週2回以上食べると健康に良いといわれるお魚料理。
さばかない、おろさない、
旬のお魚の簡単便利なレシピをご紹介します。
今回は9月に旬をむかえる「サバ」をつかった料理など8つのお魚料理のメニューです。
メニュー分の食材
- 魚・魚介類
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- サバ(切り身)2切れ(約200~250g)
- サバ(三枚おろし)1~2枚(約200g)
- タチウオ(切り身)5切れ(約450~500g)
- カジキ(切り身)4切れ(約400g)
- ブリ(切り身)4切れ(約400g)
- 卵・乳製品
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- 卵3個
- バター25g
- 牛乳大さじ1
- パルメザンチーズ大さじ1
- 大豆製品
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- みそ大さじ1と1/2
- 野菜・キノコ・果実
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- シメジ1/2パック(50g)
- ミョウガ3個
- インゲン50g
- ズッキーニ1/2本(約90g)
- 青唐辛子1~2本
- サツマイモ200g(1本)
- ナス1本(約60g)
- バジルの葉1パック分(正味約12g)
- モロヘイヤ1/2袋(正味約25g)
- 長ネギ1/2本
- ニンジン1/4本(約50g)
- タマネギ3/4個
- ショウガ(薄切り)2枚
- ショウガ汁小さじ1/2
- ニンニク(薄切り)1片分
- ニンニク(みじん切り)小さじ1
- レモン(くし切り)適宜
- イタリアンパセリの葉(粗刻み)適宜
- クレソン適宜
- 乾物・その他
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- 練り白ゴマ大さじ1
- ゴマ油大さじ1と1/4
- オイスターソース小さじ1/2
- レモン汁大さじ1/2
- 米300g(2合分)
- 白ワイン小さじ2
- グリーンオリーブ(種無し)50g
- 高菜漬け40g
- ポルチーニ(乾燥)20g
- 米粉20g
- ドライハーブミックス小さじ1/2
- 粗挽き黒コショウ小さじ1/4
- だし昆布(5cm角)1枚
- ローリエ1枚
- クミン(パウダー)少し
- ホワジャオ(パウダー)少し
- ガーリックパウダー少し
- 小麦粉適量
- パン粉(細挽き)適量
- 糸唐辛子適宜
サバは古くから日本人になじみのある魚で、奈良時代や平安時代には献上品として現在の福井から京都に運ばれ、サバを運ぶ街道は「鯖街道」と呼ばれていました。朝獲れたサバに塩をふって、福井から京都までの80kmほど、現代では車で2時間ほどの距離を担いで一昼夜かけて運んでいました。京都に着くころには塩がなじみちょうど良い塩加減になっていたといわれています。
現在、サバの漁獲量が減ってきており、大衆魚の代表だったサバも高級魚になりつつありますが、養殖技術の向上によって「養殖サバ」が食卓に上る機会が増えてきています。エサによる差別化や特別な養殖法など地域の特色を生かした方法で、養殖サバをブランド化している地域もあります。
- サバのゴマみそ煮
- 和食の代表格ともいえるサバのみそ煮にひと工夫を加えた一品です。練り白ゴマを加えることによって、タレの口当たりを良くし、コクのある濃厚なサバ味噌煮にしました。お箸でほぐして、タレを絡めながらお召し上がりください。
- サバとミョウガのソテー
- 脂がのっているサバとミョウガは相性抜群です。大きめに切ったミョウガの食感とさっぱりした調味料がサバに合います。調味料はレモン汁を使用していますが、加熱することでまろやかになりますので、酸味が苦手な人でも美味しくいただけます。アクセントとして最後にクミンパウダーをふり、ほんのりとスパイシーな香りをつけました。
