三菱ジャー炊飯器
「ひゃくまん穀」生産者部会 番場睦夫さん
石川県農業試験場 猪野雅栽さん
株式会社米心石川 品質管理室 北幸一さん
ほか「ひゃくまん穀」の開発・生産に携わったみなさん
「加賀百万石」のお膝元、石川県。「加賀野菜」や果樹など、この地ならではの農業様式を確立しています。霊峰・白山を源とする「生命の水」は、石川県の手取川扇状地に豊かな恵みをもたらしてきました。日本有数の穀倉地帯である北陸のなかで、近年は県独自のお米作りにも力を入れてきています。
粒が大きく、粘りと甘みがあり、冷めてもなお、おいしいお米です
猪野「ひゃくまん穀」は2017年にデビューしたばかりの新しいお米です。温暖化の影響もあって、各県で夏の気温が高くても高品質のお米が収穫できる新しい品種が続々と発売されていますが、「ひゃくまん穀」は穂が出る時期が遅く、収穫時期も遅い。とても高温の影響を受けにくい品種です。
北食味としては、粒が大きくてもちもちしているから、噛みごたえもあっておいしさを感じやすい。しかも時間が経って冷めてもそのもちもち感が続くんです。
猪野これまで石川県では「コシヒカリ」と「ゆめみづほ」が主力米でした。コシヒカリはやわらかい粒感にもっちりした食感。ゆめみづほはしっかりした粒感にあっさりした食感。ところが「ひゃくまん穀」はしっかりした粒感にもっちりした粘りを持ち合わせています。
番場私は試験栽培が始まった2015年から関わらせてもらっています。他にも新品種の候補はたくさんあったんだけど、どれもこれも似たような感じで(笑)。でもこれだけがおいしかった。粒は大きいし、冷めとっても粘りのあるやわらかさを保っとったんです。
「ひゃくまん穀」の最大の特長は「大粒の食べごたえ」。お米には粒のサイズ感を表す「千粒重」という単位があります。「ひゃくまん穀」の千粒重は26.1g、コシヒカリの約1.2倍あり、粒の大きさも一回り大きくなっています。粒の大きいお米は噛みごたえもあり、人の嗜好に訴えかけやすいと言われています。
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多様な嗜好の受け皿としても期待大
番場生産する側からすると、稲穂が重いお米だと倒伏が心配になるんですが千粒重が重くても、台風などで倒伏せずにおいしいお米が穫れるなら言うことありません。「ひゃくまん穀」は粒が大きいけど、茎がしっかりしていて太いので台風などでも倒伏しませんでした。
猪野粒が大きく、粘りと甘みがあって、しかも冷めてもおいしい。もちろん消費者の方にはもちろん喜んでいただいていますが、実は丈夫で収量も多いから、農家さんにとってもいいお米なんです。
北アツアツごはんはもちろん、冷めてもおいしい。しかもおかずを選ばない懐の深さもある。冷めたごはんに卵ふりかけをかけてラップでまとめれば、そのままお弁当のおにぎりにもなって、しかもおいしい。
「ひゃくまん穀」の父は粒が大きく食味のいい「能登ひかり(石川8号)」で、母は収量が多く食味の良い晩生の北陸211号の掛け合わせによるもの。「食味」と「育てやすさ」のいいとこ取りができたお米だといいます。
番場「ひゃくまん穀」は”晩稲”で収穫時期が遅い。他のお米と時期をズラすことができるんです。石川県のコシヒカリの収穫は例年9月6日頃。対して「ひゃくまん穀」は9月も下旬に近い19日頃。農家にとって収穫時期が一斉にやってくるのはすごく大変なんですが、時期をズラすことができればその分、手をかけることができる。
猪野農家さんの規模によって、収穫時期の調整ができますよね。小規模農家さんだと、収量を安定させるために晩生の「ひゃくまん穀」から植えて、早く育つ品種(早生品種)を後から植えても早生品種の収穫後に「ひゃくまん穀」を収穫できる。一方、番場さんのように数十町も田んぼをやっている方は早い稲から植えて、後に「ひゃくまん穀」を植えれば収穫時期をずらすことができますから。
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ふぐの子のぬか漬
粒感しっかり、粘りのある「ひゃくまん穀」には塩気のあるおかずがぴったり。毒素があるはずのふぐの卵巣を2年以上に渡って、塩漬けとぬか漬けという工程を経ることで無毒化。石川県特産のふぐの子のぬか漬けの塩気は、「ひゃくまん穀」のしっかりした粒感と粘りによう合うのです。
おにぎり
冷めておいしく、ごはん粒の食べごたえがあり、しかも塩気のある具との相性バツグンと来れば、やはりおにぎり! 北さんの卵ふりかけのほか、番場さんは「塩鮭!」、他の方からも「奥能登の揚げ浜塩で塩むすびに!」、「いや、梅干しか昆布を!」と侃々諤々。地域のホテルの朝ごはんにも「ひゃくまん穀」のおにぎりが採用されているそうです。
カレーライス
その粒立ちの良さから「丼系やタレごはん系なら何でも!」という意見が出るなか、とりわけ人気を集めたのがカレーライス。多少の粘度があるとごはんへの絡みがさらによくなり、しかもカレーソースに負けないお米の味の存在感が、えも言われぬマリアージュを生むのだとか。かきこんで良し、噛みこんでなおよしの味わい。
「本炭釜 KAMADO※」で
炊いた感想
石川県での試食会は、生産者から県庁職員まで「ひゃくまん穀」の開発・生産に携わってきたキーマンが勢揃い。”プロフェッショナル”を目の前に緊張しながら、炊きたてのフタを開けてもらうと……。
「全然違う!」と驚きの声が。香りだけをかぎ比べてもらった時点で、「香ばしい!」とすでに違いを明確に感じているよう。口にすると「お米にコシがある!」「甘みも強い!」と食べ比べのスピードが加速します。
「ふだん炊いたのもおいしいとは思っていたけど、比べると香りに加えて粒表面のノリのベタつきも目立つ」との意見も。実は「このお米は炊くのが少し難しくて、一般の方向けには、失敗のないよう少し水量少なめをおすすめしている」とのこと。しかし、「本炭釜 KAMADO」はぴったりの水量で、よりおいしく炊ける」ことにも驚かれた様子。
冷めてからのおいしさも「硬くならずに、粘りが増した! どうして?」など「ひゃくまん穀」愛がほとばしるプロならではのコメントと探究心にこちらも圧倒されるばかりでした!
※「本炭釜 KAMADO」の当社従来品(NJ-AWB10)を使用。
おまけコーナー
卵かけごはんに
するなら?
グルメ本「新しい卵ドリル」の作者で、卵かけごはんに詳しい、フードアクティビストの松浦達也さんに、銘柄ごとのおいしい食べ方を聞いてみました。
茶碗に全卵を先入れ卵かけごはん
「ひゃくまん穀」は全卵をきっちり混ぜても粒感がしっかり感じられるが、さらにごはんの食感を楽しめるよう、先に全卵を溶いて醤油で調味したところに、「本炭釜 KAMADO」で炊いたごはんを少し大盛り加減で後入れ。上のほうで炊いた白米の甘みを感じ、下から箸で持ち上げた「ひゃくまん穀」と卵の相性を楽しみ、最後にしっかり溶いてお米の粒感を堪能するという3段階の楽しみが味わえます。