「人工衛星のひみつ」にのっている “まめちしき”をもっと深く知ることができるよ!

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JAXA筑波宇宙センターの展示館には、実物や実物大の人工衛星がたくさん展示してある。

筑波宇宙センターは1972(昭和47)年に開設。敷地の広さは約53万m2。人工衛星やロケットなど将来の宇宙機の研究開発や開発試験、そして打ち上げた人工衛星を追跡管制するわが国のネットワークの拠点として重要な役割を担っているんだ。また、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の開発や試験、宇宙飛行士の養成なども行っており、日本の宇宙飛行士たちもここの食堂で食事をしているよ。

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JAXA筑波宇宙センターには実物大の「H-IIロケット」が展示してある。

JAXA筑波宇宙センターの「ロケット広場」に横たわっているH-IIロケットは、長さが50mもあるんだ。H-IIロケットは1990年代に活躍したロケットで、1トン程度の静止衛星なら、同時に2個打ち上げることが可能なな経済的なロケットだったんだ。現在は、その改良型であるH2Aロケットが活躍中だよ。

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日本宇宙少年団(YAC)という、子どもたちを対象とした宇宙と科学に関する教育活動を行っている団体がある。

水ロケット製作・打ち上げ、ソーラーカーや紙飛行機などの工作・科学実験、自然観察、天体観測、宇宙関連施設見学などの活動を行っているよ。

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YACには全国に約130の分団と呼ばれる組織があり、約3,000名の団員が活動を行っている。

YACのホームページには、JAXAと連携して実施している「宇宙教育テレビ」という番組があって、宇宙に関係するいろいろなイベントの様子をインターネットで見ることができるよ。

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宇宙船を所有して宇宙旅行を行う民間企業があり、一般の人からの申し込みを受け付けている。

イギリスのヴァージングループは宇宙観光旅行サービスへの本格参入を目指して宇宙船の開発などに力を入れているよ。

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高度100kmの宇宙に5分間滞在して、無重力体験ができる宇宙旅行の費用は、約2,000万円(2010年8月時点)。

高度100kmの宇宙に到達する前に、地上の3.5倍、宇宙滞在後の大気圏の再突入時は6倍もの重力加速度にそれぞれ90秒ほど耐えなくてはならなず、宇宙旅行が快適であるかどうかは考え方次第だよ。

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日本の宇宙予算は3,390億円(2010年度)であり、国民1人平均約2,700円に相当する。

国家予算に占める宇宙予算は約0.4%になるよ。11の省庁が関係しているんだけど、全体の半分以上がJAXAを管轄する文部科学省の予算だよ。

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アメリカの宇宙予算は、日本の宇宙予算の約13倍の約4兆円。

NASAだけでも日本の宇宙予算の約6倍の規模があるんだ。ちなみにヨーロッパの予算規模は日本の2倍強だよ。2001年から2008年のロケット打ち上げ実績でも、日本は18機と米国(166機)、欧州(49機)などに大差をつけられているんだ。

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国内総生産(GDP)に対して宇宙予算の占める割合は、アメリカは0.3%だが、日本はそれよりも少ない0.05%。

宇宙開発がみんなの生活の役に立っていることを政治家や関係省庁の人にわかってもらえればもう少し規模が大きくなっていくかもしれないね。そのためには、もっと、みんなに宇宙について興味をもってもらう必要があるんだ。

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宇宙からの視点で地球のことを考える「宇宙船地球号」という言葉は、バックミンスター・フラーというアメリカ人が提唱した。

生物物理学者ジェームズ・ラブロックは、地球は一つの有機生命体(ガイア)であると提唱しているんだよ。同じものなのにひとによっていろいろな表現の仕方や考え方があるんだね。

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ものづくりに携わる設計技術者には、大学の理工系学部を卒業した人が多い。

宇宙開発だから宇宙航空学部と思う人も多いかもしれないけど、それ以外の人もたくさんいるよ。アポロ計画で宇宙船を設計し、スペースシャトルの宇宙輸送システムの設計責任者であったマキシム・ファゲットは、大学では機械工学を専攻していたんだ。

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人工衛星開発では、技術者など理科系の人だけでなく、営業や経理など文科系の人たちもたくさん活躍している。

客先との契約や製造費用の管理、材料調達など、技術者じゃない人の活躍する場面も多いよ。多くの人が得意な分野で力を発揮して、それらの力を組み合わせて人工衛星はできあがるんだ。

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近代ロケットの父と呼ばれているゴダードは、「昨日の夢は今日の希望、そして明日の現実」という言葉を残した。

ゴダードは生前にその業績を評価されることはほとんどなく、ゴダードに厳しい批判を浴びせる新聞記者に対し、「どんなビジョンであれ、誰かが達成するまではジョークであり、達成した後は当たり前になる」と弁論している。