旬を楽しむ週に2回は作りたいやさしいお魚料理 2024年6月

週2回以上食べると健康に良いといわれるお魚料理。
さばかない、おろさない、
旬のお魚の簡単便利なレシピをご紹介します。
今回は6月に旬をむかえる「イワシ」をつかった料理など8つのお魚料理のメニューです。

メニュー分の食材

魚・魚介類
  • イワシ(三枚おろし)6枚(3尾分/約140g)
  • イワシ(開いたもの)4尾(約180g)
  • メバル(煮付け用)2尾(約400g)
  • メバル(三枚おろし)4枚(2尾分/約160g)
  • スズキ(切り身)4切れ(約400g)
  • ブリ(切り身)4切れ(約400g)
卵・乳製品
  • 粉チーズ大さじ1と1/2
野菜・キノコ・果実
  • ズッキーニ1/2本
  • トマト1個(約150g)
  • 青ジソ6枚
  • 新ショウガ15g
  • オクラ6本
  • ロメインレタス100g
  • キュウリ1/2本
  • ナス2本(約160g)
  • 生キクラゲ30g
  • ミョウガ2個
  • グリーンアスパラガス4本(約100g)
  • 万能ネギ4本
  • 長ネギ1/3本
  • ニンニク2片
  • ニンニク(すりおろし)小さじ1/4
  • 香菜適量
乾物・その他
  • パン粉10g
  • クミン(パウダー)小さじ1/4
  • 300g(2合分)
  • 実山椒の佃煮10g
  • 白ワイン大さじ2
  • 米粉30g
  • 炭酸水1/2カップ
  • マヨネーズ大さじ2
  • レモン汁大さじ1/2
  • ウスターソース小さじ1/3
  • トウチ小さじ1
  • ハチミツ小さじ2
  • 練り辛子小さじ1/2
  • 梅干し1個(正味12g)
  • だし汁大さじ1と1/2
  • 赤唐辛子(小口切り)1本分
  • ゴマ油大さじ1
  • ターメリック(パウダー)少し
  • 小麦粉適量
  • 粗挽き黒コショウ適量

今月の旬の魚 イワシ

「イワシ」と一般的に呼ばれるのは、ニシン科のマイワシ、ウルメイワシとカタクチイワシ科のカタクチイワシの3種類で、中でも「マイワシ」はイワシの代表格です。
マイワシは海の表層域に大群で生息している回遊性の海水魚で、春から夏は餌を求めて日本の沿岸に沿って北上します。マイワシは太平洋側の産地が有名ですが、日本海側も「対馬暖流系群」という系群があり、北海道から九州までの広い海域を回遊しています。広く分布しているので、地域により漁獲時期にずれはありますが、初夏~秋頃が旬といわれています。6月~7月頃に各地で獲れるマイワシは「入梅イワシ」と呼ばれ、脂がのった旬のイワシとして親しまれています。特に千葉県銚子で獲れたものが有名です。

旬レシピ
イワシとズッキーニとトマトのパン粉焼き
カリっと焼けたスパイスパン粉の表面の食感がよい一品です。旬のイワシは脂がのっており、個性の強いスパイスにも負けない味わいです。加熱したトマトは、ほどよく水分が抜けて柔らかくソース状になっていて、イワシとズッキーニによく絡みます。
旬レシピ
イワシのかば焼き丼
脂ののったイワシと甘辛いかば焼きのタレの組み合わせが食欲をそそります。米と一緒に炊き込む実山椒の佃煮は濃い目の味付けのものを使うと、ごはんが炊き上がった時にふんわりと山椒の香りが立ち上がり、よりかば焼きとごはんの相性が良くなります。

メバル

メバルは漢字で書くと「眼張」と書くように、大きな目が特徴の魚です。地域によっては「メバリ」、「メバチ」、「ハチメ」などと呼ばれ、目にちなんだ呼び名が多くあります。「メバル」は一般的に「アカメバル」、「クロメバル」、「シロメバル」の3種類の総称で、以前は、この3種は同じ魚で生息環境により体色や体長に違いが出ていると考えられていました。しかし近年、遺伝子解析によって3種は別々の種であることがわかり図鑑や書籍では名称を変更していますが、今でも市場などでは「メバル」と呼ばれていることが多いです。

メバルの煮付け
メバルはクセが無く淡泊な味わいが特徴です。調味液をしっかりとしみ込ませて煮た身は、お箸で簡単にほぐせます。今回は旬の新ショウガをスライサーで薄く切って食べやすくなっていますので、箸休めにメバルの煮つけと一緒にいただくのもおススメです。
メバルとオクラの中華風フリット
フリットの衣に米粉と炭酸水を使うことで、カリっと口当たりの軽い衣になります。万能ネギを使ったネギダレは、酢を効かせているのでフリットの揚げ油のしつこさを気にせずにいただけます。つい、もう一つと手が伸びる一品です。

スズキ

スズキは主に北海道以南の沿岸に生息している食欲旺盛な大型魚で、体長が1mに達することもあります。出世魚としても知られており、関東では20~30cmを「セイゴ」、40~60cmを「フッコ」、それ以上を「スズキ」と呼びます。
スズキは白身の魚で、タイに似た柔らかい身とクセのない食味が特徴です。カルパッチョやムニエル、ポワレなどの洋食に使用されることも多いですが、和食では刺身や焼物など、中華ではあんかけや蒸し物など様々な料理に利用されています。

スズキのグリルとロメインレタスのシーザーサラダ
淡泊でさっぱりしているスズキをグリルでふっくらと焼き、旬のロメインレタスとキュウリを合わせてサラダにしました。合わせるドレッシングは濃厚なシーザードレッシングですが、隠し味にウスターソースを使い、通常よりもこってりとした風味とコクが加わって「主菜」にもなるサラダとなっています。
スズキとナスの中華マリネ
スズキは小麦粉をつけて焼くことで、表面がしっかりとして歯触りを楽しめます。ナスは加熱すると、とろけるような食感になるのでスズキと食感の違いを味わえます。中華マリネ調味料には練り辛子を加え、キレのある辛みを隠し味にしています。発酵食品でもあるトウチを使い、味に深みを出しました。

ブリ

ブリは日本列島の沿岸から東シナ海にかけて季節回遊する回遊魚です。天然のブリは脂ののった冬が旬といわれていますが、養殖が盛んに行われているため、1年を通して安定的に市場に出回っています。
養殖ブリも天然ブリと同様に、産卵後は産卵前よりも脂が少し落ちてさっぱりした味わいになります。最近では技術の向上やエサの改良により、産卵時期の変更や生育期間の短縮などが可能になり、脂ののったブリを通年で楽しめるようになっています。

ブリの酒蒸し ミョウガ梅ダレ
酒蒸しにすることによりブリの臭みを和らげ、うま味を引き出しています。ミョウガと梅を合わせたタレで、ブリの脂が気にならないくらい、さっぱりとした味に仕上がります。食欲が落ちがちな気候の時にもってこいの一皿です。ブリの身の白色とタレの赤色のコントラストが、見た目にも鮮やかです。
ブリとアスパラのペペロンチーノ
夏でも脂ののった種類がある養殖ブリは、身がしっとりしています。ブリの身としゃきっと歯ごたえのあるアスパラがよく合います。今回はニンニクと唐辛子が効いたオリーブ油でブリを炒めました。香ばしいニンニクの香りが食欲をそそります。そのままいただくだけでなく、スライスしたフランスパンにのせても美味しいです。

レシピ:小西 君枝(こにしきみえ)
料理家 / フードコンサルタント
女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。

2024.06.03