旬を楽しむ週に2回は作りたいやさしいお魚料理 2023年12月

週2回以上食べると健康に良いといわれるお魚料理。
さばかない、おろさない、
旬のお魚の簡単便利なレシピをご紹介します。
今回は12月に旬をむかえる「キンメダイ」をつかった料理など8つのお魚料理のメニューです。

メニュー分の食材

魚・魚介類
  • キンメダイ(切り身)4切れ(約400g)
  • サバ(3枚おろし)2枚(約300g)
  • サバ(切り身)2切れ(約200~250g)
  • カマス(3枚おろし)4枚(2尾分/約180g)
  • カマス(筒切り)2尾分(約200~250g)
  • サワラ(切り身)4切れ(約400g)
卵・乳製品
  • バター10g
  • 生クリーム1/2カップ
  • ピザ用チーズ40g
大豆製品
  • 西京みそ40g
野菜・キノコ・果実
  • キャベツ1/4個(約250g)
  • セロリ1本
  • カブ2個(約150g)
  • チンゲンサイ1株
  • 春菊50g
  • カリフラワー100g
  • サツマイモ150g
  • 長ネギ(みじん切り)1/3本
  • レンコン100g
  • タマネギ3/4個
  • 白菜キムチ70g
  • ディル2~3本分
  • 香菜2株(約40g)
  • ショウガ(みじん切り)20g
  • ショウガ(せん切り)10g
  • ニンニク1片
乾物・その他
  • 米麹甘酒(濃縮タイプ)40g
  • ゆず果汁小さじ2
  • オイスターソース大さじ1
  • キムチ漬け汁大さじ1
  • トマトケチャップ大さじ1/2
  • ナンプラー大さじ1/2
  • ゴマ油小さじ2
  • サフランひとつまみ
  • 白ワイン大さじ1と1/2
  • 赤ワイン大さじ1
  • ローリエ1枚
  • マスタード(粒なし)適量
  • 2合(300g)
  • 米粉適量
  • 青のり(乾燥)小さじ1/2
  • 黒七味小さじ1/4
  • 赤唐辛子1本
  • 大根おろし適量
  • ココナッツミルク1カップ(200g)
  • ハチミツ小さじ1
  • 片栗粉小さじ1/2

今月の旬の魚 金目鯛

キンメダイは名前に「タイ」とつきますが、タイ(鯛)の仲間ではなく水深200~800mの深海に棲む深海魚です。日本近海では主に太平洋沿岸で漁獲されます。暗い海の中でもよく見えるように、光を集めやすい大きな目が特徴的です。目には「タペータム」という光を反射する組織を持ち、わずかな光を集めて視界を保ちます。ネコの目が光って見えるのと同じように、目が金色に見えるため「金目鯛」と呼ばれるようになりました。
冬が旬のキンメダイは白身でクセが少なく、脂はほのかに甘さを感じる上品な味わいです。切り身は煮つけでいただくイメージがありますが、和・洋・中華のどのジャンルの料理にも合います。また、切り身の他に干物もあり、うま味が凝縮して焼いたり揚げたりしても、おいしく食べられます。

旬レシピ
キンメダイのポトフ
お肉やソーセージ、ベーコンと野菜で作ることが多いポトフをお肉の代わりにキンメダイを使ってつくりました。キンメダイと野菜のうま味たっぷりのスープが、体の芯から温める一皿となっています。マスタードをお好みで少し添えると良いアクセントになります。
旬レシピ
キンメダイの甘酒みそ焼き(カブのゆず甘酢漬け添え)
西京みそと甘酒を合わせた特製みそ床にキンメダイを寝かせて焼きました。ほんのり甘く、みその香ばしい香りが漂う一品です。焼きたてはもちろん、冷めてもおいしいのでお弁当のおかずにもピッタリです。

