お子さんの笑顔や運動会での勇姿、愛犬や街で見かけた猫たちのしぐさ。
可愛らしくてついカメラを向けたくなりますが、
こうした「動く被写体」はブレたり動いたりと、撮影も大変。
ベストショットを撮るコツを、プロカメラマンの龍腰雄二さんに伺います。
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- 第3回 私にぴったりのカメラは? Nikonさんに聞きに行こう!(後篇)
- 2014/11/21
- 第4回 プロのカメラマンが伝授! 撮影の基本を学ぼう① ~光を味方につける~
- 2014/12/11
- 第5回 プロのカメラマンが伝授! 撮影の基本を学ぼう② ~構図の基本をマスター~
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- 第7回 実際に撮影してみよう!① ~料理篇~
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- 第8回 実際に撮影してみよう!② ~ペット篇~
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編集部員 F(女性)
料理はつくるのも食べるのも大好き! おいしそうなフード写真をSNSで共有したい。
編集部員 S(女性)
自慢の愛犬の姿をたくさん写真に残したい! でもよく動くからベストショットが撮れない…。
編集部員 C(女性)
孫が生まれたことで、息子たちが小さかった頃のカメラ熱が再燃。また成長記録を残したい!
編集部員 H(男性)
趣味はルアーフィッシング。水や汚れに強いタフなカメラで日々の釣果を記録したい。
龍腰雄二さん
広告写真家。日本広告写真家協会会員。
ふだんはポスター、カタログ、雑誌など、広告媒体の撮影を中心に活動。
仕事の合間に世界各国を取材旅行。
現在は、ギリシャの猫たちをライフワークとして撮影。
日本産業広告賞、APA賞ほか受賞多数。
- 編集部
- 今回は「動く被写体」の撮り方について教えていただきます。
- S
- 愛犬が元気に動き回る写真をうまく撮りたいので、ぜひアドバイスをお願いします!
- 龍腰さん
- はい。とはいえ、動くものを撮るのってけっこう難しいんです。とくに動物はなかなかいうことを聞いてくれませんし……。僕も旅行先で猫の写真をよく撮るんですが、肝心なのは粘り。気持ちが通じ合うまで、猫じゃらしとか使って2~3時間遊んだりすることもあります。
- S
- ああ、やっぱり馴れるまでは時間がかかるんですね。
- 龍腰さん
- ええ、でもいい表情やポーズを撮りたいので、とにかくコミュニケーションを図る。で、どうしてもダメなら、最後は餌で釣ると(笑)
- H
- 構図が決まるまではどうしているんですか?
- 龍腰さん
- 場所やアングルを変えながら、何度もシャッターを切ってますね。ワンカットに20~30枚は撮ります。
- F
- 躊躇せず何枚も撮れるのはデジカメやミラーレス一眼のいいところですよね。失敗したら消せるので気楽に撮れます。
- 龍腰さん
- モニターですぐ確認できるのもデジカメの強みです。だからみなさんも、動く被写体を撮るときはとりあえず何枚か撮ってみてください。その中からベストな一枚を選べばいいのですから。
何時間も粘った挙げ句に撮れた奇跡の一枚、“猫マンション”。今は写真の合成や加工技術も進んでいるが、フレームの中で絵が完成した瞬間は感動モノ。その一瞬を求めてじっくり何枚も撮影する楽しみを味わってみよう。
- C
- 動く被写体といえば、その最たるものが子どもの運動会。何度シャッターを切っても、これだ!っていう一枚がなかなか撮れないんですよねえ。
- 龍腰さん
- そういうときは連写しちゃいましょう。ミラーレス一眼なら、コンデジよりも優れた高速連写機能を持つ機種も多いので、これを使わない手はありません。シャッターを押しっぱなしにしておけば、自動でピントを追尾して、1秒間に10~20コマの瞬間を捉えてくれます。
- S
- これ便利ですよね。しかもこの「Nikon 1 J4」ならベストショットを自動で選んでくれる機能まである。
- C
- へえ。でも子どもや孫の写真なら、何十枚でも全部取っておきたい!
- H
- 連写するほどじゃないけれど、遊んで動き回る子どもを撮るのに最適な設定ってありますか?
- 龍腰さん
- 感度を高くしてシャッタースピードを上げるのがいちばんですね。「シャッタースピード優先AE」を使うのが手っ取り早いです。
- F
- シャッタースピードを自分で決めたら、カメラが自動的に露出の絞り値を設定してくれるモードですよね。シャッタースピードを変えるとどんな効果があるのか、あらためて教えていただけますか?
- 龍腰さん
- 高速で動く被写体に対しては、シャッター速度を速くすることで対象がブレず、輪郭を鮮明に写すことができます。逆に、シャッタースピードを遅くすると動く被写体の軌跡を表現できるので、水流や星の動きを撮りたいときに向いています。
- S
- プログラムオートも簡単で便利だけれど、自分でいじれるところは少しずつ工夫したほうが、おもしろい写真が撮れそうですね。
こちらも粘っているうちに偶然撮れた一枚。シャッタースピードを速くすることで、ジャンプしている猫の輪郭もブレず、キレイに撮れる。
- F
- 動く被写体とはちょっと違うんですが、女性をキレイに撮るコツってありますか?
- 龍腰さん
- スタイルをよりよく見せるテクニックとして、おへそから体をひねって上半身だけ正面を向いてもらうというのがあります。また、背景をボカして目にピントを合わせると可愛く撮れますよ。
- C
- いいことを聞きました! 編集部でも今度試してみます。
- H
- 僕は釣った魚をよくiPhoneで撮るんですが、スマホのカメラ機能ってどうですか?
- 龍腰さん
- スマホ撮影は僕もよくやりますね。ただ釣った魚の大きさを表現したい場合は、広角レンズを使ったほうがワイド感が出ます。スマホではレンズ径が小さいので集光力は足りませんし、性能的にも当然ミラーレス一眼よりは劣ります。とはいえ、加工アプリが充実しているので修正や編集もできるし、それなりの楽しみ方はできると思いますよ。
- S
- 実際、スマホのおかげで写真が身近になったという人も多いですしね。
- C
- 私もその口です。でもせっかくミラーレス一眼を買ったんだから、もっと使いこなせるようになりたいな。
- F
- じゃあ、次回は野外撮影に挑戦してみましょうか?
- 全員
- 賛成!
iPhoneで撮影した赤ちゃんの写真。アングルを寝ている子どもの目線まで下げて、手のアップで可愛さを表現。ボカシ加工やトイカメラ風のエフェクトなど、スマートフォンでできることも意外と多い。
次回は、いよいよ実践篇!
(つづく)
2015/1/13