SDGs(エス・ディー・ジーズ)は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択されました。世界共通の17のゴール(目標)と、目標ごとの169のターゲットから構成され、193の国・地域が2030年までに達成を目指す世界共通の目標です。
地球の資源は有限であり、このまま経済の繁栄だけを目指して、無制限に資源を使い続けていくといつかは限界に来る、そうならないように持続可能な社会システムを作り上げていこうという考えが根底にあります。まさに今、世界各国の政府から自治体、企業、学校、NPOなどの団体まで目標を設定して取り組む活動が広がっています。
*この記事は2019年8月の情報を元に掲載しています。
地球温暖化や気候変動、環境破壊、貧困など、地球の環境や社会の問題はより複雑に関わり合い、深刻化しています。SDGsは「環境・社会・経済」という3つの分野を統合し、世界で協力して解決していこうという考え方を具体化し、共通の枠組みを作ったことが大きな特徴です。
例えば、「貧困」という問題には、「気候変動の影響で干ばつが起きる→水や食料を巡って争いが起こる→立場の弱い人が水や食料を奪われる」など環境・社会・経済の問題が関連して起きています。それらを統合的に解決していこうというものです。ひとつの国や地域だけでは解決できない問題についてそれぞれが行動し、その根底には世代や国を超えて持続可能な社会システムを作り上げようという考え方があります。
また、SDGsは「誰一人として取り残さない」という考えのもと、それぞれの国や地域、企業が自発的に達成目標を決めて目指す「ボトムアップ方式」が取り入れられているので参加しやすいことも特徴です。条件がないのでどんな組織も自主的に取り組めるのです。毎年それぞれの国が進捗状況を発表し、国連が目標ごとの達成状況を報告しています。
SDGsはカラフルな17のメッセージアイコンで表現されていて、誰もが一目でわかり、誰もが使えるツールとして公開しています。目標は、たとえば「ゴール7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「ゴール11:住み続けられるまちづくりを」「ゴール13: 気候変動に具体的な対策を」など地球に住む私たちが今向き合わなければならない問題を網羅しています。
17の目標には、それぞれに具体的な行動が書かれた169のターゲットと、その成果を具体的に測るための232の指標が設定されています。たとえば、「ゴール14.海の豊かさを守ろう」ではプラスチックゴミを含む海洋汚染の防止や海の酸性化の防止、魚などの海洋資源を獲りすぎないことなど10のターゲットがあります。
国連広報センターではSDGs を17の目標ごとにわかりやすく紹介したチラシ「SDGsシリーズ なぜ大切か」を発行しています。それぞれの目標に対して、
・なぜこの目標が設定されたのか
・何が問題となっているのか
・取り組まなかったらどうなるのか
・私たちには何ができるのか
をわかりやすくまとめてありますので、詳しく知りたい方はご覧になってください。
スウェーデンは、2018年までSDGsの国際ランキング連続1位(2019年は2位)を獲得しています。そしてあのカラフルなメッセージアイコンをデザインしたのも実はこの国の方なのです。
というのもスウェーデンではSDGsが国連で定められる前から「2021年までに持続可能な社会を実現する」という国としての目標があり、それに向けてさまざまな政策が進められてきたのです。
たとえば、スウェーデンのルールのひとつに「地下から地上の資源に切り替える」というのがあります。これは石油や石炭などの地下に埋まった化石燃料は使わず、地上にある太陽、風、バイオマスなどの再生可能エネルギーを使うという意味です。実際、スウェーデンではゴミから作ったバイオガスで走るバスや風力から得られた電力で走る電車などを普通に目にします。そして、子どもから大人までこの環境循環に基づくサステナビリティ教育が行われています。
つまり、国だけでなく企業や業界、都市でも自分たちが世界の持続可能性のリーダーであり続けたいという強い思いがあり、それが国のブランドになると考え、本格的に国全体でSDGsを考え取り組んでいるのがスウェーデンなのです。