入浴は一日の疲れを癒やすだけでなく、質の高い睡眠を促す大切な習慣でもあります。なぜなら、睡眠は体温と深く関わっているためです。人間には体温が下がると眠くなる性質があります。活動的に過ごす日中は高い状態に保たれていますが、夕方以降は少しずつ体温も低下。自然と眠りやすくなるのはこのためで、同じことが入浴でも起こります。温かいお湯に浸かると血行が促され、体温が上昇。入浴後には手足の末端から放熱が始まり、体温が徐々に下がって眠気が訪れます。夏場はシャワーだけで済ませる人も多いと思いますが、冷房や冷たい飲み物で身体はすっかり冷え切っています。夏こそ全身浴でしっかり身体を温めましょう。
睡眠の質を高める入浴のコツは、就寝の1~1時間半前に38℃~40℃のお湯に20分程度浸かること。ぬるめのお湯に浸かると、副交感神経が優位に働き、心身ともにリラックスします。熱めのお湯では心拍数や発汗量、呼吸数や血圧が上昇し、激しい運動をした後と同じ状態になってしまうため逆効果です。就寝前には適していません。それでも熱めのお湯に浸りたいなら、就寝の2時間以上前に入浴を済ませ、体温が下がる時間を確保しましょう。