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地球は完全な球体ではなく、極方向がつぶれた、みかんのような形をしている。
赤道付近が21km膨らんでいるんだ。自転の影響(遠心力)によるものといわれているよ。地球は永久に自転を続けるが、将来、せんべいみたいにつぶれることはないよ。
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1光年とは、光が1年かかって進む距離であり、約9兆4千600億kmである。
1光年先の星を見ているとき、見えている光は1年前にその星から発せられた光なんだよ。宇宙の始まりが知りたければ、ビックバンの起こった約140億年前の光を調べれば(つまり、140億光年先の観測をすれば)よいことになるよ。これが世界中の天文学者が遠い宇宙の観測を競って行う理由なんだね。
冥王星まで59億kmで光の速さで5時間半しかかからないけれど、米国が2006年に打ち上げた冥王星探査のためのニューホライズンズという衛星は冥王星到達までに9年半(2015年夏)かかる予定だよ。
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地球から北極星までの距離は431光年なので、わたしたちは431年前に北極星から放たれた光を見ていることになる。
431年前と言えば日本では織田信長や豊臣秀吉が生きていた時代だよ。ちょうど本能寺の変があったころに北極星から放たれた光が、431年かかってやっと地球まで届いたんだ。
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太陽から地球まで光でも8分17秒かかる。だから、今見えている太陽は8分17秒前の姿。
近々超新星爆発するかもしれないといわれているオリオン座のベテルギウスは地球から640光年離れた場所にあるよ。つまり今見ているベテルギウスは640年前の姿なんだよ。だから、ひょっとしたら、すでに超新星爆発が起っていて今は星が消滅しているかもしれないけど、地球にいるわたしたちには今そのことを知る方法はないんだよ。もし、明日超新星爆発が観測されたら、それが起こったのは640年前(日本では室町時代)なんだね。
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宇宙ステーションにいる宇宙飛行士は、無重力環境で体の筋力がどんどん衰えていくため、毎日筋肉トレーニングをしている。
筋力の衰えを防ぐために、宇宙飛行士は毎日2時間半の筋肉トレーニングが義務化されているんだ。ランニングマシンやエアロバイクを使って運動をするんだよ。それでも地球に戻ってきたときには、筋肉や骨が衰えてしまい、リハビリが必要なほどなんだよ。
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2009年、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって月にも水が存在することが確認された。
水があるといっても液体ではなく、海どころか水溜りも存在しない。ごくわずかな水分が氷の状態で存在するだけといわれているよ。
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海の潮の満ち引きは、月の引力によって起こる。
月が真上に来ているときに潮が満ちてくるけど、その時、地球の反対側も潮が満ちているんだよ。月ほどではないが、太陽からの引力も潮の満ち引きに影響し、太陽と月の両方からの引力が最大のときに"大潮(いちばん満ち引きが大きい状態)"になるんだ。
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太陽の表面温度は約6,000℃であるが、その太陽をつつむコロナと呼ばれる大気の温度は、約100万℃にもなる。
太陽の中心はなんと約1,600万℃もあり、そこから外側に向かうにつれて温度が下がっていき、表面近くでは約6,000℃となる。太陽の温度に比べてなぜコロナがとても温度が高いのかについてはまだ解明されていないんだ。
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太陽のように自ら光を放つ星を恒星と呼ぶ。
恒星の表面温度は2,200℃~60,000℃くらいまでいろいろあり、その温度によって赤く見えたり青く見えたりするんだよ。
夜見える星はほとんどがこの恒星で、あとは惑星と月くらいなんだよ。最近は人工衛星も見えるね。
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恒星の周りを回っている星を惑星と呼ぶ。地球は惑星のひとつ。
惑星は自分から光らないため、遠い恒星を回る惑星の観測は困難だったけど、最近は観測技術の向上により宇宙にたくさんの惑星が発見されている。
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太陽とその周りを回る8つの惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星)を太陽系という。
2006年までは冥王星も太陽系の惑星だったんだけど、他の惑星に比べて小さいので惑星のなかまから外されてしまったんだ。だけど「冥王星型惑星」という仲間を作ってもらったんだ。地球以外の7つの惑星の英語名は、マーキュリー、ビーナス、マーズ、ジュピター、サタン、ウラノス、ネプチューンと言ってギリシャ神話の神様の名前なんだよ。
