2002年7月、経済産業省および環境省から、JEMAおよび関連企業に原因究明等の調査指示があり、2003年11月に調査結果を報告しました。
内容は、原因の究明および機器や製造年代の特定はできず、1989年以前に製造の電気絶縁油を使用した電気機器は、低濃度PCB混入の可能性を否定できないとの結果となりました。
なお、報告書本文については こちら を参照ください。
今後とも絶縁油の品質管理を継続するとともに、ホームページを利用してお客様への技術情報の提供に努めます。さらに、今後、低濃度PCB汚染物処理等に関する検討にも積極的に協力していきます。
1. 取扱い・処置のご案内
絶縁油入り電気機器(変圧器、コンデンサ、計器用変成器、リアクトル、放電コイル、電圧調整器、整流器、開閉器、遮断器、中性点抵抗器、避雷器)で、PCBの低濃度混入が確認された機器については、PCB絶縁油入り電気機器と同様、「電気事業法」、「廃棄物処理法」および「PCB特別措置法」に基づいて適切な処置を実施してください。この処置についてお客様でご留意いただく事項等を以下説明いたしますので、ご注意をお願いいたします。
なお、平成16年2月17日付の環境省通知(環廃産発第040217005号)によれば、微量のPCBの混入の可能性が完全には否定できないとされる廃重電機器等について、「機器毎に測定した当該廃重電機器等に封入された絶縁油中のPCB濃度が処理の目標基準である0.5mg/kg以下であるときは、廃重電機器等はPCB廃棄物に該当しないものであること」とされています。
1-1.使用中の機器の取扱いについて
現在使用中のものは引き続きそのまま使用することができます。
万一、使用中の機器に微量PCBの混入が確認されましたら、「電気事業法」に基づき所轄の経済産業局に届出いただく(1-4項「関連法規について」を参照ください)とともに、漏油等の不具合が発生しないよう引き続き日常点検を実施ください。
また、PCB(0.5mg/kg超)を含有する絶縁油を使用する電気機械器具を、使用中止のために電路から取り外した場合には、新たに使用することは禁止されております。
1-2.保管について
微量PCBの混入が確認された機器を電路から取り外されたら、下記に従って保管してください。
また、PCB混入の可能性を否定できないが未確認のものは、これに準じた適正な処置を行うことが適切です。
(「廃棄物処理法;第12条の2第2項」、「廃棄物処理法施行規則;第8条の13、第8条 第2項」、「PCB使用機器の取扱いについて(平成12年7月通産省機械情報産業局電気機器課)」)
保管する際は廃棄物処理法に従うほか、次の注意事項に従った取扱いをお願いします。
- 1)識別表示
次の表示を行って一般の機器と区別してください。- ・PCBの低濃度混入が確認された機器であることの表示
- ・数量(個数、質量、容量、等)
- ・管理責任者の表示(氏名、連絡先等)
- ・保管を開始した年度
- ・処理完了期限
- ・機器の問合せ先(メーカ名等の連絡先)
- ・「廃棄物処理法」「電気事業法」いずれかの法的手続きの処理を行ったことの表示
- 2)機器の隔離
対象となる機器は一般の廃棄処理とは区別し、絶縁油が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないように隔離して保管してください。
また、保管責任者及び管理者以外が機器に近寄れないように仕切りを設けてください。 - 3)漏洩防止の措置
保管中のものにあっては、密封した容器への収納、浸透し難い材質で製作された堅固な容器に収納するなど、腐食による漏洩が起きないようにしてください。 - 4)点検
保管中の機器は定期的に点検を行って、漏洩等による汚染防止や紛失等の防止に努めてください。
なお、点検結果を記録するとともに機器の廃棄処理が完了するまで保管してください。 - 5)その他
廃棄処理を行う場合は内容物の性状、量等についての情報を委託先に提供し、法的に認可された処理技術によって処分することが必要です。または処分されるまで保管してください。
1-3.使用中の機器の油交換、注油等の油取扱い作業上の注意について
