部員たちがカメラを持って出かけ、思い思いの写真を撮る実践篇その2。
今回は女子部員Sが、丸一日かけて愛犬のベストショットを狙いました。
さて、プロカメラマンの龍腰雄二さんの評価は?
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- 第3回 私にぴったりのカメラは? Nikonさんに聞きに行こう!(後篇)
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- 第4回 プロのカメラマンが伝授! 撮影の基本を学ぼう① ~光を味方につける~
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- 第5回 プロのカメラマンが伝授! 撮影の基本を学ぼう② ~構図の基本をマスター~
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- 最終回 撮った写真をみんなで一緒に大画面で楽しもう ~三菱液晶テレビREALで鑑賞会~
編集部員 F(女性)
料理はつくるのも食べるのも大好き! おいしそうなフード写真をSNSで共有したい。
編集部員 S(女性)
自慢の愛犬の姿をたくさん写真に残したい! でもよく動くからベストショットが撮れない…。
編集部員 C(女性)
孫が生まれたことで、息子たちが小さかった頃のカメラ熱が再燃。また成長記録を残したい!
編集部員 H(男性)
趣味はルアーフィッシング。水や汚れに強いタフなカメラで日々の釣果を記録したい。
龍腰雄二さん
広告写真家。日本広告写真家協会会員。
ふだんはポスター、カタログ、雑誌など、広告媒体の撮影を中心に活動。
仕事の合間に世界各国を取材旅行。
現在は、ギリシャの猫たちをライフワークとして撮影。
日本産業広告賞、APA賞ほか受賞多数。
- 編集部
- 今回は編集部員Sが、可愛いワン子の写真をたくさん撮ってきました。龍腰先生、今日もアドバイスよろしくお願いします!
- S
- 第6回で教えていただいた「動く被写体を撮るコツ」をがんばって実践してみました。
- 龍腰さん
- 基本をきっちり守って撮ってますね。正直、上手すぎてツッコミどころがない......。
- S
- ほんとですか? 嬉しい! でもうちの子、カメラ慣れしてないので、なかなかリラックスしてくれなくって。いい顔が撮れるまでものすごく時間がかかりました。
- 龍腰さん
- たしかに最初のほうは不機嫌な顔してますね(笑)。でもこれはこれで可愛い。構図もきっちり収まってて余計なものが入っていない分、純粋に犬の表情を楽しめる一枚です。
- S
- ボールで遊んであげてるうちにようやく自然な表情が出てきましたが、動物を撮るのって、かなりの辛抱強さが必要なんですね。
ポイント①
遊んで緊張をやわらげることで自然な表情をキャッチ!
撮影し始めの時点ではまだ表情がほぐれていない。でもアングルの妙も相まって、その不機嫌そうな顔にうまくフォーカスできた面白い写真に。
ボールで遊ぶうちにリラックスした表情に。雰囲気はよく出ているが、目線が外れてしまったのが残念。ペットも人物も、目が写っているかどうかは重要なポイント。
表情がさらにやわらかくなり、楽しそうな様子が伝わってくる。左上を空けることで原っぱ感がよく出てるし、犬が空を見上げるアングルも可愛らしい。
- F
- この首をかしげてるワンちゃんの写真、可愛いですねー。
- 龍腰さん
- うん、これはいい写真。こんな自然で愛らしい表情は何枚も撮らないと出てこないですよね。ある意味、決定的瞬間を捉えた一枚といえます。
- S
- ありがとうございます。私もワン子も慣れてきたところで、いろんな構図やアングルを試してみたうちのひとつなんですよ。これはど真ん中にワン子を置いて撮ってみました。
- 龍腰さん
- 被写体は真ん中にいるけど、背景の浜辺のラインが斜めに走っていて、それがかしげた首の角度とぴったり合っているのが気持ちいいですね。
ポイント②
いろんな構図・アングルから魅力的なしぐさを探る①
真ん中配置
被写体を真ん中に置くことでムダな要素を最小限に。水平に角度をつけて変化を出してみた。
- S
- その次の写真は、第5回で学んだ「1/3ズラし」ルールにのっとって、被写体の位置を右に寄せてみました。
- 龍腰さん
- センターをズラすことで奥行きが出てるし、夕方の光と後ろの木杭がいい感じに立体感を醸し出していますね。
- S
- こっちはアングルを思いっきり下げて撮ってみました。もう疲れてふてくされた顔になっちゃいましたけど。
- 龍腰さん
- 動物と同じ目線で撮るのは大事ですよね。今まで知らなかった表情やしぐさに出会えたりもするので、バリエーション的にはぜひ押さえておきたい。あと、どの写真もそうですが、逆光で撮ってるからすごく雰囲気が出ていますね。
- S
- 順光だと、犬が眩しがって目を開けてくれないんですよ(笑)。今回は一枚もフラッシュを焚いていないんですが、逆光の場合もそれでよかったんでしょうか?
- 龍腰さん
- もちろんです。フラッシュを使うと空気感が損なわれるし、犬もびっくりしちゃう。動物も人物も、自然光での撮影時は基本フラッシュNGと考えてください。
ポイント③
いろんな構図・アングルから魅力的なしぐさを探る②
画面の1/3に寄せて
被写体を画面の1/3のスペースに置くことで、スッキリとした構図に。夕日の逆光が情景をうまく表現し、被写体の立体感もくっきり。
目線の位置を低く
地面にしゃがみ、動物の目線で撮った一枚。アングルは面白いが、構図的にはもっと上にスペースの余裕を持たせたほうがまとまり感が出る。
- C
- この写真、浜辺のスフィンクスみたい(笑)
- S
- これね、背景をぼかしたかったんで引いて撮ってみたんですよ。そしたら後ろに女の子が写り込んじゃって。
- 龍腰さん
- それがいい味になってますね。女の子にピントが合っちゃうとうるさくなるけど、ボケ感を利用したことで雰囲気のある写真に仕上がっている。水平もしっかりとれているし、なかなか優秀ですね。
ポイント④
背景のボケ感を利用して被写体を際立たせる
逆光気味に撮り、背景をぼかすことで被写体を引き立たせる。予期せぬ写り込みも、かえっていいアクセントに。
- S
- アドバイス通りにやってみたら、思った以上にいい写真が撮れて楽しかったです。そろそろ次のステップに進んでみたくなりました。
- 龍腰さん
- 光の使い方や構図・アングルのとり方といった基本はもうできているので、次はレンズを替えて撮ってみてはどうでしょう? 広角レンズでもっと被写体に寄ってみるとか、望遠レンズでさらに背景をぼかしてみるとか。ちょっとした工夫で表現の幅がぐっと広がるはずですよ。
- S
- そうですよね、せっかくミラーレス一眼を買ったんだから、レンズ交換も楽しまなくっちゃ。アドバイス、ありがとうございます!
次回は「実際に撮影してみよう③」をレポートします!
(つづく)
2015/5/12