サバ

「サバ」は一般的に「マサバ」と「ゴマサバ」を指します。中でもマサバは、ゴマサバよりも漁獲量が多い日本近海の代表的な魚で、背中の模様が特徴的です。春の産卵期に向けて栄養を蓄え始める晩秋ごろが、最も脂がのっておいしくなる「旬」にあたります。1970年代では漁獲量が多く手に取りやすい魚でしたが、近年は漁獲量の減少やサバのブランド化が進み「大衆魚」とは言えなくなっています。ただ、養殖技術が向上し、陸の生け簀で育った「完全陸上養殖サバ」も出てきおり、サバをおいしく食べ続けられる環境ができつつあります。

中華風サバそぼろ丼
サバの身と長ネギをごま油で炒めることで香ばしく、オイスターソースでうま味も加えたごはんにピッタリのそぼろにしました。ごはんはショウガを入れて炊いたことで、さわやかな風味とピリッとした辛味が引き締め役となりサバそぼろとの相性も良いです。サバそぼろは作り置きもできるので、多めに作っておくと便利です。
サバのキムチ煮
いつものサバの煮つけとは一味違う、キムチ味の一品です。キムチの辛味を穏やかにするために加えたケチャップが隠し味です。辛味の中に少し甘酸っぱさが見え隠れする変わり煮つけとなっています。

カマス

カマスは、琉球列島を除く南日本から東シナ海・南シナ海の暖かい海に生息し、沿岸部の浅場などを群れで泳ぎます。カマスの仲間は世界に約20種、日本では9種が知られており、日本で一般的にカマスと呼ばれて市場に出回るのは、「アカカマス」と「ヤマトカマス」です。なかでも「アカカマス」はクセの少ない淡白な白身魚で、カマスの中では最も味が良いといわれています。身はやや水っぽいため煮つけなどよりは、開き干しにして水分を飛ばし、うま味を凝縮させると大変おいしいです。その他に焼き魚やフライなどにも向く魚です。

カマスのサフランクリームグラタン
白身のカマスに鮮やかなサフランクリームが映えます。チーズをちらして焼いたら、クリーミーでコクのある一品ができあがります。刻んだカリフラワーがアクセントにふっくらとしたカマスをいただきます。パスタや薄く切ったフランスパンにも合う一品です。
カマスの米粉揚げ 黒七味のり塩
米粉で作った衣で揚げたカリッとした食感がおいしいカマスの揚げ物です。筒切りのカマスに黒七味と青のりをふれば風味豊かな磯の香りがほんのりとする、香りも食感も楽しい一品になっています。

サワラ

サワラは、北海道南部から沖縄の広い範囲で漁獲できるサバ科の回遊魚です。魚偏に春と書いて「鰆(サワラ)」と読むことから春が旬と言われますが、回遊魚なので獲れる時期が地方によって異なり、旬は春と冬の2回あります。関西では春から初夏の産卵期に瀬戸内海で多く獲れる、白子や真子を食べる食文化もあるため旬となります。一方、関東やその他の地域は、冬の産卵期前の最も脂がのった時期に獲れるため冬が旬です。冬に獲れる「寒鰆」は、春に獲れるサワラよりも濃厚な味わいを楽しめます。

サワラとサツマイモのココナッツミルク煮
ナンプラーがアクセントの、ココナッツミルク煮です。淡泊なサワラにサツマイモとココナッツミルクの甘みが加わります。香菜がアクセントとなり、ナンプラーの塩味とうま味で料理を引き締め、風味豊かな一品となります。
サワラとレンコンの赤ワインしょうゆ蒸し
淡泊なサワラに、赤ワインのコクとしょうゆのうま味が絶妙です。赤ワインとしょうゆの相性はよく、料理の味に奥行きを作ります。また、ハチミツを使用しているので、もったりとした甘さととろみをつくり、ソースが料理全体に絡みます。

レシピ:小西 君枝(こにしきみえ)
料理家 / フードコンサルタント
女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。

2023.12.04