和食シリーズ企画第四弾 日本人の食卓―100年の歩みを辿る和食シリーズ企画第四弾 日本人の食卓―100年の歩みを辿る

#05 ― 家庭でプロ直伝の洋食を篇

「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されてから数年が経ちます。
「このままでは衰退する可能性がある食文化」とされた和食は、あれから歩みを前へと進めることができたのでしょうか。
2021年に創立100周年を迎えた三菱電機は、日本の暮らしとともに歩み続けてきました。
これからも家電メーカーとして日本の食文化に寄り添っていくために、
この100年間の日本人の食卓、そして家電の歩みを振り返り、次なる100年を考えていきます。

前回の上野精養軒での取材では、100年以上も前から変わらぬレシピで作り続けている洋食の基本ソース「ドミグラスソース」のお話を伺いました。様々な部位の牛肉や野菜をじっくり煮込んでは濾す作業を繰り返し、10日ほどかけて仕込むそうです。ビーフシチューやハヤシライスなどに欠かせませんが、家庭で再現するにはとてもハードルが高いソースです。だけど、多少手間が掛かっても本格的な洋食を作ってみたい!というわがままなリクエストに応えて富田高彦総料理長が教えてくれたのは、フランス料理「ブッフ・ブルギニョン」でした。

「対流煮込み加熱〈プラス〉」で、本格洋食も簡単に

手間の掛かる本格的な洋食をご家庭でなるべく簡単に作るには、調理家電の便利機能を活用しましょう。例えば、三菱IHクッキングヒーターの「対流煮込み加熱〈プラス〉」なら、鍋の中を自動でかき混ぜるので、おいしさがしみわたり、焦げつきも抑えます。

対流煮込み加熱<プラス>の機能はPT316シリーズのみ搭載。

多彩な加熱技でおいしさアップ、
三菱のびっくリングIH。


以下のレシピは、三菱IHクッキングヒーターを使用した作り方をご紹介しています。

牛肉の赤ワイン煮

「ブッフ・ブルギニョン」は、ブルゴーニュ地方の郷土料理「牛肉の赤ワイン煮」のこと。
この地方ではよく作られる家庭料理のひとつで、特別なテクニックは必要ありません。しかし、ドミグラスソースほどではないものの、時間をかけて肉がやわらかくなるまでコトコト煮込むことがおいしさに直結します。
牛肉は、バラや肩ロースなどの部位が向いています。昔のレシピには、肉を赤ワインと香味野菜などに漬け込む、という工程がありましたが、肉の質がよくなった現代では省略できるそうです。牛肉も香味野菜も焼いたり炒めたりしてから煮込みます。この時に、しっかりと焼き目や焦げ目をつけることが、ソースの色を濃くし、深い味わいにするポイントです。赤ワインによっては酸味が強いものもありますので、はちみつやジャムなどの甘みをプラスして味を調えてください。仕上げにバターと小麦粉を練り合わせた「ブール・マニエ」を加え、シチューらしいとろみをつけました。小麦粉の代わりに、溶けやすいコーンスターチや片栗粉を使っても良いでしょう。
盛り付ける際は、マッシュポテトや幅広のパスタを添えることが多いようですが、旬の野菜を使って季節感を盛り込むのが料理長のおすすめスタイル。今回は、マッシュルームと芽キャベツのベーコン炒めと、ゆでたミニキャロットを添えました。

【材料4人分】

牛塊肉(今回は肩バラ肉を使用) 600g
香味野菜  
玉ねぎ 1個
にんじん 小1本
セロリ 1/2本
にんにく 1かけ
赤ワイン 1本(750ml)
調味料とスパイス  
トマトピューレ 1/4カップ
顆粒コンソメ 小さじ1
白粒こしょう 小さじ1/2
ローリエ 1枚
はちみつ 小さじ1~2
ブール・マニエ (1/2~全量を使用)
バター 10g
小麦粉 大さじ1
塩、こしょう、小麦粉、油  

【作り方】

  1. 01
    材料を切る牛肉は12個に切り分け、塩小さじ1/4、こしょう少々をふり、小麦粉を薄くまぶす。
    香味野菜は1.5cm角、5mm厚さ程度のざく切りにする。
  2. 02
    牛肉を焼くフライパンを【予熱モード190℃】で熱し、【火力5】にして油大さじ2を熱し、牛肉を入れて全面にしっかりと焼き目をつけ、煮込む鍋に移す。
  3. 03
    香味野菜を炒める[02]のフライパンに香味野菜を入れて【火力6】にし、ときどき混ぜながら薄い焦げ目がつくまでしっかり炒め、煮込む鍋に移す。
  4. 04
    煮込む鍋に赤ワインを加えて【火力6】で軽く煮立て、【火力4~3】にして丁寧にアクを除きながらアルコール分がとぶまで軽く煮立てながら30分ほど煮る。牛肉が液面から出る場合は水適量を加える。
    調味料とスパイスを加えて混ぜて蓋をし、【煮込み2~1】でときどきアクや浮き脂を除きながら牛肉がやわらかくなるまで2時間ほど煮る。
  5. 05
    調味する[04]の牛肉を取り出す。煮汁を小さめの鍋にざるなどでこし入れ、牛肉を戻し入れる。
    味をみて、はちみつで甘味を加え、塩・こしょう各少々で味を調える。
    蓋をし、【煮込み3~1】で10分ほど静かに煮る。
  6. 06
    仕上げるやわらかく練ったバターに小麦粉を練り混ぜてブール・マニエを作り、火を止めてから少量ずつ散らして溶かし混ぜる。
    【火力3~2】にし、ときどき混ぜながら5分ほど煮てとろみをつける。

今回の料理に合うお米として選んだのは…「だて正夢」

2018年に本格デビューをしたお米で、もちもちとした食感と甘みの強さが特長です。
弾力のある低アミロース米は、しっかりした味付けの料理に合うといわれています。今回のメニュー「牛肉の赤ワイン煮」やドミグラスソースを使った料理にぴったり。
本炭釜 KAMADOの銘柄芳潤炊きモードで、炊飯するとおいしく炊き上がります。

圧力をかけずに、
一粒一粒、丁寧に炊き上げる。
かまどごはんの味を再現した
最上位モデル。


ご家庭でもちょっと手間を掛ければ作れる本格洋食煮込み料理。
ハレの日などに是非作ってみてください。
次回のテーマは、今では一般的な日本の家庭料理ですが、100年前はあまり馴染みのない料理だった、とんかつなどのフライ料理について、上野「ぽん多本家」さんにお話を伺います。

2019.01.28

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