風速1m/sを想定したシミュレーション結果
窓開けのみではよどみが大きい
窓開けと換気扇で換気
CO2濃度分布(上から見た図)
※16畳の部屋で換気量0.5回/hを想定したシミュレーション結果
換気扇の併用でよどみ改善
自然換気では、空気の淀み(赤い部分)が解消されにくい結果となりました。
一方、機械換気は、しっかり安定した換気が行えているのがお分かり頂けるかと思います。
機械換気についてもっと教えて
機械換気はさらに3種類に分けられます。
それぞれ第一種換気、第二種換気、第三種換気と呼ばれ、場面・シーンによって使い分けられています。
第一種換気
第一種換気は、給気口(入口)と排気口(出口)が両方とも機械換気の方式です。
- 機械で強制的に換気を行います。
- 空気の流れを制御しやすく、給気量と排気量のバランスが取れ、安定した効率的な換気ができます。
居住空間から非居住空間まで幅広く採用されている換気方式です
第二種換気
第二種換気は、給気口(入口)のみ機械換気の方式です。
- 室内の圧力を高めて周囲からの汚れた空気の流入を妨げる
病院の無菌室や工場のクリーンルームなど外部の汚れ侵入を防ぐ場所などに使われている換気方式です
第三種換気
第三種換気は、排気口(出口)のみ機械換気の方式です。
- 室内の圧力を外気より低くすることで汚れた空気を周りの部屋に漏らさず外へ排出できる(トイレ、浴室、キッチンなど)
主に住宅などで採用されている
換気方式です
おすすめは、機械で計画的な換気が可能な第一種換気です。
とはいえ、室内利用の目的によって最適な換気方法をとることが大切です。
いかがでしたでしょうか。
これからのみなさまの換気生活にお役に立てればと思います。
以下の記事では、換気の実践方法についてもご紹介しますので、ぜひご一読をおすすめします。
新鮮な空気を保つための
6つのポイントを覚えておきましょう。