三菱ジャー炊飯器
活動レポート
稲の成長記録レポート
毎年宮城県登米地区の専用水田で行っている、オリジナルブレンド米栽培プロジェクト。
今年は、「本炭釜 KAMADO」開発者の金井自らが、農家の方々との対話から得る新しい発見や感動など、プロジェクトの様子をレポートします!
「本炭釜 KAMADO」開発者
金井孝博
「金井の熱い思いをぶつけていきます!」
三菱電機ホーム機器ジャー炊飯器開発チーム、オーブンレンジの設計等を経て、炊飯器開発を担当。全国のかまど現場を訪ね歩いて研究を重ね、2015年「本炭釜 KAMADO」を完成。さらなる進化に向けて現在も開発を続ける。
種選びにも田植え時期にもこだわったオリジナルブレンド米
オリジナルブレンド米専用水田の田植えは、5月20日に実施されました。いつもは研究室で炊飯器の開発に取り組む金井も、今日はつなぎに着替えて田んぼへ。米作り名人の木村さんに教えを請います。
- 金井
- 今日はよろしくお願いいたします!さて、今から田植えということなんですが、他の田んぼはもうほとんど植え終わっていますよね。少し遅くないですか?
- 木村
- 通常の田植えは5月の最初に行いますが、実は今頃に植える「晩期栽培」のほうがお米はおいしくできるんですよ。うまい米作りの条件は、気温の寒暖差。温暖な夏期に育てた稲を冷涼な秋に収穫するのが理想です。つまり田植えを遅らせれば、稲が登熟するタイミングもそれだけ気温の低い時期と重なるため、より品質がよくなるというわけです。
- 金井
- なるほど。オリジナルブレンド米はそういうところにも配慮して作られているんですね。苗作りに関しても、何かこだわりがあるんですか?
- 木村
- オリジナルブレンド米の苗は、種選びから丁寧に行っています。まず種となる籾は、塩水に入れて沈んだ種籾だけを選びます。これは「塩水選」といって、いい種だけを見分ける昔ながらの方法です。こうして選び抜かれた種を、育苗センターでしっかり温度管理しながら育てました。今年の苗は、すごく出来がいいですよ。
- 金井
- それは楽しみです。さっそく植えてみましょう!
田植機を使った苗の植え付けと肥料蒔きに挑戦!
田植えには、田んぼの中を進みながら苗を植え付ける田植機を使います。基本的な操作方法を教わり、金井も運転に挑戦。ゆっくりながらも、田んぼ1枚(約300坪)の稲を植えることができました。
- 木村
- お疲れさまでした。はじめての田植え、いかがでしたか?
- 金井
- アクセルとブレーキの仕様などはふつうのクルマと同様なので操作自体は簡単でしたが、まっすぐ植えるためのマーカーの見方や、端に到達した際の旋回などに関しては慣れが必要ですね。でも一面に苗を植えたという達成感もあって、楽しかったです。
- 木村
- 慣れればむずかしいことなんてないですよ。おかげではかどりました。そういえば、手植えをしていた時代は、1人が持てる稲株のことをハカっていう単位で表していたんですが、はかどるって言葉はここから来たのかもしれませんね。
- 金井
- へえ。僕も田植機でうまく植えられなかった部分を、2ハカほど手植えしてみたんですよ。1カ所に3株ずつ植えていったんですが、夏にはこれが20株前後に株分かれするそうですね。
- 木村
- 苗同士の間隔にもよりますが、うまくいけば25株、そうでなければ15株といったところ。どう出るか、楽しみですね。
昔ながらの籾殻炊きかまどに、開発のヒントが?!
- 金井
- 今日ははじめての体験だったから、「楽しかった」なんて言っちゃいましたけど、これを毎日やる農家の方は大変ですよね。これだけの手間をかけてお米を作ってくださっているのだから、炊飯器も負けてはいられません。
- 木村
- うちも「本炭釜 KAMADO」を使っていますが、十分においしく炊けますよ。昔のかまどの味を思い出しますね。
- 金井
- 木村さんのところでは、どんなかまどを使っていたんですか?
- 木村
- 籾殻専用のかまどで炊いていました。米作り農家だから籾殻はいくらでもあるし、何より薪と比べて使い勝手が断然にいい。籾殻は火が付きやすくて火力も強いうえ、放っておいても炊飯に最適なタイミングで沸騰し、ちょうどいい頃合いに火が収まるんです。
※リンク先では最新の製品をご紹介しております。
- 金井
- それはおもしろい。お米と籾殻だから、もともと相性はいいのかもしれませんね。籾殻の火力と燃焼時間か…。炊飯器の火力調整のヒントになりそうです。
- 木村
- 籾殻で風呂を焚いてみるとわかるんだけど、薪で焚いたお湯とは質が違うように感じる。熱さの中に刺激があるんです。それだけ、火力が強いってことなんでしょうね。
- 金井
- 帰ったらさっそく、籾殻の研究をしてみます。今日はお米作りだけでなく、炊飯器開発にも通じる貴重な勉強をさせていただき、ありがとうございました!
お米塾では理想のごはんの象徴である「かまど炊き」の研究を続けています。「籾殻炊き」も含めた全国のかまどのレポートも是非ご覧ください。
取材中も現地栽培チームのみなさんは着々と作業を進め、今年も無事田植えが終了しました。おいしくなーれ!