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衛星とは、惑星などの周りを回る星のこと。人工衛星とは人が作った衛星のこと。
地球の衛星である月は、自転周期と公転周期がほとんど一緒なので、常に同じ面を地球に向けているんだよ。だからいつも同じ"うさぎ"のもようが見えているだけど、見る場所が変わる見え方も変わり、海外では女性の顔や、カニのような模様に見える場所もあるらしい。衛星の周りを回る天体を「孫衛星」と呼ぶんだよ。
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衛星を意味する「Satellite」は、もともと「従者」の意味で、惑星に従うように回ることから名づけられた。
太陽系でももっとも多くの衛星を持つ惑星は木星で、現在発見されているのは65個。地球の衛星はもともと一つ(月)だけだったが、いまでは多くの人工衛星が地球を回っているよ。
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2010年4月、生命の起源となるアミノ酸が宇宙から来たという有力な証拠を国立天文台などの国際研究チームが見つけた。
生命がどこでどうやって生まれたかについてはいろいろな説があり決着がついていないんだ。中には宇宙から隕石に乗ってやってきた(パンスペルミア仮説)という説もあるよ。
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国立天文台が、国際協力の下でチリに建設している「アルマ望遠鏡」は、66台のパラボラアンテナで構成された電波望遠鏡である。
複数の望遠鏡で同じ観測対象をとらえることで、直径18.5km相当の巨大な望遠鏡のように機能させることができるんだ。アルマ望遠鏡の分解能(視力)は、すばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡の約10倍といわれているよ。日本が担当しているアンテナは16台。すべて三菱電機製だ。
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「アルマ望遠鏡」の目的は、太陽系や銀河系がどうやってできたのか、我々の素となる生命の材料はどこからきたのか、という謎の解明。
アルマ望遠鏡は遠方の電波を捉え、その電波からいろいろな情報をよみとることを計画しているよ。宇宙空間にある塵やガスはマイナス約260℃にも達し、光や近赤外線を放射しないため、その姿を光の望遠鏡で見ることはできない。だけど、冷たい塵やガスはミリ波やサブミリ波を放射するため、電波の望遠鏡で暗黒の宇宙の姿を見ることができるんだ。
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宇宙にはほとんど空気が存在しないので音が伝わらない。だから宇宙空間で爆発があったりエンジンを噴射しても音は聞こえない。
宇宙空間で物体と物体が衝突すると、そのエネルギーは、一部は熱または光となって宇宙空間に発散され、残りは、衝突後に物体が宇宙空間を飛行するエネルギーとなる。つまり音は発生しないんだ。
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宇宙空間には、人間が作り出した人工衛星やロケットの破片などが散らばっている。それをスペースデブリという。
「デブリ」とは、フランス語で「破片」のこと。番号のついたデブリは9,000以上、地上から観測できるものだけで約17,000個もあるけど、微小なものも含めるといくつあるかは数え切れていないんだ。
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スペースデブリはとても高速なので、万一人工衛星に衝突すると重大な事故になる可能性があり、とても危険。
断面積が20m2の衛星に1cmくらいのデブリが当たるのは、1年に約0.001個。つまり、1000年に1個当たるということになるが、現在運用中の衛星の数が1,000個近いと考えると、1年に1回どれかの衛星に当たってもおかしくないことになる。1cmのデブリでも当たりどころによっては1基の衛星を破壊するほどの力を持つんだよ。
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2009年2月、アメリカとロシアの人工衛星が衝突して大量のデブリが発生した。
今後、人類が宇宙に出て行くときにデブリは大きな障害になりかねないので、世界ではデブリを増やさないだけでなく、回収しようという研究も始まっているよ。
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直径10cm以上のスペースデブリには識別する名前がついていて、すべて地上のレーダーで監視されている。
日本でも美星スペースガードセンター(BSGC)、上斎原スペースガードセンター(KSGC)の2施設(共に岡山県)でデブリの監視が行われているよ。
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これまでに打ち上げられた人工衛星は約6千機である。
まだ約半数(3,000機)は地球を周りを回っているといわれているよ。軌道の比較的低いもの(地上数百km程度)は、やがて数年から数十年で地球の大気圏に突入して燃え尽きてしまうが、より高い軌道(地球表面上から数千km以上)を周回する衛星は、数百年以上も地球の周りを回り続けることになるよ。