タチウオは北海道以南の日本の沿岸に分布し、海岸部の表層~水深400m前後の海底に群れで生活しており、頭を上にして泳ぐ姿が特徴的です。全身のウロコは無く、銀色で光沢のある「グアニン」という成分で覆われているので、泳ぐ姿がキラキラと輝いて見えます。グアニンは体を保護する役割がある一方で、はがれやすく繊細な対応が必要なため、タチウオは養殖が難しい魚です。
雄よりも雌の方が成長は早く、3年で体長が30~35cmほどになります。体長の他に体高(背中から腹まで)も重要で、漁業の世界ではタチウオの体高を測る時、「指○○本分」と表します。
- タチウオのポルチーニピラフ
- タチウオのあっさりした白身に合うよう味のバランスを整えました。ポルチーニの香ばしい濃厚な香りと強いうま味、バターで炒めた野菜がピラフの味にメリハリをつけます。タチウオのうま味が楽しめるピラフです。
- タチウオとズッキーニのスープ
- タチウオは日本だけでなくアジア各国でも親しまれている魚です。今回は、クセの少ないタチウオと夏野菜のズッキーニをすっきりした辛味のある韓国風のスープにしました。赤唐辛子よりも辛味が弱く、清涼感のある辛味が特徴の青唐辛子を使います。
カジキはスズキ目メカジキ科とマカジキ科に属する海水魚の総称で、成長すると4mにもなる大型魚の一つです。大きな特徴は、「吻(ふん)」という長い剣のような上顎(あご)や海中での泳ぐスピードなどで、最も速く泳ぐ魚としてギネスブックにも登録されています。また、メカジキは昼間に深海に潜ることも知られており、最大800m付近まで潜水してエサを獲ります。メカジキの頭には目と脳を魚類では数少ない19~28℃くらいに保つ機能がついているため、水温が低く暗闇の深海でもエサを探し出すことができるそうです。
- フライドカジキ
- 大人気のフライドチキンを鶏肉ではなく、カジキで作りました。カジキの脂とハーブミックスをきかせた衣が、まるでお肉を食べているかのような感覚です。サクサクとした衣も食べて楽しい一品です。おかずだけではなく、スナックとしてもおススメです。
- カジキの高菜炒め ふわとろ卵添え
- カジキはほかの具材とまとまりやすくするために角切りにしています。旬のナスがカジキの脂や高菜の塩分を吸って料理に一体感を出します。卵は味付けをしていないので、しっかりと味つけをしているカジキの高菜炒めと一緒にいただくことでちょうどいい塩梅となります。
ブリは養殖技術の発展により、1年中食卓に並ぶようになりました。その多くは、モジャコと呼ばれるブリの稚魚から育てられています。「モジャコ漁」は、黒潮の流れに沿った西日本の太平洋側に面した県を中心に行われ、県知事の特別な許可が必要です。モジャコは海を漂う流れ藻などを隠れ家にしているため、海藻ごとすくい取る漁法が主です。しかし、モジャコの漁獲量が養殖量に大きく影響するため、供給が安定しないという課題があります。現在では、親魚から採卵して育て上げる完全養殖技術も開発され、持続可能で高付加価値なブリ養殖が進んでいます。
- ブリのイタリア風カツレツ
- カツレツは薄切り肉もしくは肉をたたいて薄く伸ばして作る料理です。今回はブリをめん棒でたたき、薄く伸ばしています。細挽きのパン粉をまぶし、オーブン焼きにすることで少量のバターでもサックリと仕上がります。添えているバジルソースの清々しい香り、オリーブの塩味とブリにふりかけたパルメザンチーズのコクがポイントの一品です。
- ブリの中華風モロヘイヤソース
- 焼いたブリにホワジャオをふることで、和風の焼き魚から香りと程よいしびれがある中華風の焼き魚に変わります。モロヘイヤは加熱すると独特の粘りが出るので、その粘り気で調味料をまとめます。オイスターソースやゴマ油のコクをまとった中華風のソースがブリに合う一品です。
- レシピ:小西 君枝(こにしきみえ)
- 料理家 / フードコンサルタント
女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。
2024.09.02