使用中の機器の油交換、注油等の油取扱い作業する際には、機器に使用されている電気絶縁油の取扱いを以下のようにお願いします。
- 1) PCBの低濃度混入が確認された機器の場合
- ・油交換作業により抜き取った油は密封した容器に入れて上記1-2項に従って保管ください。
- ・新たに補充した油は、使用量、油のメーカ、規格、注油した作業日、等を記録し保管ください。
- ・油の抜き取り作業に使用した器具、ウエス、ゴム手袋及び汚染された保護具等も上記1-2項に従って保管ください。なお、調査のために抜き取った油がある場合についても同様に取扱ってください。
- 2)上記1)以外の機器の場合
- ・油交換作業により抜き取った油は産業廃棄物として処理可能です。
- ・新たに補充する油は、油メーカから事前にPCB不含証明書を入手してください。
1-4.関連法規について
現在使用中および使用を停止予定の電気機器は、取扱いにより法の適用(規制)が異なります。法の適用により事業者責任が課せられますので、十分に注意して関連する法に従った取扱いをお願いします。
- ・PCBの低濃度混入が確認された場合には、法※2 ※4に従った届出が必要となります。現在使用中の機器は継続使用が可能ですが、一旦電路から取り外した場合には、法※3に従い電路への再施設は出来ません。なお、廃棄時には法※1 ※2に従った処理が必要です。
- ・PCBの低濃度混入が確認されなかった場合には、法※2の適用は受けず、廃棄時も産業廃棄物として処理可能です。
※1 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(改正:平成15年6月18日法律第93号) 第12条の2第2項
※2「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(平成28年8月改正法施行)、施行令・施行規則(平成28年7月改正)
※3「電気設備に関する技術基準を定める省令」(平成28年9月23日経済産業省令第91号) 第1章総則第4節(公害等の防止)第19条14
※4「電気関係報告規則」(平成28年9月23日改正) 第4条の2・平成28年9月23日改正の経済産業省省令
報告書
当社における報告書は以下の通りです。
報告書 本文 (PDF:554KB)
報告書 添付資料1 (PDF:52KB)
報告書 添付資料2 (PDF:10KB)
報告書 添付資料3 (PDF:61KB)
報告書 添付資料4 (PDF:23KB)
報告書 添付資料5 (PDF:9KB)
報告書 添付資料6 (PDF:9KB)
報告書 添付資料7 (PDF:46KB)
調査におきましては、「当社製造工程における混入の可能性」、「納入後の機器における混入の可能性」、「絶縁油への混入の可能性」について検討しましたが、原因の究明および機器や製造年代の特定はできず、「1989年以前に製造の電気絶縁油を使用した電気機器は、微量PCB混入の可能性を否定できない」との結論となりました。
また、1990年以降製造の機器については、絶縁油に対する品質管理が強化されたことから、当社の製品出荷時におけるPCBの低濃度混入はないと判断します。
化学的に合成された絶縁油(JIS C2320「電気絶縁油」の4種又は5種の絶縁油)を使用しておりますコンデンサにつきましては、弊社では過去検出事例がないこと、合成油メーカから不含見解書を入手していることからPCBの微量混入の可能性は非常に小さいと判断しております。
しかしながら、国の「平成17年度低濃度PCB汚染物対策検討委員会・第1回処理方策ワーキンググループ」(開催日:2005/8/3)で示された「電気絶縁油へのPCB混入の可能性について」により、「1974~1990年までの間に製造された合成絶縁油はPCBの低濃度混入の可能性がある」との結論となっておりますことから、1990年以前に生産されたコンデンサの廃棄、あるいは絶縁油に関する保守に際しましても、PCBの低濃度混入の可能性があることを前提とし、お取扱い頂くことをお願い申し上げます。
低濃度PCB汚染物対策検討委員会原因究明調査報告書の関連情報については下記をご覧下さい。
環境省および産業廃棄物処理事業振興財団