和食シリーズ企画第3弾
第7回のテーマは「干ししいたけ」。
煮物の食材としてはもちろん、風味豊かな香りやうまみは、
だし汁としても古くから使われています。
市販の干ししいたけには、「香信(こうしん)」「冬菇(どんこ)」などがあります。これは、品種の違いではなく、しいたけの形状の違いによる分類です。
「香信(こうしん)」は、しいたけが成長してかさが開いたタイプです。薄いため、もどし時間は短め。毎日のお惣菜に幅広く、気軽に使えます。
「冬菇(どんこ)」は、主に晩秋から初春の寒い季節にゆっくり成長し、かさが5~6分程度に開いたしいたけを乾燥させたものです。肉厚で歯ごたえがあり、肉質のキメは細やか。丸ごと煮たり炒めたりする料理に最適です。冬菇の中でも、かさに白いひび割れ状の亀裂が入ったものは特に「天白(てんぱく)冬菇」「花冬菇」と呼ばれ、珍重されています。
また、「香菇(こうこ)」は、冬菇に比べて大型で香信よりも肉厚。バター焼きやバーベキューなど洋風の濃厚な味に負けないボリュームとうま味があります。
干ししいたけのもどし方と保存方法
冷蔵庫でもどす
干ししいたけをもどすときのポイントは温度。冷水を使い、冷蔵庫でゆっくりもどすと、うま味を引き出すことができます。
軸がついたままの干ししいたけは約5倍の重量、10gであれば約50gにもどります。
ポリ袋に乾しいたけを入れたら、ゆったりと浸かる程度の量の冷水を注ぎ、水から顔を出さないように袋の空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫へ。水が漏れないよう、ボウルなどに入れておくと安心です。香信なら5~6時間、冬菇なら10~12時間かけて、芯までもどしましょう。
もどしたら、絞らずに水気をきるだけにして、うま味を抜かないようにすることも大切です。
冷凍庫で保存する
乾物のまま保存して使う前日にもどす、という方法が一般的ですが、もどしたものを冷凍しておくと、使いたいときにすぐに使えます。買ってきたら、1袋全部もどしてしまいましょう。
もどしたしいたけは、軸を切り、薄切りなど使う形に切り分け、1回分ずつラップに包んで冷凍してください。もどし汁は製氷皿などで凍らせておくと、1かけずつ使えるので重宝します。しいたけも、もどし汁も、凍ったら密閉容器に移して保存しましょう。
2017.05.09