週2回以上食べると健康に良いといわれるお魚料理。
さばかない、おろさない、
旬のお魚の簡単便利なレシピをご紹介します。
今回は10月に旬をむかえる「サンマ」をつかった料理など8つのお魚料理のメニューです。
メニュー分の食材
- 魚・魚介類
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- サンマ(頭と内臓を取り除いたもの)5尾(約450g)
- イワシ(三枚おろし)6枚(3尾分/約140g)
- イワシ(頭と内臓を取り除いたもの)3~4尾(約250g)
- 生鮭4切れ(約400g)
- むきエビ80g
- イナダ(刺身)120g
- イナダ(刺身用/柵)200g
- タラコ1/2腹(約40g)
- 卵・乳製品
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- バター20g
- 牛乳1カップ
- 大豆製品
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- 木綿豆腐1丁(約175g)
- 野菜・キノコ・果実
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- 舞茸1パック(100g)
- ニンジン1/3本(約70g)
- レンコン120g
- セロリ1/2本(約40g)
- 里芋1~2個(約150g)
- 椎茸2個
- 食用菊1パック(約90g)
- スダチ1個
- エノキ茸50g
- チンゲンサイ1株(約130g)
- イタリアンパセリ3~4本
- 長ネギ2/3本
- ニンニク(みじん切り)小さじ1
- ニンニク(すりおろし)小さじ1/3
- ショウガ(みじん切り)小さじ1
- ショウガ(針ショウガ)適量
- 万能ネギ(小口切り)適量
- 万能ネギ(斜め切り)適宜
- セロリの葉(刻み)適宜
- 乾物・その他
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- 米300g(2合分)
- だし汁2/3カップ
- ほうじ茶の茶葉5g
- いり白ゴマ大さじ1
- ケイパー小さじ1
- 白ワイン大さじ2
- 焼き海苔1/2枚
- トウチ小さじ1
- 黒酢大さじ1
- ローリエ1枚
- 米粉大さじ2
- 煮干し15g
- ゴマ油小さじ1/2
- 韓国唐辛子粉小さじ1/4~1/3
- 栗(甘露煮)40g(約3~4個)
- オイスターソース小さじ2
- 小麦粉適量
- 片栗粉適量
- 粗挽き黒コショウ適量
サンマはサンマ科の魚で、秋の味覚を代表する魚の一つです。体が細長く、背側が青黒く、腹側が銀白色の輝きをみせることから、刀を連想させるため、「秋刀魚」の漢字が当てられたと言われています。
サンマは胃を持たない魚(無胃魚)で、食道や腸が一直線になっています。そのため食べたエサの消化時間は通常の胃を持つ魚よりも短く、常に空腹の状態が続くといわれています。サンマのエサは動物プランクトンで、現在は好みの種類の動物プランクトンをより多く食べることがわかっています。その中の1種類はサンマの大きさや脂のりに関して重要な要素になっていることも判明しました。サンマはこのエサを追ってエサの豊富な北の海へ北上していきます。これを「索餌回遊(さくじかいゆう)」と言います。近年の漁獲量の減少や小型化は、これらのプランクトンの減少が原因ではないかともいわれています。
- 焼きサンマの茶飯
- サンマはグリルで別に焼いて、大きめに身をほぐすことで食べごたえのある混ぜごはんとなっています。身をほぐす時に骨をとり除くので、お子様にも食べやすくなっています。お米をほうじ茶で炊くので、ほのかなお茶の香りと香ばしさが食欲をそそります。
- サンマのグリルと舞茸ソテー
- サンマの塩焼きに、旬の舞茸を使って、いつもとは一味違う一品にしました。舞茸はバターとニンニクで味付けし、旬のサンマに負けない味にしました。粗く刻んだケイパーがコクのある味付けを引き締めます。海と山の旬を一度に味わえる一皿となっています。
