「世界の重要インフラの安定稼働と
カーボンニュートラルを実現」、
「日本・アジアの安全保障に貢献」
インフラビジネスエリア(BA)は社会システム事業、電力システム事業、防衛・宇宙システム事業で構成しています。それぞれの事業環境を見ますと、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルをはじめ、人手不足や老朽化するインフラ対策、安心・安全な社会の実現などの課題があると認識しています。インフラBAでは、事業を通じて、世界の重要インフラの安定稼働とカーボンニュートラルを実現するとともに、日本・アジアの安全保障に貢献することで、これらの課題解決に寄与することを「ありたい姿」としています。
豊かな水循環社会の実現
オゾン発生装置
オゾンは優れた殺菌・脱臭・脱色・酸化力により、高度水処理や紙パルプの漂白に利用されています。三菱電機のオゾン発生装置は、電極をより細くし、電極の寸法精度を向上させることで高効率・高濃度・小型化を実現しました。これにより、システム全体での消費電力を15%削減しています。消費電力の低減・高濃度・小型化により、一般工業など様々な分野に用途を広げており、国内外の水環境改善に貢献しています。
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オゾン発生装置 三菱オゾナイザ
安心・安全・快適な街づくりへの貢献
ネットワークカメラ・システム
ネットワークカメラ・システムは、映像記録・監視だけでなく、AIや映像解析技術を活用し、不審物の早期検知による安全性向上、混雑度合いや人の流れの検知による快適な空間の提供、防災・減災などにも用途を広げています。多様なニーズにお応えする「MELOOK」シリーズや、公共設備などの広域監視に最適な製品の提供を通じて、安心・安全な街づくりを推進しています。
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ネットワークカメラ・システム
脱炭素社会への貢献
デジタル基盤「Serendie」を活用した鉄道向けデータ分析サービス
三菱電機独自のデジタル基盤「Serendie」を活用し、車両・変電所・駅の電力使用量や列車運行状況等のデータを組み合わせて分析する、鉄道向けデータ分析サービスを開始しました。このサービスをもとに、鉄道事業者の設備導入や列車の省エネ運用を継続的にサポートし、鉄道アセット連携と省エネ運転を融合することで、エネルギーの運用最適化に貢献します。さらに、鉄道分野で収集したデータを分析・活用し、沿線地域の電力システムとの連携をサポートすることで、沿線地域全体でのエネルギー供給の最適化実現による脱炭素化推進に貢献します。
環境に配慮した温室効果ガス不使用の開閉器
変電所に設置される開閉器において、温室効果ガスを使用しない製品ラインアップを拡充しています。多くの開閉器には地球温暖化係数がCO2の約2万4,300倍の温室効果を及ぼすSF6ガスが使用されておりますが、近年の環境負荷低減のニーズや各国のSF6ガスの使用規制を受け、三菱電機はSF6ガスを使用しない開閉器を開発・納入しています。今後も温室効果ガス不使用の製品ラインアップを拡充し、電力系統の安定化を支援することで、カーボンニュートラルの実現と、多くの人々が安心して電気を使える社会の実現に貢献します。
クリーンエネルギー導入への貢献
直流送電技術
風力・太陽光発電所等の再生可能エネルギーの発電適地と電力消費地は離れており、送電過程で周波数や電圧変換によるロス、送電ロスが発生します。これらを低減し電力を安定的・効率的に利用する手段の一つに直流送配電技術があり、三菱電機は高電圧直流送電(HVDC)システムを展開するとともに、電力系統の保護に重要な直流遮断器も開発中です。また中低圧直流配電ネットワークシステム(D-SMiree)は安定的な地産地消の電力システムを提供します。これらの直流技術を通じて、再生可能エネルギーの更なる普及とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
エネルギーの最適な利用への貢献
BLEnDer®(電力市場向けパッケージ型ソフトウエア製品のシリーズ)
太陽光・風力発電などの再生可能エネルギーや蓄電池の普及により変化する電力ネットワークにおいて、BLEnDer®はICTを駆使し、電気の見える化と制御、取引の支援を行います。三菱電機は今後も電力市場とエネルギー動向の変化を捉え、電力の安定供給と効率的運用の両立を支援していきます。
世界をリードする地球環境観測に貢献
静止気象衛星「ひまわり8号」「ひまわり9号」、温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」
静止気象衛星「ひまわり8号」「ひまわり9号」は、世界に先駆けて搭載した次世代の気象観測センサーにより、気象予報の高精度化や海面水温・植物性プランクトン濃度・海氷・噴煙など様々な地球環境を把握し、観測データをアジア・太平洋の国や地域にも提供することで、より効果的な防災施策の実現に貢献しています。
また、温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」は、高性能な観測センサーを搭載し、温室効果ガス濃度分布の測定精度向上や大気汚染監視に貢献しています。
観測データの利活用で地球環境保全と安心・安全な暮らしに貢献
衛星観測ソリューション(先進レーダ衛星「だいち4号」、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」)
三菱電機は、衛星観測の計画立案から衛星画像の処理・分析などの一連の技術を保有しており、これらをフルに活用してお客様のビジネスに最適なソリューションを提供しています。
三菱電機が開発製造を担当している陸域観測衛星のALOS※シリーズは、日本の国家インフラとして、災害時の状況把握、地図更新等の国土管理、海洋、森林監視などに利用されています。また、政府や地方自治体と共にインフラ監視に関する技術実証を進めており、防災・減災対策及び人々の安心・安全な暮らしに貢献します。
※Advanced Land Observing Satellite
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衛星観測ソリューション
高精度測位ソリューションを通じて安心・安全・快適な暮らしに貢献
準天頂衛星システム「みちびき」
準天頂衛星システム「みちびき」は、4機の測位衛星のうち常に1機が日本の天頂付近に位置することにより、これまで測位が困難だった場所へも測位信号を送ることができ、さらにGPS信号を補強することでセンチメータ級の位置精度が実現できます。衛星からの測位信号を受信する高精度測位端末などで取得した位置情報と、その位置情報から生成する高精度3次元地図を組み合わせることで、自動車・鉄道・農業・建設・土木などの様々な分野で、安心・安全・快適に暮らせるまちづくりに貢献します。
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人工衛星準天頂衛星システム「みちびき」(QZSS)