三菱電機株式会社は、パワー半導体の新製品として、パッケージの内部インダクタンスを低減し、第二世代SiC※1チップを搭載した「産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプ」のサンプル提供を2023年6月14日に開始します。これにより、産業用機器の高効率化、小型・軽量化に貢献します。
近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大・多様化し、なかでも電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体への期待が高まっています。また、産業用のパワー半導体モジュールは、インバーターなどの電力変換機器に使用されており、さらなる電力変換効率の向上を実現する高効率な製品が求められています。
当社は、2010年からSiCチップを搭載したモジュール製品を市場投入してきました。
今回、パッケージ内の電極構造の最適化により、内部インダクタンスを従来比で約47%低減※2した9nH※3を実現するとともに、第二世代SiCチップを搭載した「産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプ」のサンプル提供を開始します。SiCチップの低損失特性に加え、内部インダクタンス低減により、さらなる電力損失の低減が可能となり、産業用機器の高効率化、小型・軽量化に貢献します。
なお、今回の製品は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究の成果の一部を活用しています。
- ※1
Silicon Carbide:炭化ケイ素
- ※2
当社指定条件による測定。Siチップを使用したIGBTモジュールTシリーズNXタイプ
CM600DX-34T(1700V/600A)との比較 - ※3
ナノヘンリー。インダクタンスの大きさを表す単位
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