日本でイワシというと「マイワシ」を指します。2023年度の統計によると日本で一番多く獲れたのはマイワシで、日本の漁業を代表する魚と言えます。マイワシは北海道以南から九州まで広く分布し、季節回遊しているので一年を通して各地で漁獲されます。夏~秋に北の海で獲れるイワシはエサを多く食べるため、他の海域で獲れるものに比べて脂がのっています。イワシは体が細長く、背側が青緑色で、腹側は銀白色をしており、体側に黒い斑点が一列に並んでいるのが特徴です。このため「ナナツボシ」と呼ばれることもあります。
- イワシのかき揚げ
- 脂ののったイワシをかき揚げにしました。かき揚げのタネに焼き海苔を混ぜることで磯の香りが加わり、素材の味を引き立てます。イワシの脂と旬の甘いニンジンが合う一品です。揚げたてをお楽しみください。
- イワシとレンコンの中華煮
- イワシの煮物というと、ショウガ煮や梅煮が多いですが、今回は中華風の煮物にしました。味付けは黒酢とトウチで、食感のよい旬のレンコンを一緒に煮ました。煮物は難しいというイメージが強いですが、フライパンで手軽にできるレシピになっていますのでぜひお試しください。
鮭はサケ属の魚で、川でふ化した鮭の稚魚は数年海で生活をし、再び生まれた川に戻って産卵をします。産卵時には水温変化が少なく、湧水のある砂利の川床を選びます。鮭のふ化は水温が大きく関係し、産卵後、川の1日の平均水温を足した合計が480℃を超えるタイミングでふ化するといわれています。鮭はふ化してもすぐには動かず、川床でじっとしています。栄養が詰まったヨークサック(栄養嚢)をふ化した時から持っているので、2ヶ月ほどはヨークサックの栄養に頼って成長します。ヨークサックが体内に吸収された頃には自分でエサを獲れるようになり、海を目指して川を下ります。鮭が次に生まれた川に戻るのは3~4年後です。
- 鮭とエビのクリームシチュー
- 生鮭とエビ、旬の野菜を使った具沢山のシチューです。米粉で作るホワイトソースの材料を別で混ぜ合わせてからお鍋に加えることで、ダマになるのを防ぎ、滑らかな仕上がりになります。米粉を使用すると、さらりとした口当たりのシチューになるので通年美味しくいただけます。
- 鮭の焼き浸し
- 生鮭を焼いて、調味液に漬けて焼き浸しにしました。焼きたてを調味液に漬けることで味が中までしっかりとしみ込み、ごはんがすすむ一品となっています。スダチは果汁だけでなく、丸ごと食べていただくことができ、さっぱりとした秋の風味を楽しめる一品となっています。
イナダは出生魚のブリの若魚の呼び名で、体長約35~60cmのものを指します。ブリの成長スピードでは約2~3年目ほどでこのサイズになり、約80cm以上の「ブリ」と呼ばれるサイズになるまで5年ほどかかります。ブリの若魚には地方により様々な呼び名があり、関東では「イナダ」、関西では「ハマチ」、北陸では「フクラギ」と呼ばれています。イナダはブリと比べて脂身が少なく、味わいもあっさりとしているのでカルパッチョや漬け、ソースでいただくお料理に使われることが多いです。
- イナダと豆腐の重ね蒸し タラコあん
- イナダの刺身と豆腐を蒸して、あっさりとした一品にしました。レンジ加熱で手軽にできる蒸し物で、魚の種類を変えても楽しめます。味付けもいろいろ試していただけますが、今回は「タラコあん」を合わせました。辛味が弱い韓国唐辛子を使い、全体的にマイルドな仕上がりにしています。
- イナダとチンゲンサイと栗の中華炒め
- イナダの食感と、しゃきしゃきとしたチンゲンサイの食感がバランスよく楽しめる一品です。今回は中華風の甘辛味にしました。合わせ調味料の粗挽き黒コショウが全体の味を引き締め、甘露煮の栗の甘みが程よいアクセントになっています。
- レシピ:小西 君枝(こにしきみえ)
- 料理家 / フードコンサルタント
女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。
2024.10.01