三菱ジャー炊飯器
活動レポート
理想のごはんの象徴とされる「かまど炊き」。
現代では、その味を知る人も少なくなっているのではないでしょうか。
そこで「お米塾」では講師であるお米マイスター佐藤貴之氏、ジャー炊飯器開発チームの久保田協力のもと「かまど炊き」に挑戦!その炊飯の様子や炊きあがりについてレポートします。
ごはんをおいしく炊くには、何よりも強い火力が重要。そして次に、絶妙な火加減。今回研究したのは、精米のときに取り除かれた籾殻(もみがら)を火元として使う、昔ながらのかまど炊き。籾殻を使うことで大火力と微妙な火加減を上手にコントロールすることができ、それはそれはおいしいごはんが炊きあがるのです。
火加減はこんな感じ。籾殻を周りに敷きます。
湯気が立ち上ったら火からおろします。
途中経過です。赤子泣くとも蓋取るなと言われておりますがこれはレポートですので中身をチェックしました。ねばりが出てきています。
炊きあがったごはんを見ると、表面にいくつかの小さい穴「カニ穴」が開いています。実はこれ、強い火力により蒸気が米と米の間を通り抜けた跡。この「カニ穴」ができる炊飯が理想の炊飯と言えるのです。
お米マイスターとジャー炊飯器の開発者に試食してもらい、かまど炊きごはんの特徴やおいしさの秘密を聞きました。
株式会社高清水食糧
五ツ星お米マイスター
佐藤貴之氏
かまど炊きと電気炊飯について
火力の強さと安定は炊飯においてとても重要な要素です。
電気炊飯器は火力の安定といった面で優れていて「もちもち感」のあるごはんは電気炊飯器ならではの炊き上がりです。また3合くらいまでの少量のごはんを炊く場合は電気炊飯器が有利といった利点があります。
一方、火力の強さではかまどが勝ります。かまどならではの絶妙な火加減は、「香りの層」「味の層」「粘りの層」と、ごはんに3つの層のグラデーションを創ります。このグラデーションにより、口の中に「硬さと柔らかさ」「弾力と粘り」と相反する要素が共存することでおかわりをしたくなるおいしさを生むのです。この複雑で絶妙なバランスは、今の電気炊飯器では再現できない点で、『かまどで炊くごはんがおいしい』と言われる所以だと思います。
三菱電機ホーム機器
ジャー炊飯器開発チーム
久保田哲正
かまど炊きのおいしさ
炊き上がりについては、ふっくらとしていて適度な粘りがあり、特にツヤと香りが印象的でした。ごはんの持ち味はしっかり主張しつつも、おかずを邪魔しない食味という感じで、焼き魚等の和食にも合うと感じました。
やはりかまど炊きは、食感のバランスがいいですね。電気炊飯器も進化しており、ふっくら感や粘りはいいレベルで引き出せるのですが、ツヤと香りはまだまだ追求していきたいです。見た目のツヤも、ほんのりとした香ばしさも、おいしいごはんの大切な要素ですから。このかまどはお米を刈り取った後の籾殻を燃料にするタイプですが、底面サイドからドーナツ状に籾殻に火種が広がるので側面が盛り上がるように炊き上がりました。かまど炊きの火の回り方も、今後さらに研究していきたいと思います。
かまど隊の研究風景をご覧ください
今回は究極の一杯を求める三菱電機のジャー炊飯器開発チームが、研究の一環として釜そのものや内部の温度、圧力やお米の動きなどを測定。こうした地道な研究もおいしいごはんにつながる、と日々励んでいます!
圧力と釜温度を測定しています。
かまどについて
羽釜の形状は全国ほぼ共通ですが、かまどの形状は地方などによって仕組みが異なります。気温や環境が違うためその土地の風土に合ったかまどが存在しています。しかし、方法や手順などに違いはあるもののお米に十分に水分を吸わせ加熱するという炊飯の基本的な調理法に変わりはありません。
単純な調理方法だけに奥が深いわけです。 味を左右するのは一体何なのか?「火加減」「釜」「水」これらを徹底的に調査します。第一回目は「火加減」に着目。おいしいと言われる籾殻炊きに挑戦です。