超低高度衛星を開発するための技術評価を実施する衛星として2017年に打上げられた「つばめ」。その飛行高度が地球観測衛星の最低飛行高度としてギネス世界記録に認定されました。
人工衛星の開発現場を徹底解明!
センチメートル単位で位置情報を教えてくれる
日本版GPSとは!?
神奈川県 鎌倉製作所編
今回は神奈川県鎌倉市にある鎌倉製作所を取材。
宇宙から位置情報を教えてくれる人工衛星の開発現場を徹底解明!
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人工衛星の開発現場を徹底解明!
(左から)
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神奈川県の南東に位置する鎌倉市は、数多くの寺や神社などの歴史的建造物も多く、三方を山に囲まれつつ海にも面している、豊かな自然に囲まれた土地です。
中でも綺麗な砂浜が特徴の由比ヶ浜は海水浴やサーフィンを楽しむ人々が訪れる人気スポットです。夜には月明かりが海面に反射して描き出す「ムーンロード」も有名です。
鎌倉といえば高徳院の大仏さまも有名です!
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鎌倉製作所は1962年に操業開始。以来、宇宙にまつわる技術に取り組み、1976年には日本初※の電離層観測衛星の打ち上げに成功。人工衛星や、その搭載機器の開発・製造を中心に手がけ、これまでに75機以上の打ち上げに成功しています。
天気予報でよく耳にする、気象衛星のひまわりも鎌倉で製造されました。
※ 当社調べ
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「みちびき」は、宇宙から正確な位置情報を提供する測位衛星です。一般的に位置情報の手段として知られているのはアメリカで開発された衛星測位システムのGPSですが、日本の都市や山間部などでは日本の地形や建築物の影響で人工衛星の電波が遮られ、位置情報の誤差が大きくなるという課題がありました。
この課題に対処するために内閣府が主導して開発されたのが日本版GPSとよばれる、準天頂衛星「みちびき」です。初号機は2010年に打ち上げられ、現在は4機体制で運用されています。このシステムは、自動車の自動運転や配送ドローンの自動配達、農作業の省力化など様々な分野で応用され、さらにはスポーツ分野でも選手の動きを宇宙から追跡してトレーニングの効率化に寄与しています。
こんなにも幅広い分野で活用されているなんて!驚きです!
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「みちびき」は、上空約3万6000キロの宇宙空間で稼働しています。宇宙空間には空気がない上に、太陽光が当たる部分の人工衛星の温度は100度にも達し、逆に日の当たらない時には-200度まで冷え込む過酷な環境です。こうした極端な宇宙の環境を再現して試験ができるのが、スペースチェンバーです。ここでは1ヶ月にもわたって休むことなく試験が行われます。
1ヶ月も過酷な状況に耐えるなんて…念入りな試験が宇宙での安定した稼働を支えているんですね。
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宇宙探査の成功には、人工衛星や探査機が宇宙空間での厳しい環境に耐え、確実に性能を発揮することが不可欠です。そのため、他にも様々な試験設備があります。
ロケットで打ち上げる際の状況を試験する設備として、振動試験設備があります。これは、実際の打ち上げ時に発生するロケットの振動に耐えることができるかを試験するための設備であり、人工衛星や搭載機器がどれだけ頑丈であるかを確認するのに欠かせません。
ロケットの打ち上げ時には大きな音も発生するため、音響試験設備を用いて試験します。この設備は、実際のロケット打ち上げ時の音を忠実に再現し、人工衛星や搭載機器が音によるダメージに耐えられるかを確認するのに役立ちます。
実際に宇宙空間で運用されている人工衛星は地球と遠く離れているため、アンテナの性能を検証するためには、専用の設備が必要です。コンパクトアンテナテストレンジは、この遠く離れた人工衛星と地球との距離を模擬して試験することが可能で、人工衛星が確実に地上と通信ができるかを確認することができます。
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通称「こうのとり」として知られる宇宙船「HTV」の次世代機種で、国際宇宙ステーション(ISS)への重要な役割を果たします。
ロケットにより打ち上げられた「こうのとり」はISSとのドッキングを果たし、食料、水、衣類といった宇宙飛行士たちの生活に必要な物資の供給や実験装置の搬入を担い、長期滞在する宇宙飛行士たちのサポートにおいて欠かせない存在となっています。
宇宙空間で生鮮食品ですか…!難しいミッションの中でも普通の食品が食べられることで、宇宙飛行士のストレス緩和につながりそうですね。
2025年に向けて進行中のアルテミス計画では、人類を再び月面に送り、持続的な活動を実現することを目標としています。この重要なプロジェクトに三菱電機も協力しており、技術の提供や支援を通じて、人類の宇宙探査に新たな一歩を刻むお手伝いをしています。
60年以上にわたる技術の蓄積を活かし、果敢に宇宙開発に挑戦する姿勢に感動しました!
神奈川県 鎌倉製作所
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岐阜県 中津川製作所編
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福島県 コミュニケーション・ネットワーク製作所 郡山工場編
福岡県 パワーデバイス製作所編
兵庫県 電力システム製作所編
※粒子線治療システム事業は2018年6月1日をもって日立製作所に事業統合いたしました。
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愛知県 名古屋製作所編
静岡県 静岡製作所編