三菱ジャー炊飯器
活動レポート
稲の成長記録レポート
毎年宮城県登米地区の専用水田で行っている、オリジナルブレンド米栽培プロジェクト。
今年は、「本炭釜 KAMADO」開発者の金井自らが、農家の方々との対話から得る新しい発見や感動など、プロジェクトの様子をレポートします!
「本炭釜 KAMADO」開発者
金井孝博
「金井の熱い思いをぶつけていきます!」
三菱電機ホーム機器ジャー炊飯器開発チーム、オーブンレンジの設計等を経て、炊飯器開発を担当。全国のかまど現場を訪ね歩いて研究を重ね、2015年「本炭釜 KAMADO」を完成。さらなる進化に向けて現在も開発を続ける。
黄金色の田んぼへ、稲刈りに
秋風が吹き、稲穂も金色に染まった10月。できたぞ〜!と米づくりの師匠、木村さんから稲刈り作業の招集が。稲刈りは、栽培プロジェクトのメインイベントのひとつ。さっそく金井は、部下や同僚たちに声をかけて登米の田んぼに稲刈りへと出かけました。
- 金井
- きれいな稲穂ですね。今年のお米の出来はどうですか?
- 木村
- すごくいいですよ。今年の米は輝きが違う。玄米を見ると、粒が透き通って光っています。こういうお米はおいしいんです。
- 金井
- 先日は台風もあったので心配していたんです。ちゃんと育ってくれて良かった。
- 木村
- 場所によっては稲が倒れた地域もあったそうだけど、ここは土が強いから大丈夫。強い風が吹いても倒れないんです。今日は稲刈りと天日干しの作業をしてもらいますが、天日干しは風を見ながら行います。海からの湿った風が吹くような日はダメで、「くりこまおろし」という西からの乾いた風が吹くときに干すのがいいんです。これで天気が良ければ10日くらいで稲が乾燥していいお米になります。
- 金井
- 天日干しのお米は機械乾燥のお米とどう違うんですか?
- 木村
- 今は便利な機械乾燥が増えているけれど、本当においしいお米を作りたかったら天日干しのほうがいいんです。稲は刈り取ったあとも生きています。日数をかけて乾燥させる天日干しは、わらに残った養分を使ってゆっくり乾燥し、登熟を続けます。そうすると玄米にした後も劣化が遅く、おいしさを保てるんです。
ぽにょ?ほんにょ?昔からの知恵が生かされた天日干しスタイル
今日の作業は2.5反分の稲刈りと天日干しの準備。慣れないメンバーでやり切れるか心配…。今回は強力な助っ人として、登米の若手、木村さんの息子の友優くんと友人の竹内くんが参戦してくれました。みんなで稲のはさかけ作業“ほんにょ”を行いました。
- 金井
- この地方の天日干しスタイルは独特ですよね?
みの虫みたいな形で。
- 竹内
- そうですね、これは“ほんにょ”って呼ばれています。少ない手間、省スペースで干すことができる合理的なやり方なんですよ。
- 金井
- “ぽにょ”じゃなくて“ほんにょ”? 面白い名前ですね。関東では横長の支柱にかけていくのをよく見ますが。
- 竹内
- 垂直に重ねれば1本の竿に沢山の稲を干すことができます。また幅をとらずに効率よく干せます。雨が降っても、水分が落ちる形になっているので乾きやすい。ムダのない形なんです。稲を扱う時、いつも考えるのはいかにムダなく作業するか?ということです。稲穂の1本もムダにしないように束ね方を工夫したり、あとから作業しやすいように紐を結んだり。田んぼの作業は時間と手間がかかるからこそ、ちょっとしたひと工夫が大事なんです。
- 金井
- なるほど、よく考えられていますね。田んぼの仕事は大変だからこそ、効率が求められるのですね。
みんなで頑張る。その先に見えた米のおいしさの秘密
早朝から作業をはじめてはや5時間。やっと手が慣れてきた頃に1反が片付きました。果たして帰りの電車までに終わるのか?
不安になりながらも共同作業を続けた先に、気づいたことは?
竹内くんのかけ声に合わせてテンポよく積み上げていくと、あっという間に1本のほんにょが終了。いつの間にか疲れも忘れて楽しんでいました。気づけば部下の女性たちも、それぞれ共同作業を楽しんでスピードアップしていました。
「ごはんができましたよ!」
作業が終わる頃、飯ごうで炊いたごはんが運ばれてきました。最後までやり遂げた後に、田んぼで食べる熱々のごはんのおいしいこと!
今日一日、無我夢中で作業したからこそ、こんなおいしいごはんになるのでしょう。そしておいしいお米一粒一粒ができるまでには、これほど大変で手間のかかる作業が必要なのだと実感しました。米づくりの生産者の皆さんの努力を思うと、我々もおいしいごはんが炊ける日本一の炊飯器を作らなければ。チーム力がさらに結束し、みんなの意識が高まった稲刈り体験でした。