「緑の質の向上」を目指して機能緑地を整備
三菱電機では、地域環境に調和し、生きもののすみかとなる「機能緑地」の整備に取り組んでいます。各事業所で地域本来の生態系サービスとかかわりをもつ緑地をつくり、「緑の質の向上」を図ることで、周辺地域の環境保全に貢献しています。
静岡製作所「よりみち緑地」
製作所内の緑地を、鳥類や昆虫類が食事や休息に利用できる“よりみち緑地”として整備しています。製作所の東西にある山々が市街地で分断されていることから、これらをつなぐ“飛び石”のような機能を持った緑地をつくることで、地域の生態系ネットワークの構築に貢献することを目指しています。
京都地区「草地ビオトープ」
代表的な地域在来種であるチガヤと、周辺の耕作地に生育している草地の植物を構内に移植し、「草地ビオトープ」として管理しています。ここでは、草地をいくつかのエリアに分け、それぞれ草刈りの時期をずらすことで、昆虫のすみかをなくさないよう工夫しています。
受配電システム製作所 ビオトープ
野鳥や昆虫が休息・営巣に利用できるビオトープを設置しています。水辺を設けて水生植物を植え、巣台や止まり木を設置しているほか、トンボが好む開けた水面も整備。また周りには野鳥が好む実のなる木を植えるなど、生きものが利用しやすいよう様々な工夫を凝らしています。
相模地区「生物多様性緑地」
「野鳥や昆虫の休息地」「生態系のサイクルの構築」をコンセプトとする緑地を整備しています。水辺を造成し、近隣の相模川で採取した生きものを導入しているほか、植栽から極力外来種を排除。さらに「極力剪定を行なわない」などの管理ルールを定め、地域の生態系に近い環境の維持に努めています。
伊丹地区 生物の理想郷「イタトープ(ビオトープ)」
伊丹地区構内の大規模工事で埋め立てられた水路に代わり、トンボ類の新しい繁殖地となるビオトープを設置しました。地域本来の環境に近いとみられる猪名川周辺で採取した在来植物を植栽したほか、より多くのトンボが利用できるよう水に流れをつけ、場所によって深さや流速が変わるよう設計しています。
群馬地区「ふるさとガーデン」
古い建物や設備の建て替え・改修の機会に、植栽を在来植物へ植え替えています。この取組の一環として、県木など地域にゆかりの深い樹木3種の苗木を育てる圃場「ふるさとガーデン」を設置。見せ方に工夫を凝らし、社員が生物多様性への理解を深める“教材”としても活用しています。
東部研究所地区 生物多様性に配慮した緑地
東部研究所地区の正門近くに、生物多様性に配慮した緑地を設置しています。トンボなどが利用できる水場を中心に、地域在来の樹木などを植栽。付近にベンチを置くなど社員の憩いの場としての機能も持たせています。また、他地域にない特徴を持った滑川水系産の「鎌倉メダカ」を育成するなど、地域とのつながりを意識した管理に努めています。
神戸地区「チガヤ保護エリア」
敷地内でチガヤが見られる草地を「チガヤ保護エリア」に設定し、年間を通して維持・管理しています。定期的に水やりや刈り取りを行っているほか、夏には刈り取ったチガヤを近隣の三石神社に奉納し、「茅(ち)の輪くぐり」神事に活用していただいています。在来種を保全することは、ときとして地域の文化保護にもつながることを意識し、取組を継続しています。
三田地区「自然観察エリア」
地元の兵庫県立人と自然の博物館で、有識者とのダイアログを開催。いただいたご意見を基に、敷地内に「自然観察エリア」を設けています。エリアを半分に分け、片方には地域在来の野草を植えて草地として管理。もう片方には、ほとんど人の手を入れず、自然に任せて変化を観察しています。